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言葉数とブロックチェーン。

 文章が簡単に書けすぎて、軽すぎて困る、みたいなことを、先日書きました。自分で言うのもなんですけれど、実際軽い印象はあります。よく言えばかろやか、悪く言えば軽薄です。後者に見えて絶望していることが、ときどきあります。
 じゃあ軽いって何? と考えて、一文字あたりのデータ量かもしれない、と思い当たりました。同じデータ量をやりとりしていたとして、わたしのほうが文章が長い。口数が多い。それはつまり、わたしの一文字あたりのデータ量が少ないということです。そりゃ軽いわ、って感じですよね。

 軽い=悪い だと考えていたのですけれど、そういえばそうでもないかもしれない、とふと思いました。

 ブロックチェーンという概念があります。金融業界用語のようです。複数の同等のコンピュータが、網目状につながっている。従来の中央集権的システムの対義語みたいなもんです。

ブロックチェーン概念図

 ブロックチェーンって、一台や二台コンピュータが壊れても、データが改ざんされても、隣のコンピュータのデータと照合すれば、エラーを検出して訂正できるんですよね。だからシステムは落ちないし、改ざんにも強い。
 これね、たとえば参加するコンピュータが2台だと、あんまり意味がありません。多くのコンピュータが参加してこそ意味がある。

 言葉数が多いって、このブロックチェーンに似ているのではないでしょうか。診察場面において、わたしの話は誤解の余地が少ないと、言われることがあるんです。口数が多いから当然よねとか思っていたわけですけれど、これ、一文目でかりに誤解したとしても、二文目で誤解が訂正できるからかなとか。また、わかりやすいと言われるのも、同様の理由かなとか。どこかの時点で、理解することができるから。わかるまで言い換える、という特技のせいもありましょうけれど。

 ちょっとだけ自信が回復しました。勝手に落ち込んで勝手に立ち直る、そういうことはときどきあります。


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