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強豪校に行けば強くなれる?

みなさんお元気ですか。
スプリントコーチ の「秋本真吾」です。
子供たちからトップアスリートまで人の足を速くするという仕事をしています。


少し前に僕のtwitterでもシェアしたのですが、こんな記事がありました。

部活の暴力防止へ、脱「密室」 保護者に練習を生配信:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN8F4ST3N8FUTQP002.html


僕はこういった対策が一時的に暴力を抑制する可能性があるだけで、根本が改善されるとは思えませんでした。未だに尽きることのない教師や指導者の体罰やパワハラ問題。


今日は進路の選び方についてです。


体罰やパワハラをする指導者の特徴はおそらく自分がそういう指導をされてきた人、指導者>選手という立ち位置の人が考えられのではないでしょうか。


「なんでできないんだよ?」



何度言われてもできない。頭が悪い。全てをできない選手の責任にしたがります。


「自分自身のコーチングの仕方がよくないのかな、もっと頑張ろう」という考え方にはなりにくいようです。


しまいには、指導者本人が当たり前のようにやるべきようなことも選手にやらせるようになります。何かをやらせる、何かを持ってこさせる、所謂、雑用です。練習とは関係のないことの強要です。その強要は不自然な挨拶にも繋がってきます。練習中に一回一回立ち止まって挨拶。先生はその挨拶にスルー。生徒の表情を見れば分かります。感情なんてほぼないです。やらされている挨拶ほど意味のないものはありません。


「コーチ」の語源は「馬車」です。
「大切な人を、その人が望む場所へ送り届けてあげること」
これがコーチングの意味です。


必ずしも「勝つ」ことが重要ではないようです。
全員が日本一になりたいわけではありません。1位になれるのは1人です。


選手が今やっているスポーツを通じてどうなりたいか?そして、そのどうなりたいかを実現する望む場所に送り届けることがコーチングなのです。


「指導」を辞書で調べるとある目的・方向に向かって教え導くこととあります。


大きな意味の違いはありません。
教え導く選手の気持ちが第一ではなく、俺はこうやってきた。こうやって結果を出してきた。だから俺の言う通りにしろというロジック。


悲しいかな、そういった体罰やパワハラをするような指導者がいるチームが「強い」という現実もあります。僕のこれまでの見てきた聞いてきた中での予想ですが、例えその時は競技力が高かったとしても、チームを卒業してから別の環境で競技力が伸びる可能性は極めて低いのではないでしょうか。


もちろん強豪校全てを否定しているわけではありません。
素晴らしい指導者の方がいて「強い」というケースもたくさんありますし、
例え強豪校でなくても、「〇〇監督の卒業生はみんな伸びていくよね」と言われるような素晴らしい指導者の方もたくさん知っています。


量(土台)より質(技術)とはよく言いますが、圧倒的な量があっての質だと僕は思っています。泥臭い練習も必要です。ただ、まるで根拠のないきつく辛い練習をやらせることで強くなることへの勘違い。逆に全く学ぼうとしない、部活に顔も出さない、生徒が自立するためだからと思い込む勘違い。


一度その学校に入った生徒や選手は気軽に学校を変えたり指導者を変えたりすることはできません。これは送り先の指導者だけの責任ではなく、


親御さんや送る側の先生達も強豪校だから名門校だから安心という安易な考えは持つべきではなく、自分の子供の選手の走りの特徴や性格も踏まえて進路選択をするべきだと思います。


だからこそ、親御さんも指導者も任せる学校の練習が何を大切にしているのか?正しいコーチングをしているのか?を調べることぐらいはできるはずです。


子供、親側さんからすると、いわゆる強豪校に行くのは、勝ちたいとか強くなりたいみたいなのが漠然とあって、学校側は結果に頼りすぎたリクルートをしていて、数多くの才能を潰している可能性も考えられます。


僕は行きたい大学があって、試験に落ちて希望の大学には行けませんでした。その大学に行きたかった理由は「強かった」からだけでした。


父と一緒に大学見学にも行きました。
正直、1日の大学見学でその大学の良さを感じることはできませんでした。ただ、漠然とここに行ったら強くなれるんじゃないかという期待だけです。


僕には3歳の娘がいます。
娘の幼稚園選びは徹底的に調べました。
教育理念、環境、幼稚園見学の時は先生方の一挙手一投足を観察しました。
そこまでします?と思われるかもしれませんが、今の日本の教育、スポーツの現状に大きな問題を知っているからこそ防げるリスクは防ぎたい。
それは誰のためですか?娘の未来のためです。


僕はこう思います。
体罰やパワハラをするような指導者を根絶するのは難しいです。


あとからなんでこの学校に来ちゃったんだ、このチームに入っちゃったんだと思わないためにも、大人が子供の未来のために本気で向き合う世の中になれば、必然そういった勘違いする指導者は淘汰されていくのはないでしょうか。


僕は行きたい大学には行けませんでしたが、当時僕の父親がわざわざ福島から関東の大学まで一緒についてきてくれたこと。心強かったです。進路のたびに真剣に的確な意見を出してくれました。今でも僕の仕事へアドバイス感想をくれます。そういう親の本気の姿勢が自分の背中を押してくれます。


大人が学びましょう。
大人が成長しましょう。
大人が行動しましょう
子供のために。







僕が運営する「走る」を考えるオンラインサービス「CHEETAH」も興味ある方は覗いてみてください。https://www.cheetah.tokyo/


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