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続・旅のお供と言えば。

先日のこと。
どうしても自然に触れたくて、車を走らせ、ちょいとお山の方へ。
私は、自然のあるところが大好きでして。…つばめだけにね。
(笑わなかったひと、あとで反省文提出するように。
 
お気に入りの大自然スポットは、幾つかあるのだけれど。
土と水を両方感じられる場所は、特に心が躍ってしまうのです。
やまあいに川が流れていたりするキャンプ場や、
大きな水辺のあるキャンプ場だと。
明け方に、ものすごい霧の発生するコトなんかもあったりして。
川の上流から流れてくる深い霧が、川を覆い隠して、
とても幻想的な風景になって。
そんな早朝、数メートル先もよく見えないような、
深い、深い霧の中をあえて散歩したりするのが大好きなのです。
息をするたびに、ひんやりとした、湿った少し重みを感じるような空気が、肺の中を満たしていく、あの感覚。
羽織った衣類の肩先が湿り気を帯びて。
髪の毛先も、夜露に濡れた葉先のようにハネてしまって。
そんな、深い霧に包まれた証すら、愛しいほどに、嬉しくなって。
日の光の上昇と共に、深い霧が消えゆくころは、
切ないような、そんな気持ちになるのです。
 
先日訪れたのは、近くに川が流れ、小さな滝が幾つかあるような、
素敵なお山だったのです。
朝の散策に、目指すは、山の奥にある滝。
自然あふれる道を歩き進めると、やがて獣道に。
やたらリアルな熊の書かれた看板が、チラホラ目立つようになってきて、
緊張感が走るのです。
どうせ出遭うのなら、くま〇プーさんがいいぞ!と念じつつ。
クマ避けに、森のくまさんを息も絶え絶えに歌いながら
(山道、坂道はキツイのだ。
無事、リアルくまさんに遭遇するコトもなく、滝のある場所へ!
 
流水音がだんだんと大きくなってきて。
遠くから、その姿を目にした時。
滝の周りを優雅に舞い踊る、蝶たちの群れが。
それは、もう、美しくて。
見たこともないような、茜色、中には深い緑色のような蝶々まで!
なんて、幻想的なのっ!
私は普段みたこともないような色の蝶々たちが、
流れ落ちる流水の周りをひらひらと舞い踊る、
そんな姿に、すっかり魅了されてしまったのです。

しばらく、その場に立ち尽くして。
ようやく、ゆっくりと歩み進めていくと。
ん?
滝の周りを優雅に舞い踊る、蝶たちの群れは。
滝に舞い落ちる落葉だったのです。
流水によって巻き起こる風に、吹き上げられるからなのでしょうか。
落葉が、不思議な動きをしながら、ふわりと舞うように上下しては、
滝の下流へと降り注いでいたのです。
そんな現実に、思わず声を上げて笑っちゃったのでした。
そりゃぁ見たことない色の蝶々よね!
でも。
舞い踊るようにして、滝へと降り注ぐ落葉が、とっても素敵で。
幻想的な光景と、水の流れ落ちる音に。
胸につかえていた何かが、浄化されていくような。
そんな感覚を覚えたのです。
同時に。
視力が落ちてきているコトに。初めて、ちょっとだけ、感謝したのでした。
 
あの日から数日が経ち。
また、どうしても自然に触れたい衝動に駆られ。
今度は海辺を目指そうかと。
ワクワクが勝ってしまい、早起きしちゃった、朝のお仕度時間。
気づいたら、ゆでたまごを黙々と作っていて。
はっ!としつつも。
旅のお供は、ゆでたまご。
そんな遺伝って、あるのかな…とか思うのでした。

旅のお供と言えば。

おわり

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