飲んで、飲んで、飲まれて、飲んで、飲まれて、飲まれて、素面。

「あ、俺アル中だわ」

と思った。文庫版アル中ワンダーランド読了。

作中出てくる医師のセリフ
「飲みたい気持ちを我慢できないのはアルコール依存症です」
に対する作者まんきつさんのセリフ
「それじゃ世の中の酒飲み、みんなアル中じゃないですか」
に対して医師
「そうですね」

俺「あ、俺アル中だわ」(再認識)

 「アルコール依存症は否認の病気です」と作中に出てきましたが、うつ病もそうですよね。
 うつの人は、自分はうつではないと思ってしまう。でも診断されてうつだと分かると、「あぁ、この何もかもうまくいかない感じは病気だったからなんだ。きちんと治療をすれば良くなるんだ」みたいに前向きになれるなんて話をみますが、アル中は逆ですね。「なんてこった…」としか思えない。
 そりゃそうだ。うつの人は日々が辛くて大変な思いをしているのに、こちらは楽しくて飲んでいるのだから。

 私の場合、どれくらい飲むのかというとビールをだいたい2500ml前後なんですけど、ここ3ヶ月くらい毎日飲んでいるので、そろそろ休肝日を作らねばなぁと思っているのですが、ついつい飲んでしまうのです。

「飲みたい気持ちを我慢できないのはアルコール依存症です」

 はい。すみません。
 でも、私は別に昼から飲まないし、仕事に支障をきたすほど飲んでないし、人に迷惑かけてないし(最近は)。ここ3ヶ月くらい飲み続けているのは暑いからなんです!私はビールしか飲まないので暑いと飲みたくなるんです!実際、涼しくなってくると酒量減りましたもん(飲んでるは飲んでる)。

「飲みたい気持ちを我慢できないのはアルコール依存症です」

 はい。すみません。
 まぁ先述の通り、少し飲み方を考えようとは思っていたんです。
 作者のまんきつさんは完全断酒したみたいですけど、アルコール依存症はみんな完全断酒した方がいいんでしょうか?と思ってチェックしてみました。
結果…

断酒(お酒を完全に止めること)をした方が良いです!

お酒を完全に止めること!

お酒を!完全に!止めること!

…マジか…。えぇ…。酒止めた方が良いのか…。
って何が良いのか。体に良いってことか?
 たまにテレビで長寿のおじいちゃんが「健康の秘訣は?」って聞かれて「晩酌だ!」とかワンカップ片手にニカって笑ってるのとかなんなん?
…やっぱ俺、アル中じゃないんじゃない?

「アルコール依存症は否認の病気です」

なんだこれ!「にげる」したのに「しかし、まわり込まれた!」的な!めっちゃ詰めてくる!
…現実って厳しいなぁ。なんだか頭がくらくらしてきたのは昨日の酒のせいか?

 だいたいアル中ワンダーランドが面白いのもいけないんだ。失敗談をほぼほぼ笑い話にしているじゃないか。実際、作中で作者が断酒会に参加して酒害体験を話している場面でも同席者から笑いが漏れていたらしいし。
 UFOが飛行機に擬態してるとか宇宙人とすれ違ったとか幻覚エピソードみたいなのもあるけど、それは作者がスピリチュアル寄りの人ってだけじゃないのか?収録されてる吉本ばななとの対談で霊がどうの言ってるし。スピリチュアル自体は決して嫌いじゃないけど。
 あと、コピペが多くて漫☆画太郎先生かよ思った。(関係ない)
 もひとつ、まんきつさんを検索して出てきた、川辺で対談していて、盛り上がりにかけるからと服着たまま泳ぐ記事に声出して笑った。
 そしてめっちゃ美人。

 しかし逆に、めっちゃシリアスにエグいアル中漫画だったら伝わってたのか?
 幻覚バリバリ見えてベッドに縛りつけられて流血系だったらどうだったのか。失踪日記(吾妻ひでお)がそんなんだったけど、なんだか他人事になってなかったか?
 このくらい軽症の、いうなれば笑い話で済んでいる人が断酒をするに至ったという話がなんだかんだでめっちゃ刺さってしまっているのではないか。
 ダメ人間漫画大好きな私がダメ人間エピソードが読みたくて買った漫画で、まんまと断酒させられそうになっている。

「お酒という抜け道の先は行き止まりだったけれど」
「別の抜け道を通るとその先には美しい景色が広がっていた」

 別の抜け道…。なんだろう…。
 とりあえずビール減らしながら探したいと思います。

 アル中ワンダーランドでも出てきました。
 重度のアルコール依存症患者は10年後の自分なんだよ。と。
 最後にそれをもっと具体的に言っていた、中川淳一郎と小田嶋隆のアル中についての対談に出てた言葉を置いておきます。

「30代のうちだから、あなたはちょっと困ったよっぱらいぐらいでいられます。40代になったら酒乱。50代で人格崩壊。そして、60代になったらアルコール性脳萎縮で痴呆になるでしょうね」


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