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2021年、3LA売上ランキング発表(50-21)

3LA

こんにちわ、3LAというレーベル/レコ屋を運営している水谷です。
2021年もたくさんの注文をありがとうございました。2022年もどうぞ宜しくお願い致します。
http://longlegslongarms.jp/


ランキングについての説明

本年も2021年の一年を振り返りつつ、当店のセールスランキングを発表する時期になりました。このランキングは所謂Album Of The Year的なものを決めるものではなく、単純に3LAで一番売れているものは何?というランキングになります。なので、自分の嗜好は全く反映していない数字のみの売り上げランキングです。もちろん売れたものの結果でしかないので、作品の質の順位ではありません。2021年作品が必ずしもランクインしてくるとも限らないところは面白いかもしれません。

ちなみに売り上げ枚数をグラフ化してみると下記のようになります。縦軸は売り上げ枚数、横軸は売り上げ順位になります(一番左が50位、一番右が1位)。他の店舗がどうなっているのかわかりませんが、こうやってみてみるとほぼ上位10位くらいの作品が売上の大半を支えているという状態。上位の中でも1位順位が変われば売上枚数は圧倒的に変わる。そして20位以下になってくるとみんなそんなに売上枚数は大きく変わらなくなってきます。

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(売上枚数については明記しないことにしています)

体感的にはどこの店も同じだと思っていて、どの店もいつも同じようなことしか言わないのはそういうことなのかも。みんな同じようなアーティストを推し続けるし、物凄いいダークホースがレコ屋の推薦から現れないのはそういう背景があるかもしれないですね。うちのランキングだと当然レーベルとしてリリースしている作品が上位に入ります。ある意味レーベルとしての使命は、業界既定路線のランキングの中にいかに自分たちの作品を差し込むことが出来るか。ディストロの使命としては、他のランキングには入ってこない作品の良さをいかに世の中に提示できるか。その結果が世間の動きとは別軸で動いているこの3LAの売り上げランキングの意味だったりします。

そんな感じで、BEST50の発表、始めていきましょう!

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3LAディストロ売上ランキング - No.50〜41

50. Concrete - Gvttae Sangvinis
凄すぎる。イタリア激情のルーツでありレジェンド、CONCRETEの2008年音源がリイシュー、こんな音源がいきなりランクインです。90年代のイタリア激情黎明期を形成したバンドの音源は現在手に入れることが難しいものがほとんどですがどうやら巨額マネーがハードコアシーンに流れ込んでおりマネーロンダリングの如く過去名作がどんどん再発している。ConcreteのCDも質の高い紙箱ジャケットで良い感じ。激情黎明期のドイツ、ブレーメンサウンドにも近い血肉が湧き踊るような高揚感がある。下手な計算は一切なしの勢いと重さがある、と書きました。



49. Gallhammer - st
しばらく2021年ではない音源が続きます。Gallhammerの2003年自主制作音源のカセットリイシュー、台湾のレーベルBad Moon Rising(惡月上昇)より流通しています。日本での入荷はかなり数が少なかったみたいであまりブラックメタルを売っていない3LAでも即ソールドしておりました。このレーベルのリリースは結構Discogsにも載っていなくて、この感じのアンダーグラウンド感は好きです。悪くない。



48. Zeidun - 001
2021年に現物は届きませんでした。予約だけでランキングに入ってきます。現物が届くまでレビュー書かないでおこうと思ったんですが、正直に言うとシーンに影響を与えたようなバンドでも無いと思う。でも良い音楽なのは事実。そしてスペインのEMOシーンとしてはパイオニアの1組。スペインは結構ローカルシーンで回っている印象があって、それは別に悪いことではないよなと思うのです。



47. Kodan Armada - st
2000年代のSceamoはまさにムーブメントの渦中にあり玉石混交、非常に多くのバンドが生まれては消えていった時代でそんな中でも歴史の中にしっかりと痕跡を残したバンド達がいて、ただKodan Armadaはそういった正当な評価を受けていたバンドではなかったかもしれない。2021年のLPリリースで過去作がディスコグラフィとなったことに歓喜したScreamoリスナーは多かったはず。そして3LAで確保した入荷分も瞬殺でした。在庫の上限がなかったらどれくらい売れたんだろう、というのは未知数です。



