流体

あおがすき

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最近の記事

夜と海月

始まらずして終わることが多々ある。 私は始まりの約束が苦手。 結婚してます 恋人がいます 同棲してます この言葉に安心する。始まらないはずだから。 始めない理由があるから。 そのくせ パートナーがいるのに寂しいんだ、この人 って感じると吸い寄せられてしまう。 だらしない人 満たされない人 甘える余白がある人 間違っている人 間違えられる人 そのだらしなさに甘えてしまう。 私は怖いから。 終わりがあることを恐れる人が多いと聞くけど、私は終わらないかもしれないことが何

    • 何もかも憂鬱な夜に

      いつだったか古本屋で手に取った小説。眠れない夜のお供にしようと思っていたけれど、鬱屈とした気持ちの時は本を読む気力がなくて。なんだかんだ枕元に置いたままになっていた。 ないはずの記憶が掘り起こされるかのような読後感。幼い頃の私が周囲のおとなたちに無慈悲に見詰められ、好き勝手に分析されている。何も掴むものがない。深淵。どこか私を縛り続ける加虐心。醜い自分。 大抵の本では、大抵の場合、誰かが死んで、誰かはセックスをしている。この本も然り。生を物語る上で不可欠な事象であるという

      • 成人式にいかなくても

        「あなたは3ではなくて1か5に丸をつけるね」 これは中学生の頃、先生に言われた言葉。確か肯定的なニュアンスで受け取ったと記憶している。 たとえばアンケート。1は当てはまらない。5は当てはまる。3はどちらでもない。 あなたはどこに丸をつけてきましたか。もちろん質問の内容によるのだろうけれど。 テレビからは、 成人になった実感が湧きません という声。 おとなってなに? いつまでこども?おとなってどこから? なんてよく言われるけれど、私は結構前から自分のことをおとなだと思って

        • 喪服

          誰かが終わりを迎えた時に出番が来る。誰か、といっても身内や親しくしてもらっていた誰か。お互いの人生が交わったことのある誰か。誰かとしか表現できないその誰かより自分の人生が先に終結する可能性だって十分にあるのにね。それでも誰かを見送る側だと思いながら日々生きているの。でもね、ほんとうはね、誰かじゃなくて特定の存在をおもいながら選んだ。ワンサイズあげとく?隣から一緒に選んでいた母の声が聞こえたけれど、太る予定ないから大丈夫と。だってその人は会うたびにべっぴんさんねえ、きれいねえ、

        夜と海月

          ゆるせるひとになりたい

          なんとか2022年に置いていかれなかったみたい。ありがてえ。かと言って2023年に乗れている感覚があるわけでもないんだけど。 1年終えたな〜と思えたのは、去年の手帳を振り返ったから。ただひたすらに「痛い」「熱が下がらない」「どうして」の文字が並んでいた。しかも細いボールペンで書くもんだから弱々しいの。本当に体調が戻らなくて苦しんだ年だったなあ。弱ってる姿を見られたくなくて一人で年越ししたりして。入院もした。一人で苦しみながら誕生日を過ごしたりもした。誰にも言えなくて布団被って

          ゆるせるひとになりたい