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宣伝会議賞のこと3
たぶんこれで終わりです。
そんで来ました第60回宣伝会議賞の贈賞式。
確か15時30分集合だったと思うので10分くらい前に到着して、そのまま会場で受付。
席は結婚式みたいに各自決まっている。純白のクロスが眩い円卓に座る。自分以外はまだ誰も座っていない。ふと隣りの席の方の名札が目に入る。あ、知ってる。。動画で宣伝会議賞への挑戦を配信してる芸能人の方だ。ふとこれが現実なのかわからないようなフワフワした気持ちに。メディアのあっち側っていうか、「出てる人」の世界に間違って来てしまったんだ私。。
まだ何も始まってないがもう逃げたい。逃げたいが、逃げない。だって自分で来ること決めたから。仕事も意気揚々と休んでさ。私はもう大人なんだ。それも中年。ってか熟年に片足突っ込んでる。落ち着くんだ俺。。
結果、隣りの方はすごくいい方で、心細さを気遣いで和らげてくださった。前から動画楽しく見てたけど、すごく、なんというか、あの、ファンになってしまいました。
まずは式のリハーサル。協賛企業賞の受賞者は自分の作品がスクリーンに映ったら立ち上がって礼をするだけ。これなら小学生でもできる。マスクは外すらしい。前もって「そろそろ順番来ますよ」ってスタッフが教えてくれるとのこと。安心だ。
いよいよ試合開始。どんどん企業賞が発表されていく、どんどんみんな立って一礼。あれ?おれそろそろじゃない?そろそろだよね?そろそろセブン銀行じゃない?あれ、お知らせは?来ないよ。
そうこうしているうちにたぶん一つ前の課題。ああ、やっぱりうちにはお迎えがこないんだ。保育園の園児みたいな不安。マスク外す。呼ばれた!
ただ立って一礼して座るだけ。
それなのに(頭が)頭が、(真っ白になってしまい)真っ白になって、しまい、ました。
なぜか手を開いてパァとやってから「一礼しなくちゃ」と慌てて頭を下げる。あれ、ちゃんと座ったかな?次の人ちゃんとカメラに映ったかな。邪魔しなかったかな?一瞬で脳がクラッシュした。何で手を上げたんだろう。確かに余裕あったら手でも振ろうかと前日とか思ってたけど、余裕ないのにするなよ俺。親が実家で見てたらしいけど、「リラックスしすぎ」って思ったらしい。まったく逆ですけど!
ああ、調子こいた失礼な奴に見られてしまった。もうダメだ、嫌われた。みたいな自意識が爆発してまたそのあと茫然自失。
で、ファイナリスト発表。前もって見てたけど、この作品がこの人のかあ、みたいな感じを楽しむ。あらためてファイナリストの作品の凄みみたいの感じる。自分のもあと少しでファイナリストだったのになぁ、なんて思ってたけど、やはり差がある感じ。
隣りの方がすごい賞を取って興奮、なんか感動してしまった。
そのあとは懇親会。立食パーティー。これが一番怖いやつ。いつも1人になって用事もないのにスマホいじってメールかなんかチェックするフリしちゃうやつ。だめだ、作った名刺を配ったりしてコミュニケーションを取るんだ。。。
まぁでもまず、せっかくオークラに来たんだ。美味しい軽食でもいただこう。ケーキやサンドイッチ、ピンチョスみたいなのをよくわからず取る。テーブルに戻る。食べる。うん、よくわからない。うまい、はず。コロナで味覚がなくなるってこんな感じだったのかな?もうなにもわからない。
周りを見回す。みんなだれかと話している。賞を取った人のまわりは人の輪だ。
「そうですよね〜、すごいですね!」とか言って入り込むか。そんなことできるわけないだろ。ってか、みんな知り合いなの?なんで初対面とかでそんな楽しそうに話できるの?
気がつくと身体が石のように固まり、動かない。やばい歩こう。向こうのテーブルまで。どうしよう。何も事態は変わってくれない。
「犬猫だと思って話せばいいよ」という奥さんからのメール。そうだ、僕は犬や猫となら上手に話ができるんだ。とにかく話せそうな方に挨拶し、名刺を渡す。話しかけてそのあとつまる。相手も困惑。みたいになる。そうだ、何を聞きたいんだ俺。おろおろしていたら大学生チームの子が話しかけてくれた。おお神の子よ。なぜかスラスラしゃべれる。おまけに「こんな機会ないからどんどん話しかけて名刺とかもらうといいよ」と上からアドバイスしちゃう。おーまーえーだーろー?と頭の中で某の声が響く。
そして若手審査員の方に声をかけてもらい、「どんどん話しかけに行った方がいいよ」と本物のアドバイス。少し酔ったこともあったのかコピー界の重鎮たちに声を掛けちゃう。
ああ、意外にみなさん、気さくに話をしてくれる。あんなすごい方が。リップサービスだとしても作品をちょっと褒めてくれたりして。凡庸だと思っていたこの作品。もしかして少しは自信もっていいのかも。
ことばの力はすごい。一言、そのひとことが世界を変える。まさにコピーじゃないか。
あらためて思う。
あと思う。あ、自分、ほめられたかったんだ。
そこからはわりと話しかけにいけたりして、好きなコピーライターさんとも話せたり、昔から陰ながら応援している歌手の方とお話ができたり。ああ、素敵な人です。なんだろう、、夢を見てるのかな?
「このコピー、好きです」と言ってもらえること以上のものはない。だから好きなコピーがあったらちゃんと好きだと言おうと思う。
ああ、やっぱり来てよかったよ。
あるコピーライターさんがおっしゃっていた。「だんだんくやしくなってくるでしょう?ちくしょう、ファイナリストになりたかったって。それが大事なんだよ。次は絶対にあっち側に行ってやるって」。
本当にそうだ。やはりファイナリストと協賛企業賞は1軍と2軍みたいに差がある。もちろん協賛企業賞にはファイナリストでもおかしくない作品もあったし、そもそも役割の違いっていうのも当然あるから比べても意味ないけど、個人的にはやはりそう思う。ファイナリストになりたい。
最終的に青春真っ只なかみたいなテンションでメラメラしながら会場をあとにしました。
その後どうやって家に帰ったか記憶がナッシング。興奮がおさまらず布団に入っても目がギンギンでした。
とにかく、やっぱり行って良かった贈賞式。また行きたいな。
オ・ワ・リ
ドトール三鷹駅北口店にて。
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