2021 3/21 vs名古屋●0-1

帰宅してから、少し寝た。

今日も凄い雨だった。


名古屋に負け、これでリーグ戦1勝1分3敗。5試合で勝ち点を11落とした。

川崎は昨シーズン、勝ち点を19しか落とさずに優勝した。
落とした勝ち点盆に返らず。もう帰ってくる事のない11という数字は重い。


帰り道、下を向きながら歩いていると、近くから「マジ弱いわ~」という声が聞こえてくる。

そんなことない

反射的にそう思うが、そんなことないと言えるほど、チームが成果を残せてないのも事実だ。現状、ファンにそれを言う権利はある。



この閉塞感の正体はなんだろう。

それが生み出す霧、いや雨を晴らすには何が必要か。



1つ、俺の中で胸の収まりが良い着地ができたので、共有したい。



心と、身体と。


こんな意見を多く目にした。

「気持ちを見せろ」
「気持ちが足りない」

そうなのかな。気持ちの量なのか?この雨の正体は。


俺は、むしろその逆の現象が起きてるように見える。



30周年の節目の年だとか、
2020シーズンの積み上げを経ての勝負の年だとか、
核の選手が抜けず欲しい選手の獲得にも成功してるだとか、
それらを踏まえ、今季4年連続国内タイトル無冠の現状の打破が至上命題であるという事

これらを、選手は十二分に理解し、体感してると思う。

やれる。やれるはず。やらなきゃいけない。だって↑の理由があるから。

なんなら去年よりも遥かに気持ちは出てる。


でも、それが今の鹿島が上手く走れていない最大の理由になってるように見える。


気持ちが、クオリティに対して前に行き過ぎてるんじゃないか?
いや違う。
クオリティが、気持ちに追いつけてないんじゃないか?


習熟度がより低かったはずの去年と最も違うのは、ここだ。
求められているのが「レベルアップ」だった去年と違い、今年は「優勝」。圧倒的な成果が求められた。


誰よりも速く走らなきゃ、あれもこれもできなきゃ、絶対勝てなきゃ…
この気持ちのはやりに対して、足の出が間に合わない。

前のめりになる気持ちを支えられる身体が出来上がっていないのだ。



それぞれの筋肉は、前のめりになる気持ちに付いていこうと、各々頑張る。
でもフォームが整理されていないから、筋肉同士が連動されない。
結果、足が上手く出せずに、前からつんのめる。

思うように動けない。
それぞれのパーツは、改善しようと更に個々で頑張ろうとする。
よりフォームのバランスが崩れる。怪我にもつながり始める。

気持ちはある。筋力もある。でも空回る。


開幕戦で、鹿島はまさに転んだ。
気持ちの高ぶりを制御しきれず、先制ゴールをキッカケに派手に転んだ。

現状、5節を終えた時点で、立ち上がり走り始める事ができていない。

なんなら
立ち上がれない内にどんどん他が前に進んでいく。差が離れていく。
さらに気持ちの前のめりが激しくなる。
結果まだうまく立ち上がれてないのに無理に走り出そうとし、また気持ちが足の出と釣り合わず、転ぶ。

という悪循環にハマりつつある。




だがしかし、幸いにも、Jリーグは2週間の代表ウィークを迎える。

これは全員が今の立ち位置関係無く足を止める、いわば給水ポイントだ。

ここを過ぎれば、58日間で15試合という長い道のりが待ち構えている。



鹿島はこの給水ポイントで、絶対に、絶対にフォームの整理を成功させなければならない。

気持ちの出力を抑えるのではなく、その出したいスピードに身体が付いていけるようにする。

そうして再び立ち上がり、走り出さなければならない。


このチームには、筋力が間違いなく備わってる。

あとはそれぞれのパーツで「なにを、どう頑張るか」の整理を行い、「連動」を生み出す。

そうすれば、必ず、現状大き過ぎている気持ちを100%エネルギーに変え、

胸を張り

余計な力を抜き

顔をあげ

しっかりと腕を振って

力強く走る鹿島アントラーズが見られるはずだ。




今季のリーグ戦は全38試合で競う。
開幕からの5試合をそこそこの成績で乗り切るよりも、ハッキリ課題が結果として顕在化し、そのうえで「絶対にフォームの見直しが必要だ」と早々に認識して使命感を持ってこの給水ポイントを迎えられる結果になったのは、見方によれば不幸中の幸いだ。


まずは1週間後のルヴァン福岡戦で、しっかりと有効なチャレンジをし、その成果を確認せねばならない。

そしてザーゴと選手達なら、絶対に、また力強く走り始める姿を2週間後の埼スタで見せてくれる。

そう信じて、雨に打たれながら、俺はスタンドからピッチを見守りたい。