46. Gulch - Impenetrable Cerebral Fortress
2020年に最も注目を集めたアルバムであるGulchの『Impenetrable Cerebral Fortress』は既に4thプレス、まだまだ勢いは変わらないしもしかしたらその人気は今後も不動かもしれない。などと書いている矢先に解散を発表。2020年の作品だけど2021年も売れ続けるのは真っ当というか、Gulchは象徴的なバンドとして名を残したかもしれないですね。パワーバイオレンスの中にもカオティックはある、ということで今後も3LA的解釈で入荷すべき音源は入荷していきたいです。



45. GLASSES - Compendium
こちらも2000年代のリイシュー、ScreamoではないんだけどTrainwreck、Perth Express等、様々なバンドのメンバーによって結成されたこのGLASSESというバンドの存在感は強烈だった。ドイツの2000年代エモバイオレンスの強烈さは印象的だった。Glassesは新曲もあるので今後活動再開するのかどうかわかりませんが、スペインと同じくヨーロッパ各国の2000年代ローカルがフロンティアとも言えるかもしれない。現在進行形のものがネットで簡単に見えるようになってしまったことで、逆にネットに網羅されていない最後の年代=2000年代が貴重ってことなのか?



44. 春ねむり - 春と修羅
43. 春ねむり - Lovetheism
2021年の前半までは売れ続けました。売り切れた以降、レーベル側も在庫がないってことで売上は止まりましたがレコードはまだまだ売れると思う。再プレス分も即完だったのが凄い。リスナーも世界中で増え続けている。



42. Raein - Il N'y A Pas De Orchestre
2021年リリースがマジで無い。このリリースも2000年代激情の重要な再発だったけれど思った以上に日本国内だけでなく海外でもあまり話題になっていなかったのはそもそも再発自体知られていなかった? 商品ページのレビューも、そしてYoutubeでの解説配信も2021年版としてアップデートした内容になっています。何故「Tigersuit」がScreamoアンセムなのか、その楽曲と精神性も含めて、完璧だからです。



41. SPOILMAN - BODY
2020年から度々紹介しているSPOILMANの1stは今年もランクイン。2021年に新作がリリースされたことも影響があったと思います。定期的にリリースがされるバンドは作品が単発でなく"作品群"となって評価されていく、っていうことをもっとアーティスト側は意識してもいいかもしれないです。SPOILMANにはそのスピード感がある。


3LAディストロ売上ランキング - No.40〜31

40. envy - A Dead Sinking Story
うわー、レビュー書いてなかったですわ。2021年はenvyの過去作を入荷できる機会があったので試しに入荷してみたら売れるわ売れるわということでやはり人気を実感しました。もちろん3LAのスタンスとしては長いものに巻かれるのは楽だがそうではないってことで、そこだけに頼るようなことはいたしません。リスナーそれぞれの個人史に大きなものを持っているバンドは強い。何かのフォロワーじゃこの場所には立てないでしょう。



39. POETRY OF TORCH + AGAK - split
日本国内シーンではほとんど追求している者がいないエモバイオレンス、2000年代の激情を今も受け継ぎ更新していくバンドの記録。現行のScreamoをリリースし続けるZegema Beach Recordsとしては珍しい日本人バンドのスプリットカセットでした。



38. heaven in her arms - White Halo
2017年のアルバムの限定カセットを何度も再入荷しました。まじか?2021年だぞもう、という感じですが他の店がぜんぜん入荷してないってことかもしれないですね。



37. iwrotehaikusaboutcannibalisminyouryearbook - Discography
beau Navire、Elle、Funeral Diner、Nexus6、そしてPunch、...Who Calls So Loudのメンバーもおり、Deathwishと契約する前の2000年代Loma Prieta、Punchと並んでDiscos Huelgaを代表するバンド。2010年以降、インターネットがSNSのパワーを得て新たなステージに急展開していく中で過去のScreamoバンド達への再評価軸が生まれたんだと思ってる。それらの潮流を支えたのはZegema Beach Recordsの流れ、そして現行バンドを熱心に聴いていた皆さんのパワーなんですよ。



