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私の心を動かした初音ミク曲16選(前編)

まずは初音ミク16歳の誕生日おめでとうございます!

『初音ミク』は2007年8月31日に発売された歌声合成ソフトウェア。16歳の少女というキャラクター設定を与えられた彼女は、数多くのクリエイターが繋いできた創作文化のバトンによって成長し続け、今日ついに設定年齢に追いつく16回目の誕生日を迎えた。

この記念すべき日にちなんで、私が初めてミクの歌声を聞いた日から今までを振り返ったときに、間違いなく人生のターニングポイントだったと感じる曲や、これからの人生ずっと共に歩んでいきたい思い出の曲を16作品紹介する。もちろん他のソフトウェアが歌唱するボカロ曲でもそういう曲は沢山あるが、今回は敢えて初音ミクのソロ歌唱曲に絞って厳選した。

※曲順はニコニコ動画での投稿日時順


1. 初音ミクの消失 / cosMo@暴走P

「信じたものは
都合のいい妄想を 繰り返し映し出す鏡
歌姫を止め 叩き付けるように叫ぶ・・・」
<最高速の別れの歌>

2010年頃に当時小学生だった私が初めて耳にしたボカロ曲。(以前の記事で初めて聞いたボカロ曲は「千本桜」だったと書いたのは記憶違いでした)
この曲といえば高速歌唱パートだが、私が抱いた第一印象はそこに関してではなかった。機械が歌う歌声はもっともっと機械っぽさが強いものだと思い込んでいたが、高速パート以外は意外とそこまで違和感なく感情のこもった自然な歌声に聞こえた。

「初音ミクって思ったよりすごいじゃん!

子供ながら新しい技術の凄さに感動を覚えた瞬間だった。そして私が今も昔もずっと変わらず「人間らしい自然な歌声のボカロ曲が好き」なのもここにルーツがあるんだと思う。

2. Tell Your World / livetune

君に伝えたい言葉
君に届けたい音が
いくつもの線は円になって
全て繋げてく どこにだって

Google ChromeのCMに起用された初音ミクを代表する楽曲。私にとっては人生で初めて曲を聴いて泣いた経験をした曲だった覚えがある。最初はインターネット上のおもちゃ程度だと思っていた存在が、いつの間にか人と人を結び、世界を繋げ、新しいカルチャーを創り上げていた。当時の私はまだ初音ミクやボカロに対する思い入れは無かったが、リアルタイムでとんでもない文化の発展が起きていることに心震わされた。

3. ドレミファミックス / えのやっく

さがしだすまで
のぼりつくまで
きみにおともしたいな

ボーカロイドを使った音楽作りをお菓子作りの過程に見立てたポップでキュートな作品。曲として純粋に大好きなことだけじゃなく、初音ミクの曲=高音というイメージが強かった中で、音域が比較的低めなので耳馴染みが良く聞きやすかったのも印象深い理由だと思う。

この曲は本家より再生数が多いMMD-PVで知った。ニコニコ動画に入りたてだった頃によく見ていたのがMMDというフリーの3DCGソフトを使った動画で、ダンス系やドラマ系などジャンルを問わず様々な文化に触れた。そうすると必然的に作品内で使われているボカロ曲を耳にする機会が増えていき、その中で出会ったのがこの曲だ。今思えばMMD動画も私にとって大きな転機だった。

4. 39 / sasakure.UK×DECO*27

君に出会って みんな出会って
”アタシ”であって良かったよ
何回言ったって足りないよ
声に出して 39(サンキュー)

有名な曲なので前から知ってはいたが、実は最近まで私の心には刺さってなかった。それが急転したのはちょうど2年前の今日、2021年8月31日にこの曲を久しぶりに聴いた時。なぜか突然「なんかめちゃくちゃエモいな!?!?」という感情が湧き上がってきたのである。

以前はただ人間のアーティストと同じように音楽を聴く行動の一つとしてボカロ曲「も」聴いていた程度だったが、後半で紹介するとある曲をきっかけに2020年からは今までより初音ミクたちキャラクター主体の文化にどっぷり浸かるようになった。そうするうちに初音ミクに対する愛や感謝の気持ちが芽生えて、以前は刺さらなかったこの曲もブッ刺さるようになってしまったのだろう。自分自身の心情の変化を感じる印象的な出来事だった。

5. Aizu ~会津~ / Mitchie M

なぜか涙霞む 懐かしい景色だね
君と似ているここを 故郷と呼ばせて

ちょっと時系列がややこしくなるが、初めて初音ミクと出会ってから約5年が経った2015年、過去最大レベルの衝撃的な作品に出会う。それがMitchie Mさんの楽曲「ニュース39」だ。自然な歌声が好きな私にとってあの卓越した調声技術に度肝を抜かれ、それから数年間の私はボカロ好きとか初音ミク好きじゃなくてMitchie Mさんのファンだった。

そして私が初めて買ったボカロ曲のCDも2013年に発売された同氏の1stアルバム「グレイテストアイドル」だった。だからこのアルバムの収録曲はどれも思い出深いのだが、あえて1曲を選ぶとしたらこの曲と即答する。それはただ単純、歌声が美しすぎて泣いたから。人間じゃない存在、生きていない存在の歌声にも人間の心を動かす力がある。それを身を以て実感した。

6. 好き!雪!本気マジック / Mitchie M

今日の寒さも忘れるように
悩みだって悩みだって凍らせて 消せる魔力よ

これもMitchie Mさんの作品で、初音ミク公式イベントの一つであるSNOW MIKU 2014のテーマンソング。なまらファンタスティックなポップソングで同氏の作品の中でも特に好きだし、雪ミクという文化そのものとの出会いがキャラクターとしての初音ミクに興味を持つきっかけにもなった気がする。さらに雪ミクつながりで翌年のテーマソングを制作した40mPを知って聴くようになったりと、一人のクリエイターのファンになったことからシーン全体への視野が少しずつ広がりだした。

7. Call / ラマーズP

君の名前を呼びかけた
君の名前を呼びかけた
小さな夢 膨らんだ夢
纏めて叶えたいんだって答えた

この曲は2016年の8月31日に投稿された作品…なのだが、私が初めて知ったのはすっかりボカロ沼に落ちて毎日の新曲チェックも始めた後の2021年、ボカロ音楽発掘サービス「Kiite Cafe」での出来事だった。

Kiite Cafeは同じ曲を同時に視聴し、自分の好きな曲をみんなに広めたり、自分のまだ知らぬ曲にたくさん出会うことができるウェブサイト。詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。

私は2020年のサービス開始当初から時々利用しており、まだボカロにあまり触れていなかった時代の名曲をたくさん知ることができている。そして今までの3年間で最も「一聴惚れ」したと感じているのがこの曲。二人のミクによるハモリや追いかけるように歌うカノンのサビ、無機質っぽいのに生き生きと聞こえる歌声が特に好きなポイントだ。

8. 世界の真ん中を歩く / 夏代孝明

君と出会って 素顔になって 孤独を知って 大人になって
世界の真ん中を歩く

2020年にオンライン開催された「初音ミク GALAXY LIVE 2020」で一聴惚れした曲。正直これに関しては歌ってるのがボカロか人間かなんて関係なく、ちょうど知ったタイミングが現実世界では新型コロナの流行、そして自分自身の生活にも色々な変化があった時期だったのもあって、本当に心動かされたし元気づけられた。今までも、そしてこれからも人生の応援歌であり続けていくであろう大切な曲です。


長くなったのでここで一区切りします。後編に続く。

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