著作権とは何か

こんにちは、ミタムラです。

仰々しいタイトルですがなんのことはありません。今日読んだ本のタイトルです。

こちらは少し前に、田端信太郎さんに教えていただいた本で「SNSでの引用とか実際どこまでしていいんだろう」みたいなことを疑問に思っていたので手にとってみました。

備忘録まで、数点重要だなと自分が感じたところをメモとして残しておきたいと思います。


著作権とは、文学・文字・音楽・美術と言った作品の創作者が持つ、その作品がどう利用されるかを決定できる権利のことです。著作権の最大の存在理由(少なくともそのひとつ)は、芸術文化活動が活発におこなわれるための土壌をつくることだと筆者は考えています。なぜなら、豊かな芸術文化は私たちの社会のために必要なものだからです。ですから、著作権をその目的に沿うように使ったり、設計することは、私たちに課せられた課題です。(はじめに)
著作権の問題は、要するに「オリジナリティとは何か」という問題に集約されているとさえいえます。では、このオリジナリティ、創作性とは、どの程度のものを指しているのか? 〜中略〜 著作物になるための創作性は、ごく控えめなオリジナリティであって、何らかの形で作者の個性が表れていればよいと考えられています。(第一章 それは「著作物」ですか)

本書内では著作物と認定されるハードルは消して低くないが下記は創作物でないと説明される。

・他人の真似(他人の、という意味では創作物)

・ありふれた表現

・短いフレーズ

そして、著作物たるためには「内面の表現」が要件のため

・事実やデータ

は著作物にあたらないと説明されています。

さらにもう一点大切なポイントがあります。

アイディアは自由に使用できる。ところが、それに肉付けした具体的な表現は、著作物として作家が独占できる。この「アイディア/表現」の区別も、著作権の基本的なルールのひとつです。(第一章 それは「著作物」ですか)

「アイディアそれ自体には価値がない」というのは仕事上でたまに聞く話ですが、まさにビジネス上それのみでは意味をなさないということに個人的には衝撃を受けました。

また本書第二章では著作権とは「権利の束」であると説明されています。

権利の種類はちょうどまとまっているサイトがあったのでリンクを張っておきます。


最後に一番私が気になっていた引用の要件について

最高裁はこう述べました「引用とは、紹介や論評などの目的で、自分の作品に他人の作品の一部を収録することである。よって引用といえるためには、①引用して利用する作品と、引用されて利用される作品とが明確に区別され、しかも②両作品のあいだに主従の関係がなければならない。」実際には他にも条件を挙げたのですが、以上が特に大事な部分です。(第四章 既存作品を自由に利用できる場合)

なるほど、引用元を明記するのは「この部分はこの作品とは別のところから引用されたものだよ」ということを明確にするための手段だったのかと理解しました。

同時にn次創作やパロディ・オマージュはその性質上なかなか「引用」として扱えないということもよく理解できました。

私は一時期IT業界にいたのでオープンソースの概念が自分の一部になっているところがあるのですが、保護(規制)と発展のバランスはこれからも続き永遠のテーマなのだろうと感じます。

とはいえブロックチェーン技術ですべての更新ログが詳らかになる世界であればこの問題もまた次の段階にいくのかもしれませんね。

新書はあまり読まないのですが非常にわかりやすく勉強になる本でした。

ご興味が湧いた方はぜひご一読くださいませ。


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