「チェリまほ」4話と、人それぞれの恋愛観

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(略して「チェリまほ」)は、男性同士の恋愛が軸になるストーリーですが、人の心を読めるという魔法をサラリーマンである主人公が使えることで、とても良質な人間ドラマになっています。

王様ゲームで、おでこにチューをした黒沢が、様々な感情を抱えて屋上でまどろんでいるところに、安達がやってきて、改めてキス寸前までいったのが3話のラスト。4話では、携帯が鳴ったり、後輩が来たりして、未遂に終わってしまいます。その後は、関係が進展することに怖気づいた安達は、黒沢との距離を取ろうとしています。

4話のある意味、主人公というのが、同僚である藤崎さんという女性です。いつも笑顔で周囲に感じよく対応して、安達も、藤崎さんのことは気になっている様子もあります。

4話は、藤崎さんと安達が、お使いを頼まれて、暴漢に襲われているところを黒沢が助けるというところも一つの山場です。

ただ、私がこの4話で印象に残っているのは、安達が藤崎さんや黒沢の内面に気づいて、自分も何かやれることあるんじゃないかと、実際に、行動に移すところの方です。母親が上京してくるのが憂うつと感じてる藤崎さんに対して安達が、(彼氏のフリじゃなくて)、藤崎さんは毎日楽しそうだから安心してって伝えますよというシーンは、泣けてきました。

4話で、安達が藤崎さんに「みんな恋愛の話、好きだなって。別に人生それだけじゃないっていうか。俺、恋や愛がなくても毎日それなりに楽しいっていうか」ということを話したこと、

藤崎さんの心の声として、「安達くんには幸せになってほしいな。相手が黒沢くんでも。恋をしても、しなくても。」「(安達くんは)私が恋愛に興味ないって言っても気にも止めないはず」とつぶやかせたこと。

このドラマが優しさであふれているのは、こういうセリフにあるとおり、誰を好きになっても、ならなくても、恋をしてもしなくてもいいと、開かれた感じになっているからです。

自分も、最近は、少なくなりましたが、彼女はいないのか、結婚しないのかって、職場でずっと聞かれ続けてきました。

安達や藤崎さんのいる豊川も、彼氏のフリしたらという同僚や、王様ゲームを無理強いする先輩がいたりとそういう苦いところも抱えています。

私自身は、カムアウトするつもりはないので、ストレートの振りをして職場で居続ける覚悟をしていますが、安達や藤崎さんみたいに考えることができる人が世の中にもっと増えたら、多くの人にとって、生きやすくなるんだろうと感じました。

チェリまほ、続きが楽しみです。

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