2021 4/17 vs徳島◯1-0 【J1第10節】
キックオフ
前半終了。
前半終了時点での攻撃評・守備評
攻撃に関して。
今の繋ぎのクオリティのなかでは、「選手達のやりやすさ(探しやすさ)」を助けてあげるための整理は効果的に働いた。
この図のように、誰がどこを担当するかの分担ができたおかげで、選手達の迷いが軽減された。
ただこれはあくまで「分担」という意味での整理だ。
自分達がやりやすくはなるが、それが相手を上回るような何かに繋がるかは「あくまで選手次第」。
加えてこの形、高い位置の横幅で5枚を揃える事になる被カウンター時の陣形が危うい。
この形でやるなら、そこのリスク管理もセットで整理する必要が出てくる。
守備に関しては、「中を締めるという事の優先順位を上げた」という変化があった。
外からやられる事をトレードオフにした事で、やはり中の守備は安定する。
言い方を変えれば、「中も外もやられるよりは、少なくとも中はキッチリ塞いでられるようにした方がいいよね」という感じ。
それが最も良い形として現れてたのが、健斗-レオのボランチのところ。
ザーゴ式では広い守備範囲を求められていたCHだが、2人共動こうと思えばかなり広く動ける選手なだけに、ピンチの際最も重要なポイントに立てて居ない事があった。
しかしチーム全体で中を固める形になれば、しっかりと中央で待って、相手のアタッキングサードに蓋をする役割で存在感を発揮できる。元々対人守備は鬼のように強い2人だ。
相手の攻撃の軸である、トップ下の渡井を56分で交代させた事は、このボランチコンビが中央で壁として効果的に働いていた事の、なによりの証拠だろう。
ただ、徳島の攻撃を見てると、術はあるがクオリティがほんの少し足らずに…と感じる部分が多く、その点この雨に濡れたピッチコンディションには助けられた印象がかなり強い。
中締めは、あくまで外からの前進は許容する形になる。後半を考えると、あくまで術を持ってる徳島が押す展開になっていくと思う。
徳島がボールをしっかり握り前進してペースを掴むだろうし、鹿島には被カウンター問題も残ってる。
だからこそ、それを狂わせる「雨と先制ゴール」はデカい。
これにより躓く徳島相手に、2点目決めてCLOSEが鹿島の理想となる。
という前半だった。
そして後半終了。
試合総括
試合終了。鹿島1-0徳島で勝ち点3GET
やはり戦い方は、ザーゴ以前の形に近いものだった。
あくまでベースは選手達が各局面で勝つ事。なので「選手達のやりやすさ」を最大限尊重し、コーチングスタッフからの介入は最低限の「分担」程度に。
それが、健斗や荒木の高いパフォーマンスを引き出した。
しかし構造で相手を上回れていないのも事実。
個人個人の優位の押し付けだけでは、相手の組織力、そして主力選手の海外移籍という波に押し負け歴史を繰り返す事になる。
ザーゴをターニングポイントとし、ここから相馬監督が「従来の強みを引き継ぎながら新たな組織力を積み上げる事」ができるか?
この先の戦いで真価が問われることになる。
しかしなんにせよ、初陣を勝利で飾れたのはなによりもプラスな要素だ。
この試合を勝てた事。まずはそこを喜び、追い風にして、これからの戦いに繋げて行きたいところ。
次も勝つ