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3LAの新入荷 / Shapeshifter,downt,とがる,みなとまち,So Hideous / 再入荷 / ネット告発と嘘と本当の話、考えたこと。

2022年が始まりました。本年もよろしくお願いいたします。
3LAの新入荷と再入荷のお知らせです。
Repeater RecordsよりReversal Of Manの3xLPがリリースされますが、それは近日中に予約受付開始します。(枚数確保してますよ)

■ 新入荷

Dark Ritual / Shapeshifter (CD)
http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=2395

2021年にカセット音源をリリースしていたshapeshifterですが、2022年1月に早くも次の作品がリリース。全11曲ですが17分くらいで1周してしまう相変わらずのパワーバイオレンス。
前作同様の説明をしておくとabiuro,ONLY THE LAST SONG,HETHメンバー、そしてsans visageはじめ幾多のバンドでのドラムを同時並行で担当しているコウ君によって結成されたという新バンド。「ギターのディストーションとフィードバックノイズ、ゲロ吐き捨て系のボーカル、ギターリフだけ偏差値高め」みたいなことを前作でも書いていますが今回11曲17分というアルバムの中で、聴く人が聴いたら全部同じなんだろうけど、という前置きを置いた上で、表現の幅が実は広いし深くなってる!というのは述べておかねばならない。もはや哀愁すら感じさせる「Rust」に、スーパーヘヴィなグルーヴで揺らしてくれる「Abortive Flower」など緩急がついたことで全体的な体感速度はさらに感じちゃう仕様にされてるように思います。ギタリストのアプローチが本当に面白い。ラストトラックの「Toxic」まで完璧な流れでした。


st / downt (CD)
http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=2394

既に日本各地で評価爆上がり中のdowntの2021年リリースアルバム。全8曲だけどアルバムで良いと思う。
1990's-2000'sの純Emo文脈を土台に、チャットモンチー、羊文学等の2000年代以降の世界からガラパゴス化していくJ-POP要素をガッツリ肉付けした系のバンドサウンド、オーバーダビング少なめ、演奏もギターのアルペジオが印象的ながら基本的にはシンプル。ドラムもベースも無駄にテクニカルな要素はなくリズムと低域を司り、故にギターのフレーズがコントラストとなる形でもう一つのリズムを織り交ぜていく中でシンプルながら立体的な構造を作り上げていて、J-POP的な聴きやすさとEMO的奥行きを両立。まあしかしリスナーはそんなことはいちいち気にしないだろう。最近特に思うのは日本のこの手の音楽性のバンドで強いバンドはある種のシンプルさがあること。たぶんバンドとしては今後もめちゃ売れていくと思うし、様々な機会があると思われるが、サウンド面でバンドとしてのシグネイチャーを確立できれば今後全然ワールドワイドにやっていけると思います。Gerpfast Recordsからのリリースも決定済みとのこと。


生きていたら逢いましょう / とがる (CASSETTE)
http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=2393

よくわからないけど、なんかいい。東京のとがる(togaru)というプロジェクトの2021年リリースアルバム、CD盤というのが存在せずカセットとデジタルリリースのみらしい。なんかそういうところが現代っぽい(おそらく若いはず)。シューゲイズ/グランジ感と所謂J-ROCKミックスな楽曲&サウンド、というスタイル自体はもはや何の目新しさはないけど何処か引っかかる。ハードコアにあるような尖ったものではなくて、サウンド面も90年代リバイバルなのでそこにフックを持ったものではない、90年代の音楽を通過しているリスナーなら余計そう感じるかもしれない。けれどその普通なものの中に、だからこそなのかもしれないけどボーカリストの声と歌詞の存在感が強く際立っている。それが一番大事なものなんだよ!


SPACE / みなとまち (CASSETTE + DL CODE)
http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=2392

わかったようで未だに全然わからないインディロックと呼ばれる音楽ジャンルですが、似たような甘さ、似たような緩さ、似たような浮遊感、似たようなジャケットアートワークばかりでいったいどこらへんがインディペンデントなのかと東京都北区王子の夜空に吠えたところでそれは酔っ払いの戯言。流れては消えていく流星のように儚げ。そんな音楽性のジャンルの中で何を信じるのか... 前作『Oneway Trip』を入荷したことありましたが、みなとまちの新作『SPACE』は信じても良いんじゃないでしょうか。youtubeで1曲聞けばわかる。10年という時間がそうさせたのか、ポップの中に脈々とビートを刻む皮肉感というかルーザー感覚。これがなくちゃいけないと思うのですわ。


None But a Pure Heart Can Sing / So Hideous (CD)
http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=2391

マジで2021年の衝撃的なアルバムの1つ。
その昔Downfall of Gaiaのジャパンツアーをやったときに、メンバーが1日前乗りで日本に到着するよと言われ「ん?みんなドイツから一緒に来るんじゃないの?」と思ったものですが、ドラマーのMichaelはNYに住んでいたのです。彼を空港に迎えに行って、夜に酒飲みつつ色々話した記憶が蘇ります。バンドのツアーやってないときの仕事って何やってるのと聞いたとき、ドラムを教えてるみたいな話もしていて、メタル的なものだけじゃなくジャズもやってるという話をしていました。その後彼はThe Number Twelve Looks Like Youに参加してそれも来日、そしていつの間にかSo Hideousに加入しており、益々活動的。
そしてSo Hideousの2021年アルバムを聴いたら、ついに彼のジャズ側の表現がここで結実しとるな!とすごく嬉しくなりました。バンドという形態のフィジカル性(強さね)を最も担っているのはドラムだと思っていて、ドラムが良いバンドは全体の演奏がすごくかっこよくなる。Downfall of Gaiaも彼のドラム無しではあのライブでの迫力はあり得なかった。本作は更に言うなら、「ポストブラック」と言われながらも半ば方向性が固まりつつあったジャンルの中で、バンドが真剣に「ポスト」してるなっていうアルバムを完成させていることも大きいと思います。ソウルフルな楽曲の美しさはもちろんなんだけど、今回に関しては激しさから静けさ、様々な方面での振り幅のあるサウンドの中でリズム隊が強くなったことで全体が圧倒的に良くなったのがよくわかります。強くて優しい。アルバムを買いましょう。


■ 再入荷

Split:Gensenkan/zeami (CDR)
http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=2186
When I Die, Will I Get Better? Japan limited edition / Svalbard (CD)
Bellavista / Viva Belgrado (CD)
Ulises / Viva Belgrado (CD)
Flores, Carne / Viva Belgrado (CD)
再入荷一覧: https://longlegslongarms.jp/music/products/list.php?orderby=restock_date

noteでの3LA 2021年の売り上げランキングでインパクトのあった作品たちを再入荷しています。
これらは名盤としてロングセラーしているので未聴の方は間違いないと思いますよ。

今回以上です、引き続きよろしくお願いいたします。

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■ ネット告発と嘘と本当の話、考えたこと。

この話は有料にします。
(以下テキストの無断引用、ネット転載は許可してません)

2021年の終わりにTouche Amoreのツアーからfoxtailsが外される、という出来事がありました。
その詳細については様々なところで言われているが、foxtailsの公式声明をDeeplにつっこんで読んでみるといいです。

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