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インドのビザ申請手続き:やっとビザを入手!結局、折れない方が勝ち

1月末にビザの手続きのために一時帰国して、あっという間に半月経った。

半月=2週間、と考えればビザの手続きにおいてはどちらかと言うと短い方だが、ビザの手続は最後まで何が起こるか分からないものだ。



1月31日に申請受付をしてもらい、2月7日にはビザの準備はできていたのだが、受け取るためには書類の対応が追加で必要だった。

その対応が遅れたため、泣く泣くインドへの帰国のフライトを変更した。

2月2日には書類を送って欲しいと人事担当者にお願いしていたのに、すったもんだがあって、発送されたのは2月8日だと言われてほっとしていた。

だが、実際に日本に向けて発送されたのは2月10日だった。

これは悪意があったわけではなく(多分)、社内でデリー→ムンバイの発送が必要だったためだが、そんな事情があるなら教えて欲しかった。

書類の対応をお願いしている人事担当者は、自分のペースで自分の思う通りにしか仕事をしないタイプで、その上、インドとの時差があった事により、丸一日を無駄にするようなことも多かった。

あちらでは午後に対応しているつもりでも、連絡を受けたこちらでは既に営業時間が終わっている事もしばしばあった。そうなると、必然的に次の日に対応しなければいけなくなり、結果的にその日は何も進展がない状態となり、日々ホテル暮らしをしていた私はヤキモキしながら過ごした。



そんなこんなで、日本への発送が終わり追跡番号を教えてもらった後も、両親に似て心配性の私は無事にビザが受け取れるかを心配していた。

その理由の一つ目は、書式について指摘を受けていた書類は社内検討の結果、「修正しない」事が社内で決定していたからである。

強気の姿勢だ。

大使館から指摘を受けているのに、修正しないのだから、「じゃあ受け取れませんネ」と言われかねない。イヤな風に強気な姿勢である。

そして二つ目は、人事担当者が発送直前になって必要な書類を発送しないつもりでいた事が判明したからだ。

これは故意なのか、それともただのぼんやりなのかが分からない。

事前に4点の書類のPDF版を共有しているのに、直前になって1点を別な処理に置き換えて発送しようとしていた。PDF版の準備は人事担当者が自分で対応しているし、何度もやり取りしているのに分からなくなるって事あるのか?



最悪のシナリオとして、

インドから発送された書類は受け取ったものの、すべてではなく、ビザが受け取れない

再発送をお願いするも「何度も確認したのに」と文句を言われて、再発送に時間がかかる

ビザがもらえず、再びインドへの帰国を延期

という想像がぐるぐると頭をめぐっていた。



2月10日にインドから日本に発送された書類は、追跡番号を見ると2月14日に到着する予定になっていた。

14日は用事があるから家にいて欲しいと妹から言われていたので、最短のシナリオで2月15日に受け取れたらいいかな?と思っていた。
(当時、妹の家に居候していたので、妹の希望を考慮)

ところが予想に反して、なんと前日の2月13日に到着したのだ。しかも午前中に。

その日は何も動きが無いと予想して、妹の家でのんびりする予定だった私は、突然チャイムが鳴って驚いた。

自分の家ではないので対応するかどうか迷ったがモニターからはDHLの黄色い制服がちらりと見えた。

んん・・・あれはまさか???私の書類じゃ?

そう思って出てみると、その通り私が心待ちにしていた書類だった。

あわてて中身を確認する。

え、全部そろってる・・・・???

こちらも予想に反して?全部の書類がそろっていた。置き換えられそうだった書類も含まれており、必要なのは4点の書類なのに、5点になっていた。

足りないのは困るが、余るのはいいのだ。

私はあわてて時間を確認した。12時半だ。今から急いで出発したら間に合う。幸い、今日は家にいないといけない用事は無い。

今しかない!