36. sassya- - 呼吸
2021年の前半期はよく動いていた印象。衝撃的な『脊髄』と比較してしまうと音楽的にはその延長上にあるものなので、前作よりも新しいリスナー層にリーチしたわけではなかったのかもしれない。テーマ的には「2020」色が濃くて違うところにいる作品ではあり、そして多くのバンドのリリースが止まっていた時代に残された作品として、世界の一部を切り取った表現はあると感じる。



35. day's eye - MARGARET ep
作品自体は2017年だけど2021年に初めて入荷した作品。個人的には1stライブを目撃したという謎の証人になったままずっとライブを見てなかったのですが、音的にはcape light、komusoといったある種の反動的なemo/Screamoバンドだったのだと思う。90’sスタイルなやけっぱちemoスタイルと、急激にエモーショナルを爆発させる激情パートを行き来する様がex.bluefriendのショウさん録音によるRAWなサウンドと良い感じに相まっている。加えて、やはり今言及すべきポイントとしては歌モノ化していきがちな女性Voのemo系とは一線を化す無骨さがあることも2010年代最後のオーパーツ感。



34. PSP Social - サラバ未来世紀
これも2020年のリリースですがしぶとくランクイン。さすがにもう最初の入荷時のような勢いでは売れませんが、真剣なんだよな全てが。一般人がみてはいけない領域を覗き込むオタクのロック。



33. lasik + Crows Caw Loudly - split
キーワードになるのは「90年代」ってところになるだろうし、彼ら自身のバックボーンもまた、そういった現行の音楽とは違う混沌とした時代やカルチャーにあるように思える。だがそれ以上に今僕が感じている「今のトレンドが全く肌に合いません」という合わせる気もない開き直り要素に一番共鳴した。ロウで荒々しくグルーヴしていくミッドテンポのビート、ディストーション、ギターリフ。2020年はUSの音楽のほとんどが響かなかくて、スペインやフランスからの音楽に大いに響いていたんだけど、彼らのような音を聴くとその距離の取り方が大事なんだと思える。まさかの2021年にこんな音を聞けて嬉しいです。日本のバンド、今面白いかもしれません。



32. SWARRRM - こわれはじめる
アルバム『ゆめをみたの』がリリースされたからだと思うのですが前作の売上が引っ張られる形で再浮上。この時点でもこのスタイルは完成形なんじゃないかと思ったりもしたが、さらに破壊してその先へ。『ゆめをみたの』の後にこのアルバムを聴いたとすれば、それはまた新しい発見があったかと思います。Youtubeの動画はいまだに再生数が増え続けています。こういうロングセールスになっていく作品の数は本当に少ないですね。



31. Daitro - Laisser Vivre Les Squelettes
実は編集盤BOXと関係なくこちらも売れていました。今Daitroを聴く意味は当時のものとは違う。前回再プレスにも封入されていた当時のフライヤーやバンドの記憶を記録したインナーが封入されていて、サウンドだけでなく2000年代を駆け抜けたバンドの、というより今や益々失われつつある「バンド」という形態とは何なのかという核を改めて提示しているかのようにも見える作品となった。人間同士の繋がりは不思議なものを時に生み出してしまう。それはソロアーティストの時代のスピード感にはまるで及ばない、時間とエネルギーの消耗の激しい活動形態ではあるんだけど、人との摩擦が生み出した削りカスこそがバンドの本質だろう。


3LAディストロ売上ランキング - No.30〜21

30. Viva Belgrado - Bellavista
根強すぎる。CDとLPそれぞれ再入荷分も売り切れていきます。2020年のBESTとしてあげていた作品ですが2020年代最初の激情名盤かもしれないですね。また再入荷しなくちゃ。



29. Yaphet Kotto - Syncopated Synthetic Laments For Love
まさかの2021年でLP再発が決定。予約枚数のみでこの順位までランクインしてきました。ちなみに2022年元旦時点ではまだ届いておりません。これは届いたらきっちり解説すべき作品だと思っております。



