はちみつの瓶の蓋が開かなくても

何度やってもだめ。
ネット上に存在するありとあらゆる方法を試したけどだめ。

はちみつの瓶の蓋がどうしても開かない。

一人で毎晩必死に瓶の蓋と格闘する。
孤独だ。そして無力だ。
自分の非力さをこういう時に改めて痛感する。

びくともしないはちみつ。
開かないと余計に食べたくなる。
成城石井で買った少し高いやつ。

でも、絶対に誰も頼りたくない。
何の意地?

「はちみつの瓶の蓋が開かない」

女友達に言ったところで開けられる確証はない。
力的に。
あと、こういう時に頼れる男もいないんだ、とか
万が一思われたら悔しい。
絶対に思われない。私の被害妄想。

知っている男性に連絡してもいいけど
こんなしょうもないことで呼び出せる人なんて
大して興味のない人だからそもそも会うのが面倒。

はちみつの瓶の蓋を開ける対価として
セックスを提案されたら割に合わなさすぎるし。
その場合はお風呂とトイレの掃除もお願いすればいいか。
あと洗濯物も畳んでもらおうかな。

あー、誰にも会いたくない。
喋りたくない。
忌々しいはちみつめ。

こんなはちみつ、
調味料が入っている棚の奥でずっと眠っていればいい。


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