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冷汗を誘う昔の恐怖映画「エクソシスト」と「エイリアン」

「エクソシスト」「エイリアン」って、どんな映画?

なぜ、怖い物や気味の悪いものをわざわざロードショーにまで行って見るのだろう。もっと別のものを見れば良い気がする。しかし見てしまう。そして後悔する。

見て後悔した出来の悪い恐怖映画はあるが、本当に怖くて後悔したのがこの二作。なぜ見てしまったのだろう。今書いていても冷汗が出るが、ウィリアム・フリードキンとリドリー・スコットの作品なので避けがたかった。

エクソシスト(※)
年代:1973年
分野:オカルト、悪魔教的密室恐怖映画
撮影:カラー
時間:2時間2分

エイリアン(※)
年代:1979年
分野:宇宙冒険系サバイバル恐怖アクション
撮影:カラー
時間:1時間57分

私にとっての恐怖映画の定義とは?はこちらの記事に書いた。

「エクソシスト」をひとことで言うと
少女に悪魔が宿り、特殊技能を持つ神父が闘いを挑むお話。

エクソシストは悪魔払いをする人の意味。この映画では神父が担う。

メソポタミア地方の遺跡を発掘中、不思議な土偶が発見される。その土偶は何千年も封じ込められていた悪魔の呪いを解き放つ。遙か彼方のアメリカ、その呪いが少女にかかる。少女は日々悪魔的な様子に変貌、母は神父に助けをもとめる。神父と悪魔の対決が始まる。

「エイリアン」を一言で言うと
宇宙船内で孵化した地球外生命体が人間を襲うお話。

不時着した謎の宇宙船内を探検中、一行は何かの卵を発見、卵の中身が隊員に付着する。一行は自分たちの宇宙船に帰るが中身が孵化し隊員を襲う。その生物の動きは素早く正体も不明。宇宙船という限られた空間の中、見えない敵を相手に闘いが始まる。

トラウマの場となった劇場

エクソシストは<丸の内ピカデリー>で見たのだが、そこが一時トラウマになり近づけなくなった。チラシとかチケットなど何も残っていない。全て捨てたと思う。二作目以降は見ていないがチラシだけあった。。

エクソシスト二作目のチラシ

「エイリアン」はテアトル東京で見た。なぜ、あんな大画面で見たかったのか、当時の自分の心理が理解できない。

エイリアンのパンフレット

当時、見るに至った動機

実は2作品鑑賞には不純な動機もあった。

エクソシストは高校の友達の勧め。高校生同士だから(昔の高校生だから)ろくな話にはならない。同世代のリンダ・ブレアのエロティックなシーンの話題で教室内で盛り上がった記憶がある。悪魔に取り憑かれた特殊メイク、ベッドがはねる場面も話題だったが、当時はリンダ・ブレアが軸だった。(あの時の思いは今は全く無い)

エイリアンは「2001年宇宙の旅」を超えるセットや特撮のすごさとか色々話題だった。それ以外に注目されたのは造形。宇宙船の入口が女性器を表しているとかエイリアンは男性器を模しているとか一部の評論家が言っていたのを知り、色々な理屈をつけて見に行った。

この二作品には前面に恐怖、裏側にエロスという2面があった。欧米の恐怖映画には日本とは違う別の思想が潜んでいる気がする。アダムとイブの原罪のような宗教的背景があるかもしれない。悪魔と異星人が蛇の役割。私は裏側をメインに行動した結果、罰が当たりトラウマをかかえる事になった。

映画ファン的な見所について

エクソシスト
神父の一人をマックス・フォン・シドー(※)が演じている。彼の存在を知ったのはこれが初めてだったのだが、後年、イングマール・ベルイマン(※)の作品を見る内に、なんでこんな作品に出てしまったんだろう?と疑問に思った。

「エクソシスト」はヒットし、テーマ音楽の「チューブラーベルズ」も流行りFM番組で何回も流れていた記憶がある。あの無限ループのような音楽が今も耳にこびりついている。

エイリアン
不時着した宇宙船、宇宙船の中の宇宙人の遺骸。卵が付着する所とか、その時の効果音。非常照明だけが点きスチームが吹き出る船内を駆け抜ける時の描写、エイリアンが人を襲う前に触手らしきものを出す時のイメージとか効果音。何もかも気味が悪い。

この作品にはアンジェラ・カートライト(※)(「サウンド・オブ・ミュージック」の)の妹、ヴェロニカ・カートライト(※)が出演している。彼女の演技は見直したい気がする。

忘れてしまいたい場面が満載

エクソシスト:
少女がベッドの上で悪魔に取り憑かれた表情をする場面、首が回る場面、グリーンスープの画面とか、冒頭の土偶も嫌い。
エイリアン:
エイリアンが人に飛びつく所、幼虫?が孵化する所、主人公がエイリアンに追われて逃げる所など、ほぼ全編が気味悪く嫌い。

暑い夏に嫌気がさしている方は、ぜひ見て震えて頂ければと思う。私はもう二度と見たくない。ところで、こちらの恐怖系作品は心が冷えるタイプ。

人の心の奥底にある見えない悪意が怖い。心身ともに冷えたい場合は、こちらの方が効果がある。

キャスト、監督、スタッフ、制作会社など

エクソシスト
出演:リンダ・ブレア、マックス・フォン・シドー、エレン・バースティン

監督:ウイリアム・フリードキン(※)
音楽:マイク・オールドフィールド(チューブラーベルズ)
制作:ワーナー・ブラザーズ(赤い字のロゴも不気味だった記憶)

※ウイリアム・フリードキン監督と対話
後年、別作品公開時に舞台挨拶で登場したフリードキン監督に質問をした事がある。何を聞き何を答えたのは忘れたが、つまらない質問に真摯に答えてくれ見た目もナイスガイだった。「フレンチ・コネクション」の監督、原罪的なものが好きな人かもしれない。

エイリアン
出演:シガーニィ・ウイーバー、ヴェロニカ・カートライト、ジョン・ハート

監督:リドリー・スコット(「ブレードランナー」の)
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
制作:20世紀フォックス
配給:東宝

エイリアンの原画についての付記

H・R・ギーガー(エイリアンや宇宙船などのデザインをしたスイスの画家)が担当。ギーガーは、この作品のパンフレットに掲載されたインタビューでこんな事を語っている。

もし世間の人たちが私の絵を見て、将来人口過剰になることや、色々な病気が発生することや、すべてが機械化されることなどを暗示していると解釈するなら、それもよかろう

「エイリアン」ロードショー時のパンフレットから

この画家は1979年の時点で未来を言い当てていた。

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