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2020.12.14 住居確保給付金に関するパブコメ

 生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金の給付期間が、最長9ヶ月から最長12ヶ月へと延長されました。

 しかし同時に、10ヶ月目以後の受給者に対する受給要件が厳格化されようとしています。そして、ひっそりとパブコメが募集され、なんと本日締め切り。さきほど知人の弁護士にその情報をいただき、慌ててパブコメを送付しました。

 2020年12月14日23:59まで提出可能です。
 「これはクギさしておかなきゃ」とお思いの方、私のパブコメのコピペなら歓迎です。
 「いずれ自分が利用者となるかもしれない」という、誰にでもある可能性のために、今の利用者のために一肌ぬいでいただけないでしょうか。

e-Govのパブコメ募集要領

「生活困窮者自立支援法施行規則の一部を改正する省令案」に関する御意見の募集について

送付したパブコメ

フリーライターの「みわよしこ」です。いつもお世話になっております。
このたび、数多くの困難や反対意見の中、住居確保給付金の支給期間延長を実現されようとされておられること、そのためのご尽力につき、直接知る数多くの生活困窮者や支援者のために、また、生活困窮に陥れば利用者となる可能性がある自分自身のために、心より感謝申し上げます。

しかしながら、今回、以下の点につき、反対意見を申し上げます。

・資産要件の厳格化

 既に本給付金を9ヶ月にわたって受給されていた方が10ヶ月目以後の延長を申請するにあたり、預貯金は世帯で最大50万円までしか認めないものとするということですが、率直に申し上げて、意味が分かりません。
 当初、最大100万円まで認められていた預貯金は、9ヶ月が経過するうちに使用されて目減りしているのが当然であろうとは存じます。しかし、6ヶ月経っても9ヶ月経っても一向に好転しないコロナ禍による生活苦のもと、なけなしの貯金の「虎の子」としての意味はさらに大きくなり、なるべく使わない方向へと傾いているものと思われます。辛うじて50万円以上の預貯金を維持しているご家庭は、3ヶ月の延長のために使って50万円以下に減らすこととなるでしょう。預貯金の減少は、今後、本給付金でなんとか乗り切った後の事業や就労の再起を困難にする可能性があります。
 「何とか乗り切れるわけがないから、その後は生活保護」というお見通しがあるのでしたら、まだ整合性があると思いますが、厚労省さんがそういうお見通しと方向性を推進されるとは考えにくく、さらに「意味がわからない」という疑問をいだきます。

・求職活動要件に関して

 今回、いったん必須とされなくなっていた求職活動要件を復活されるとのことですが、コロナ禍による生活苦や収入減少や失職が容易に回復するとは考えられにくくなっている状況で、「なぜ、今?」という疑問があります。
 就職活動要件が必須ではなくなったことは、自営業者や大学生、既に雇用されているけれども収入が減少した方、その他、近日中に新規に雇用されての就労を前提としにくい立場の方々に対して、本給付金受給の道を開きました。そういう方々の人数は少ないとはいえ、コロナ禍がまだまだ続く現在、いったん開いた扉を閉ざすことは、昨今問題視されている自殺の増加などメンタルヘルスに対しても国民的悪影響となりうると考えます。

・以上による事務手続きや申請審査の増加

各福祉事務所、社協、生活困窮者自立支援法にもとづく相談事業の窓口においては、相談や申請の増加が、若干の人員増加を行っても対処できないレベルに達していることが問題視されています。年度末と新年度へと向かうこの時期に、現場の職員の方々の負担に屋上屋を重ね、そのことによって当事者に「申請しにくい」「対応されにくい」という結果をもたらす可能性のある改正は、どうぞ再考いただけますようお願い申し上げます。

ノンフィクション中心のフリーランスライターです。サポートは、取材・調査費用に充てさせていただきます。