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D1:イカ

右の頬にあるぽつんとしたシミがずっと気になっていた。
昔、なにを思ったかイカの天ぷらを作ろうと思い立ち、家で揚げ物をおっぱじめ、下処理が甘かったのか案の定、油の中でイカの水分が爆発して、それが顔に飛んできてできたやけどの跡だ。それほど目立つものでもないが、理由が理由であったり、毎日目にはいるものなのでその存在を忘れることはない。
ちなみにこの件以来、我が家で揚げ物をすることは封印される。

そのやけどの跡と日焼けによるシミやら肝斑疑惑のものまで、もろもろ見ないふりをしていたのだが、久しぶりに会った友人の肌がシミ一つなくなっているので話を聞くと、美容皮膚科にいってレーザーで焼いてきたという。
照射したあとは黒くかさぶたになるが、それが取れてシミも消えたとのこと。お値段も手ごろであるようなので、早速予約を入れてみた。

マスクを外すタイミングのせいか春休みのせいか、クリニックは繁盛しているようだった。待ち時間に「この人はなんメニューをしにきたのだろう」と周囲の人をちらちらと見てしまう。自分の順番がよばれ、化粧を落とし、オペ室でまな板の上の鯉となりながら、ドクターの説明を聞いたあと施術は始まった。
目の上にゴーグルのようなものをのせられ、バチバチとレーザーをあてられる。「ゴムをはじいたような痛さ」とは聞いていたが、ちょっとそれは違うとおもう。そのままであるが、皮膚をじりじりと焼かれる刺激とでもいうのだろうか。目周りなどは思いのほか敏感に感じ、じっとりと変な汗をかいてしまう。あやまって髪の毛を焼いてしまったときのようなにおいがただよい、皮膚上に感じる刺激とそのにおいが自分の中でリンクする。
術後すぐは「これはちょっとマスクをしていても目立つかも、、」というくらいに赤く腫れていたが、家に着くころには赤みはひき、照射した部分濃い茶色がまだらに顔にちりばめられているような状態だ。これらがかさぶたとなり、一週間もすれば新しい皮膚が下からでてくるとのこと。
痛みなどはないが、顔の上にまだらな色がついているのが気になってしまい、何度も鏡を見てしまう。女は顔にニキビや吹き出物などなにかしらのトラブル、今回は自分から出向いてやってきたとはいえ黒いかさぶた跡などがあるというのは、ちょっと気分が沈む。

イカの天ぷらのシミは、そしてレーザー照射の効果はイカに?!
の記録。



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