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ごみはごみ箱に

引っ越ししてきてから1か月ぐらいになるが、ちょっと困っている事がある。

それは、2日に1回ぐらいのペースで、ベランダにたばこの吸いがらが落ちているという事だ。

朝にそれを見つけると結構がっかりする。

私はたばこを吸わないので、もちろん自分ではない。
たまたまなのか、意図的になのか、誰かがたばこの吸い殻を捨てて、それが我が家のベランダに落ちてきているのだ。

家は6階なので、外から投げ入れることはできない。
隣からはちょっと離れすぎて、狙って投げ入れたとしてもムリだ。
下の階からも不可能だろう。
(なんか、ちょっと推理中の探偵みたいだ、笑)
消去法で、上の階の人だと検討をつけて、聞きに行ってみた。

チャイムを鳴らすと、男の人が出てきて、英語は通じない様だったが、タバコの吸い殻が落ちているので、この家から出たものじゃないのか?と聞くと、「自分(たち?)はたばこは吸わない」と言う。
ヒンディー語のみなので、すべては理解できなかったが、ベランダに灰皿を用意している様な事も言っていた。(吸わないのになぜ灰皿があるのかは不明。もしかしたら私の聞き間違いなのかもしれない。)

納得がいったわけではないのだが、こちらにも確固たる証拠があるわけでもないし、本人が「吸わない」と言っている以上、これ以上は強硬には出られないので、しぶしぶ引き下がった。

しかし、上の人以外に、うちのベランダにタバコの吸い殻を(いや他の物でも)入れられるだろうか・・・?

ベランダには洗濯物を干しているので、火事の可能性もあって怖い。

すごく残念な事だが、このタワーのどこかの住人は、まだ平気でベランダからタバコの吸い殻を捨てることができる人なのだ。

もう20年も前の話だけど、夫と出会って間もない時、平然とタバコのパッケージのフィルムを路上にポイっと捨てた時はものすごい驚いた。(ちなみに当時はアメリカにいた)それで大ゲンカになったのを今でも覚えている。
「ごみはごみ箱に捨てるもの」と言う環境で育った私と、「ごみはその辺に捨ててもいいもの」と言う環境で育った夫との、初めての食い違いであった。

思えばこの時に二人の育った環境の違いに気づけばよかったのだけども、まあそれは別の話だ。(笑)


誰が捨てているか?は、置いておくとして、
インドではまだ、「ごみはごみ箱に」とか「ごみは分別する必要がある」という意識はあまり浸透していない。それはごみの処理方法が適切に確立されていないからだ。

前の前の部屋の時は、各家庭がゴミを家の前に出しておき、それを地域のごみ処理係が回収しに来ると言うシステムであった。
しかし、回収時間もしっかり決まっていなく、また、ごみを出しておくと(人にも、野良犬&牛にも)あさられる、と言う状態であった。

それを良く分かっていなかったので、古くなった下着を捨てた時には、回収される前に犬に荒らされたのか、自分の下着が門の前に散らばっていて顔から火が出そうなほど恥ずかしい思いをした。「自分のものではない」と言う態度を貫いたが、恥ずかしいし、(この時の犯人は犬だけど)自分の事を見られている様な気がして気持ち悪かった。

それ以来、下着やプライベートが知られそうなものは、たとえ古くなり不要になってもどうしても捨てられなかった。
使用した生理用品などはさすがに捨てないといけないので、回収に来るタイミングの直前を狙って捨てていた。

また、ごみの分別も知らない、できない人が多い。
他の住人のごみに対するマナーには本当に辟易した。
パーティの後のビール瓶も、食べ残した残飯も(しかもカレーとか中華とか汚れやすいやつ)、紙のごみもすべて一緒にして捨てていて、回収しに来る人に同情したものだった。
ゴミの収集をする人の地位も給与も低いのに、このような状態ではやる気が出るはずもない。

今はソサエティの中に清掃&ゴミ回収係がいるので、毎朝10時までに家のドアの前に出しておけば回収してくれる。(出しておかないと「今日はないの?」と聞かれる)メンテナンス料金を払うだけの価値はある。

それにしても、吸い殻を捨てているのは誰なのか?まだ謎は解けていない。


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