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バリバリ(日本車)伝説

バリ島・デンパサールの国際空港に降り立つと,そこには待ち受ける観光業者の案内看板とものすごい熱気が。空港ゲートの外には日本車がこれでもか!という勢いで道路を埋めていました。デリカ・バンにスズキのキャリイ・幅広トラック、トヨタのSUVにヤリス・サイズのタクシー・・・・

インドネシアは日本以上に日本車天国だったのでした。人口およそ3億、日本並みに自動車普及率が高かったとすればトンデモナイ自動車生産台数になるはずです。そんな親日国でもあるインドネシアで、日本車の現地向け仕様車が生産され始めたのは70年代。トヨタのミニバン=キジャンは今でも人気車種のひとつです。

三菱デリカは90年代まで日本で生産されていた旧型モデルが今も健在。丸型、角形のヘッドライトのバリエーションも比較できるくらい、低年式のものから現行型まで幅広く活躍しています。タクシーと言えば、VITZ派生車のVIOSで占められており、カローラが街に溢れていたころの日本を思い出します。かつてはVITZのセダン版に、PLATZがありましたが、その後継車に相当するでしょうか?デザインは海外版カローラに酷似したもので、或いは見間違うかもしれません。

さて、東南アジアには広く普及しているはずの二輪車、スーパーカブの姿が見当たりません。信号待ちで最前列を占めるのは日本でいう原付2種スクーター。どれもがホンダ、ヤマハなどのエンブレムを輝かせ、二人乗り、時にはファミリー総出で、ロングシートを埋めている様子も今の日本には見られない光景でしょう。

バリ島に数日間滞在していて、見つけることのできたドイツ車はほんの数台。BMWとAUDIを2~3台見かけただけでした。韓国車の姿もフランス車も見た記憶がなく、逆に40系のランドクルーザーだったりジムニーの旧型モデルを何台も見かけたことの方が印象的でした。歴代カローラがごくわずかしか見られなかったのは意外。現地では生産されなかったのでしょうか。

太平洋戦争下にあっては日本の影響下にあり、独立に際しての経緯から日本にはとても好意的なインドネシアの国民が日本車を愛用し、日本ブランドを信用してくれる光景はとても好感が持てるものです。とりわけ、バイクのシェアを見るとほぼホンダが50%近くを占めているようにも見え、ビートやVARIOといったよりちょっと大きめな125~150クラスのスクーターが国民車的な存在、平均月収の1割もするヘルメットをかぶり、自慢の愛車に跨る若者たちの姿を見ると、この国の将来のマーケットに大きな期待を持つことができそうです。

今では日本で見かけない日本車も数多く存在し、タクシーのVIOSはじめ、ハイラックス・サーフによく似たトヨタ・フォーチュナーもスズキの3列ミニバンAPV(2018当時)もこちらではしばしば目にする人気車種のようです。日産のミニバン=リヴィナやホンダのコンパクト5ドア=BRIOも売れ筋のようで、軽自動車も微妙に形を変えて生産されています。

さて、件のスーパー・カブですが、都市部を探すとチョッパー・タイプにカスタム化したカブの姿を見かけたりします。日本以上に趣味のクルマ・バイクとしての地位を確立しているのかもしれません・・・・(内容は2018当時の状況)

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