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Why Mawile turn 1?

 こんにちは。7回目の投稿になります。

 いつも閲覧してくれたりスキをおしてくれたりする皆様、本当にありがとうございます。

 今回は初の試みとして、ポケカのプレイング考察というものを行っていきたいと思います。普段自分でポケモンカードをしていて疑問に思ったプレイングについて、拙いながらも言語化していきたいと思います。よろしくおねがいいたします。

※私は口が裂けてもポケモンカードが上手なんて言える人間ではありません。環境デッキの理解度・プレイング・デッキビルド能力など、ポケモンカードにまつわる技術のどれをとっても、今この記事を読んでいただいている皆様の方が私の何十倍も優れています。それを踏まえたうえで読んでいただくと幸いです。もしあまりに的外れなことを書いていましたら、noteのコメント機能で指摘していただくと泣いて喜びます。

 今回のテーマは、現環境の頂点に君臨するデッキ「三神ザシアン」において、かなり高い確率で採用されているカードである「クチートGX」についてです。

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1.はじめに

 それはある日の放課後のことでした。学校の授業を終えて部活をサボって家路につく中で、私はいつも通りポケカの新情報や面白い構築がないかTwitterを徘徊していました。すると、こんなつぶやきをみかけました。

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(情報保護のため編集を加えました)

 日本語訳(拙いのはお許しください)

 なぜ1ターン目にクチートGXをだすのですか?
 彼(イシヤマリョウタ選手)は四天王戦でも同じプレイングをしていたので、理由が気になっています。
 個人的には、相手の手札が全く不明である場合の魅惑のウィンクは適切なプレイングとはいえないと思っていたのですが、もしかするとこの考えは間違っているかもしれません。

 それは、とある海外のプレイヤーが、シマダダイチ選手のyoutubeチャンネルの動画を見て、あるプレイングについて疑問を抱いているつぶやきでした。そのプレイングとは、「先行1ターン目に(プレシャスボールを使ってまで)クチートGXを出し、魅惑のウインクを使用する」プレイです。

 いわれてみると、確かに1ターン目にクチートGXを出すプレイは、相手の手札の推測をほとんど行っていない、いわゆる博打プレイにあたります。運の要素が介入することを嫌うカードゲームプレイヤーからみると、違和感を覚えるのは自然なことでしょう。

 しかし、三神ザシアンを使ったことのある皆様ならわかることですが、先行1ターン目の手札にクチートGX(あるいはそれにつながるボール)がある場合、すぐにベンチに出して魅惑のウインクを使用するのはよくあることです。中にはこのプレイを反射的に行う方もいるでしょう。少なくとも日本環境では、三神ザシアンにおける「先1魅惑のウィンク」は「先2オルタージェネシスGX+」くらいに確立されたプレイングとなっています。

 私自身三神ザシアンを使っていて、何回も先1魅惑のウインクを行ってきましたが、そこに疑問をいだくことは今までありませんでした。しかし、このつぶやきをみて、自分が先1魅惑のウインクをする理由をうまく説明することができないことに気づきました。これではいけないと思い、考察を始めようと思いました。

※誤解のないよう言っておきますが、この記事でイシヤマリョウタ選手のことを批判するつもりは毛頭ございません。イシヤマ選手は日本、いや世界全体で見ても屈指の実力を誇るポケカプレイヤーであり、私の尊敬するプレイヤーの一人でもあります。以下「イシヤマ選手のプレイから、私自身が学びを深める」というスタンスで本記事を書かせていただこうと思います。

2.前提知識

 まず、「魅惑のウインク」とはなんなのかを改めて確認していきましょう。魅惑のウインクは、ポケモンカードサン&ムーン強化拡張パック「ジージーエンド」にて初収録されたクチートGXがもっている特性で、その効果は以下のようになります。

特性
みわくのウインク
自分の番に、このカードを手札からベンチに出したとき、1回使える。相手の手札を見て、その中にあるたねポケモンを、好きなだけ相手のベンチに出す。

 ご存じの方も多いでしょうが、その効果は、かつてXY時代に存在した道具である「魅惑のポフレ」と一致しています。

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 「手札のたねポケモンをベンチに出すか決めることができる」という相手の権利を一方的に剥奪するこの特性は非常に強力です。特に、デデンネGXやクロバットVなど、ベンチにおいたときに特性を発揮するポケモンを出すことができた場合、その特性の発動を防ぐことができるので絶大なアドバンテージとなりえます。

 発売してからはしばらく採用率が伸び悩んだクチートGXですが、反逆クラッシュでボスの指令が追加されたことで、システムポケモンを狩ることがコンセプトである三神ザシアンと相性が抜群であることが発覚し、採用率がうなぎ登りとなりました。今やクチートGXは、ほぼ全ての三神ザシアンに1枚、あるいは2枚採用されるようになりました。

