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再雇用の方と一緒に働くということ

ここ5年間、何人かの再雇用の方とお仕事をさせていただく機会があります。

また会社としてもベテラン社員の方に活躍していただくことは、以前からの課題として、私もセミナーを受けたりして学んできました。

そんな中で、「再雇用の方と一緒に働く際に知っておいた方がよいこと」がおぼろげながら見えてきたので書きたいと思います。

①再雇用の方が置かれている状況

一般社員からすると、単に雇用形態が変わっただけに見えますが、実際には見えないところで大きな変化が起きています。
・給与の低下
・年金、生活費、場合によってはお子さんの教育費などの生活資金の変化
・様々なセレモニーや研修、手続きで自分が一般社員でなくなったという強い意識づけがされる
・家族の介護の対応が増える
・定年を迎えることでパートナーや子供との関係性の変化
こういった状況の中で、いやでも働き方を変える、自分の新しいふるまいを考えるというようになります。
結果、定年再雇用になるとガラッとそれまでと仕事への取り組み姿勢が変わる方が多い印象です。

②能力的な変化

人にもよりますが65歳を過ぎると能力がダウンしていきます。
今までできた事ができなくなり、新しいことを覚えるハードルも大きくなります。
また、感情面も不安定になりやすいと言われています。
一方で、成功体験や経験はなくならないので、学び直しよりも、過去の資産に頼った仕事をせざるを得なくなります。それがこだわりにつながり、柔軟性が低下しやすくなります。
また立派な実績があり、勤め上げた自負もあるため、新しい環境、仕事、チームへの適合が難しくなる場合もあります
特に昔から知っている自分より年下の社員との仕事は、双方のギャップが生まれることが少なくありません。

③どのように活躍していただくか

①②のような状況の中でご本人も多くの悩みを抱えており、大きなスキルアップが難しい中で、どう活躍いただくかという点は、これからの企業にとっても大きな課題です。
特に定年が70歳まで延長が視野に入っている中で、制度面と運用面の両方で定年再雇用の方の活躍は、これからの多くの日本企業で取り組むべき事になると思います。
一番よくないパターンはすべてが悪い方向に行ってしまい、職場で担当する仕事がなく孤立する、開き直って周りに迷惑をかける、話し込んだりして周りの邪魔をしてしまうなど、一般社員にマイナスの影響を与えてしまうことだと思います
そういったことを防ぐには、私の経験では「とにかく、しっかり話をすること」だと思います。
どうしてもベテラン社員の方(場合によっては過去の上司)なので、今まで通り言わなくてもわかっていただけると錯覚しがちです。しかし、前述のとおり環境は大きく変わっているので相手の変化を把握するためにも、しっかり話をして新しい関係を構築することが重要だと思います。
期待すること、お願いしたい仕事その理由を腹落ちいただいたうえで、相手を立てて、時にはモチベーションを優先して相手が望む方法での仕事を進めていただくことも大切なことだと思います。(頼りにされることも大きなモチベーションとなります。)
また感謝の念を忘れずに、いろいろな昔の経験談を聞くことは、多くの気づきを得られることがあります

定年70歳を見越した、同一賃金同一労働の検討も始まっており、ジョブ型雇用は確かに解決策の1つと思います。

一方で日本型のメンバーシップ型雇用からの転換は試行錯誤が必要と思われますので、これからも自分の会社にあった制度を考えていければと思います。

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