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『マイティ・ソー』

今回は『マイティ・ソー』。MCUのこれまでとは異なり舞台が地球から宇宙に広がるため、一気に世界観もヒーローのスペックもレベルアップしています。

神話と未来感が融合するアスガルド

まずソーたちの住むアスガルドの表現が美しいのが印象的でした。建造物はすべて黄金で、柱や壁に施されている北欧チックな意匠が素晴らしい。『ワンダーウーマン』でアマゾン族が住むセミッシラとはまた違った形で、異世界であり神々の住む聖域だということが表現されていました。

ソーは王道ヒーロー

アスガルドにいるときのソーは、自信過剰で向こう見ずな性格。敵対する巨人族がアスガルドに侵入したことによってソーは独断で巨人族の住むヨトゥンヘイムへ殴り込みをかけます。結果的にオーディンが介入することで事態は収まるものの、仲間やアスガルドを危険にさらした罰としてソーはパワーを失って地球へと追放。地球人との交流で成長し、ロキが地球に送った戦闘マシン「デストロイヤー」を止めるために自分を犠牲にしようとしたところ、パワーとハンマーが戻ります。

スーパーパワーが戻るきっかけが少し弱かったような気もしますが「自己中心的でマッチョなヒーローが試練によって真の力に目覚める」というストーリーは王道で面白かったです。追放前のソーではアベンジャーズとしては「不合格」だったでしょうね笑

ヴィランとしての魅力を感じるロキ

元々兄よりも能力が劣っていることにコンプレックスを抱いていて、王の座に就くのが兄であることに不満を持っていたロキ。ソー直近の部下と共に氷の巨人の世界ヨトゥンヘイムに殴り込みをかけているので、兄や周囲の者には本心を見せていなかったようですね。

ロキが実子ではなく巨人の子供であることを父オーディンからカミングアウトされ、感情を爆発させました。巨人の血筋とはいえ純粋悪ではなく、ロキにグレるなりの理由をつけ、改心する余白を残すあたりは主要キャラっぽさがあると感じました。

世界の規模が大きくなった割にはスケールの小さい物語

異世界から来たソーが力を取り戻してデストロイヤーを退治するというストーリー自体はシンプルでいいのですが、その割にアクションシーンも地味だった印象です。

ニューメキシコの田舎町の通りのため建物の高さは低いし、破壊するものも少ない。せっかく火を吹いても、デストロイヤーがガランとした通りにポツンと立っている画は若干しょぼく見えてしまいました。その後のロキとの直接対決も、どちらかというと物語序盤の巨人族との戦いのほうが派手だったような気がします。

初登場なのに仕事をさせてもらえないホークアイ

やたらと名前はでたものの、ソーが暴れていてもお預け、肝心のデストロイヤーが街で暴れているときにはシールドは来ず、ホークアイの出番もありませんでした。残念!

まとめ

ソーが現代の世界に存在するというシミュレーションとしては踏み込めていなかったですが、王道ヒーローものとして、アスガルドを描いた物語として面白かったと思います。

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