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ベーシススワップ

用語説明

異種の変動金利どうしを交換するスワップ取引。

前提:金利差と為替リスク

・円をドルにして外国の債権を買う場合、金利差と同時に為替リスクを考慮する必要がある
・日本で定期預金をすると1年で0.1%なのに対し、アメリカで定期預金にすると1年で0.4%。100万円あるとして、アメリカに預けると1年で3000円得するわけだ
・だが、為替レートが変動するリスクがある
・アメリカの定期預金加入時は1ドル100円だったが、1年後に1ドル110円の円安になったとする。ドルに替えた時は1万ドル。1年後、利子がついて10040ドル。円に戻すと110万4400円に。10万4400円の得。
・アメリカの定期預金加入時は1ドル100円だったが、1年後1ドル90円に円高になったとする。ドルに替えた時は1万ドル。1年後、利子がついて100400ドルに。円に戻すと90万3600円に。9万6400円の損
・このように、為替レートのブレによって金利差による利益は吹っ飛ぶことがありうる。

使い方

・日本の投資家が、円で買える日本の債権はどれも魅力的でないから、アメリカのドル建て債権を買おうと考えるとする。その時、為替変動リスクを避けるためにベーシススワップを使う
・まず、自分の反対の取引をする投資家、すなわち「ドルを円に替えて日本の債権を買いたい。けど為替変動リスクが怖い」アメリカの投資家をみつけてくる。そして、「俺がこの先、ドル建て債権で得る利子を君に丸々渡す。その代わりに君が円建て債権で得る利子を俺にちょうだい」と提案する
・これが成立すれば、為替変動リスクは無くなり、利益が確定するわけだ

上乗せ金利

・反対取引をする投資家が同数いれば、この提案はスムーズに成立するだろう
・だがもし、需要と供給が一致しない場合、上乗せ金利(ベーシス)が付くことになる
・ここ数年は、日銀の金融緩和政策の影響で、日本の投資家が上乗せ金利を支払ってドル建て債権を買う状況だったらしい
・ここ最近は、海外勢が日本国債の購入を拡大しているせいで上乗せ金利が縮小してるらしい

2019-12-24 TKU

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