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カッコつけない

ようやくKing Gnuの出演していた情熱大陸を見た。
実際の放送を見て飛ぶ鳥を落とすどころか、飛行艇すら落としてしまう勢いだなと痛感する。オールナイトニッポンゼロで見せた井口とaikoのカブトムシも異質だったけれど、この番組で見る常田の冷静沈着な雰囲気に凄みを感じる。TV越しでもゾワっとする。

ライブシーンと、渋谷の映像をMIXしたオープングムービーめちゃくちゃカッコよかった。半熟卵にナイフを刺した時みたいな、ドロっと中身が出てくる感覚。あのエクストリーム感がこのバンドの魅力だ。あのオープンムービーをつくってくれた人、ありがとう。

でも、胸を射抜くようなカッコよさがあったのはライブのシーンとかぐらいで、あとは結構泥くさいシーンも静かなシーンも多かった。
ラストシーン、車内でゴールを決めず、見切り発車のままで歌いあうメンバーに人間くささを感じた。ドキュメンタリー番組らしく、バシッと綺麗な言葉で締め括るのではなく、あくまでも等身大で閉会式を行う。
King Gnuはこういうバランス感覚が上手い。
カッコつける、ありのままを晒す、のメリハリに憧れる。
カッコつけるのは大切だけど、カッコつけてばっかりだとダサい。何事も。

勝負事や仕事、人生のスタンス、様々な場面で目立つのは取り繕ったカッコよさだ。カッコいいタイミングで、思いっきりカッコつける。自信満々に。それが大正解の時もあるけれど、何も着飾らず正直でいることの方が、カッコいい時もある。
正直がカッコいいと思うのは、そういう時に限って変にカッコつけてしまう自分の悪い癖があるからだ。
思ったことを書くにしても、難しい言葉や気取った言い回しをしてしまう。そのせいで上手く伝わなかったり、自分自身何を言いたかったのか忘れてしまう。
プレゼントを買ってきても、素直に渡せたら1番カッコいいはずなのに「別にお前なんか」って心のどこかに思いながら渡してしまう癖がある。それで相手の盛り上がりがイマイチだと、もういいよと拗ねる。生産性がなさ過ぎる。
そういう正直さ、言い換えれば人間くささがKing Gnuにはあって憧憬の念を抱く。

カッコつけない強さへの羨望を、パンイチ姿で書き綴った次第だ。

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