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メラニウムの嘘

初めてその作品を見た時、
本能的に、ただ、本当に
「あぁ、作品にしたい」
そう思った。

おかしな話
だってそうでしょう?
もう作品として存在しているそれを
私がどうして作品にするというのだろう。
でも、私の手でもう1つ作り出したかった
“非公式”の ホ ン モ ノ を。

元々、“そういうの”が好きだった。
モチーフで何かを作りあげたり、
頭の中の世界をただそのまんま形にしたり、
綺麗だと思ったものを、感銘を受けたものを、自分の 何か として作り替えたり━━━━━━

曲を本にしたり、ゲームから歌が作られたり
何かその作品を他の形として表現する創作

私が言える自分の1番の得意で
1番のコンプレックスだったその才能は
誰にも見せることも無く、誰に認められることも無いまま大きくなった。
否定が、解釈違いが怖くて周りに公表出来ない、だからといってしまい込んだら承認欲求が満たさされることは無い。
面倒臭いジレンマ
私のアイデンティティ

これはそんなどうしようもない私が
初めて盗作する話