28. portrayal of guilt - We Are Always Alone
2021年リリースの中でもかなりインパクトあったんじゃないでしょうか。保守的なScreamo文脈から逸脱してもはや別物なんですが、インダストリアルな要素を強めた前作から更にズレていきブラックメタル的なアプローチと融合。そこに今更かよと思うのか、今だからこそと思うのかはもはやリスナーに委ねられているのだが、昨今のSNSバズと流行に便乗する形の音楽とマーケティングが先行する世の中にウンザリしている身としては彼らくらいズレていたほうがむしろシンパシー、というかこのズレこそが重要だし激情の核ではないのか。無機質で重厚なリフとブラストビート。



27. killie - 殺しの呪文(The Conjuring)
今のこの時代、この日本、人を殺す呪文が溢れてる。それに加担しているのはそれに無自覚な人々だ。Obey!!! とは言ったものの、激情感なしのこのナンバーはリスナー的にはだいぶハードル高かったのでは?売れてはいるけど理解はされず、って感じで数字のわりには評判が見えないという。それはkillieあるあるな気もしますが。



26. YAGE - anders leben!?
これも2021年いくつもあった注目リイシューの1つ。いやー評価の定まった名盤リイシューは商売として固すぎます。そこを消費するのか、価値を見いだせるか、どうなのか、みたいな戦いをしながら聴いてる人はいないと思いますが。でもYageってUS激情のブルースが抜け落ちたようなソリッド感だと思います。表現についてじつは自分がまだ掘り下げていないバンドでもあります。



25. yarmulke - the complete discography
2000年代の日本のScreamoは独自の発展を遂げたことがよくわかると思う。もちろん日本だけでなく、世界中のそれぞれの地元で、それぞれのScreamoが発展していた。試行錯誤、そしてインターネットやサブスク文化じゃなかったからこその価値観の多様性。それらが如何に重要であったかが今では切に感じてしまう。便利さの裏側で気づかないうちに施行されていく無意識の暴力、僕たちの文化はそういったものに反抗するようなものであって欲しいなと思います。



24. Deafheaven - Infinite Granite
ポスブラは死んだ、Deafheavenが殺した。2021年リリースの本作が本当に評価されるのはもう少し後かもしれない。メタルサウンドはほとんどないのにメタルファンにも普通に支持されている。このUKめいた浮遊感たっぷりの轟音には、メタルに通じる何かしらのカタルシスがあるらしい。とにかくめちゃ気持ちいい。メタル聴いてるのと同じ気持ちになれる。コードで鳴らす音の感覚にも新しい時代を感じることができる。音にメッセージがあるのも良い。創造性と破壊的な思想が交錯している。この優しげな音の中に。すごいわ。



23. Svalbard - When I Die, Will I Get Better?
今年もランクインした理由はCD盤が売れ続けていること、LP盤も売れていること。本当に素晴らしい作品だったんだなぁ。Tokyo Jupiter Recordsの中でもSvalbardとViva Belgradoは長い人気があります。



22. GUEVNNA - Burning Skyline
2020年リリースですが年末近かったので2021年前半まで売上は動いていた感じです。国内でライブもできるリアクションをあまり得られなかったのがもったいないですが、海外オーダーなどで順位を伸ばしました。カセットリリースもありましたしね。IQを低くして酔っ払うようなロックンロールのライブが2022年は復活して欲しいなぁ。



21. Saton - ni'in
2020年の良かったアルバムの1つにメキシコのカオティック、SatónのアルバムですがCDが引き続き売れてるのと2021年はLP盤も出ましたね、こちらは売り切れてしまいましたが。こういったバンドはどのメディアでもランキングから除外されてしまっていますので3LAならではという感じで、やる意味あるなと思います。


そういうわけで、50位から21位までのランキングでした。
後半20位〜1位はまた後日!


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