3.魅惑のウインクがもつ2つの性質

 ここで今一度魅惑のウインクを説明文を読んでみましょう。するとこうなります。

A 相手の手札を見て、
B その中にあるたねポケモンを、好きなだけ相手のベンチに出す。

 実は、魅惑のウインクには2つの効果があるのです。それは相手の手札を確認する効果、もう一つはその中のたねポケモンを引きずり出す効果です。仮に前者を効果A、後者を効果Bとして話をすすめます。

 ここで結論を話すことになりますが、私自身の考察では先1魅惑のウインクの是非はこの効果Aと効果Bのどちらを重要視するかで変わってくるという考えに至りました。

 というのも、効果Aが最も輝くのが試合中盤から終盤にかけてであり、その一方で効果Bが最も輝くのが先行1ターン目であるからです。以下で具体的に説明します。

4.効果Aと効果B

 まず効果Aについてみていきましょう。効果Aの恩恵は、相手の次の行動がある程度推測でき、それに応じて自分の行動を変えることができるという点に集約されます。もし相手が手札にドローサポートをある程度抱えていた場合、マリィやリセットスタンプによる手札干渉が大きな意味をもつことになります。一方、もし相手が手札にドロー補助カードがない場合、あえて手札干渉を行わないことで高確率で相手を止めることができます。

 以上から、効果Aが最も輝くのは、自分の手札にある程度の選択権がある場合になります。具体的にはマリィとマグノリア博士を両方持っている場合などが該当するでしょう。

 そして、自分の手札に選択権がある場合というのは、大抵ゲーム中盤から終盤に限られるのです。この頃になるとサイドがある程度進んでいるためリセットスタンプの効果が強くなっており、また手札もある程度整っているはずだからです。その反面序盤だと自分の盤面の完成が最も重要なので、選択権がないことがほとんどです。ましてや先行1ターン目など、サポートを使用することができないため、選択権があることなどごくまれです。したがって、効果Aを重視する場合、先1魅惑のウインクはよくない(というかもったいない)プレイングといえます。

 次に効果Bです。効果Bは非常に強力ですが、ひとつ大きな問題があります。それは、相手のケアが可能という点です。相手は自分のデッキが三神ザシアンだとわかると、魅惑のウインクをケアしてデデンネGXやクロバットVをトラッシュに送ろうと努めるでしょう。あるいはとっととベンチに出して確実にデデチェンジやナイトアセットの効果を発動しようとしてくるかもしれません。いずれにしても、こういった行動は効果Bの力を極力抑えたいという考えから生まれるもので、特にうまいプレイヤーほどこういったケアを徹底的に行ってきます。

 ところが、先行1ターン目となると話は別です。このターンに限り、相手はランダムな6枚の手札を抱えることになります。こうなってしまうとどんな上手いプレイヤーでもケアしようがありません。しかし、これは先行1ターン目に限った話であり、1ターンでも過ぎた場合相手はケアが可能となってしまいます。したがって、ケアしようのない先行1ターン目こそ、効果Bが最も輝くターンとなるのです。これは上の動画でもイシヤマ選手自身が発言しています。

1分48秒ごろ
イシヤマ選手「(シマダ選手の)プレイングがうまいから、すぐにポケモンを捨てるだろ!」

 以上から、この記事の結論としては先1魅惑のウインクの是非はこの効果Aと効果Bのどちらを重要視するかで変わってくるということになりました。魅惑のウインクという特性は、効果Aを重要視する場合は中盤以降に、効果Bを重要視する場合は1ターン目に使うのが望ましいのです。

 どちらの効果を重要視すべきという質問に関してですが、これは非常に難しい問題です。環境デッキの特徴や1ターン目の相手のバトルポケモン、さらにはプレイヤー一人一人の考え方によって変わってくると個人的には思っています。こればっかりは何回も三神ザシアンを使い、自分に合うプレイスタイルで決めるのが最適だと思います。

5.結び

 ここまでごらんいただき本当にありがとうございました。珍しく短い記事となりましたがいかがでしたでしょうか。この記事を読んですこしでも魅惑のウインクという特性の奥深さについて共感してくれた方がいましたら、執筆者冥利につきます。これからもこういった疑問が浮かんできた時には、なるべく放置せずに一度立ち止まって考えてみたいと思います。

 最後に、この記事のきっかけとなった海外プレイヤーの方のつぶやきに対し、お礼の気持ちもこめて回答したいと思います。もしも何かの機会に読んでいただけていたらとてもうれしいです。

 "Captivating Wink" has two effects.
One is "look at your opponent's hand", and the other is "put any number of Basic Pokemon you find there onto their bench".
If you think the former effect is more important, you should not use this ability on turn 1, because then you have few options due to support lock. 
If you think the latter effect is more important, you should use this ability on turn 1, because then the opponent cannot help but reveal random 6 cards. When good players find their opponent to play ADPZ, they will try to discard Dedenne or crobat in their hand as soon as possible in order to weaken Mawile’s power, but turn 1 they cannot do such a nice strategy.
Since many Japanese players think the latter is more important, Mr.Ishiyama(the right player) used this ability on turn 1.

Sorry about my poor English and thank you for reading this ♡


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