そう思って慌てて出かける支度をして、家を出た。



その日は小雨が降っていてしかも気温も低い寒い日だった。

何度も書類がそろっている事を確認して、出かけてから最短で大使館に行けるルートを探す。妹の家からだと、最寄りの駅に行くためにバスかタクシーに乗らないといけない。気が急いていると最寄りの駅までがものすごく遠く思えた。

残念ながら目の前でバスを一本逃したが、その後は順調にいき、ビザ受け取りのための開場時間、15:30ぐらいに大使館に到着した。

この短期間で何度インド大使館に来ただろうか。
今日こそは最後の訪問にしたい。

そう思いながら再び大使館のゲートをくぐる。

私が到着した時は待っている人は3人だった。

待合室に腰を下ろして改めて書類を確認し、そのうちの一つは契約書である事を思い出した。そのため、書類の最後のページに署名と日付を記入する箇所がある。原本は返してもらえるのだが、

これにも署名と日付の記入が必要だろうか?そしたらコピー取らなきゃ。

などと、期待と不安が入り混じる中、色々と余計な事を考えてしまう。あれこれ考えずにまずは職員に聞けばいい事なのだが。



今回は窓口はほぼ16:00ちょうどに開いた。

問題なく受け取れるか?
追加の対応が必要になるか…?

ドキドキしながら自分の番が来たので受付に向かう。引き換え券とさっき届いた書類を提出する。

受付の時も対応してくれた職員は、ざっと書類を確認し、後ろの棚の方に向かった。そこには準備ができているビザがそれぞれ束になって用意されている。

それらの中から、私の分を取り出して提出した書類と見比べている。

無意識のうちに、固唾を飲んで見つめてしまっている自分がいた。

するとおもむろに引き換え券と同じ紙を出して、「ココにサインして下さい」と言われた。ビザ受け取りの署名である。

よし…!今日もらえる!!

書類にサインして、offer letterの原本とビザ、「発行済み」のスタンプを押した引き換え券を受け取った。



ホッとしたので、拍子抜けしたようになってしまったが、慌ててビザを確認した。名前の綴りや、ビザの期限などを確認しなければならない。

ぱっと見は良さそうに見えたが、気になることがあった。

ビザには、雇用される会社とそのポジションが書いてあるのだが、何度も読んでも雇用者である「XX銀行」のXXが抜けているような気がする。

「銀行」って書いてあるからいいの???

迷ったが、聞いてみる事にした。
インドに戻って何かあってからじゃ遅すぎる。



みんながきちんと順番を守る国、日本で、横入りするのはものすごく気が引けるが、対応が必要なのかどうかだけでも先に知りたい。

昔の私だったらそんなことできなかったと思うが、随分成長したと思う笑

「あ、あの、会社名が記載されてないような気がするんですけど…!」と、ビザを見せると、担当の職員は「あ、ホントね。直すからちょっと待ってて」と言われ、席に戻った。

あっさりしてるな笑

10分ぐらいして名前を呼ばれたので行ってみると、修正するからビザを渡す様に言われた。

ビザを渡して、再び席に戻る。

席に戻って5分ぐらいで呼ばれ、修正されたビザを渡される。

見てみると、手書きでちょろっと会社名を書いて、隣にサインされている。しかも緑のペンだ。

黒とか青じゃ無くていいのか?

心の中でツッコミを入れつつも、同時に、こんなもんだと言うことも頭のどこかで分かっていた。

とにかく無事にビザは発行された。

帰国後14日以内にFRROへの登録が必要だが、もっと大きな手続きは終わったのだ。まずはインドに戻ろう。



結局、指摘されていたnon availability certificate の書式については、修正せずに終わった。

これについては前任者の時は大変だったらしいし、私の時だって最後まで心配で仕方なかった。

何度も必要性を訴えたのに「前任者はそれで大丈夫だったから」で押し切られた。

今回、書式も変更せず、エージェントも介さず、無事にビザが発行されたので、人事担当者に「ほら、だから大丈夫って言ったでしょ」と言われそうでなんか悔しい。

今回の転職は紹介会社を介しているのだが、そのコンサルタントはいつも私をサポートしてくれておりビザに関しても協力的だった。

人事担当者の対応が遅い、的確じゃないので、それについても話をしてくれたものの、結局、この人事担当者に「前任者はこれで大丈夫だったから」で丸め込まれてしまっていた。

「人事担当者とちゃんと話できたから」と言われて電話で会話したのだが、上記の理由を繰り返されて「そうじゃねえよ」と心の中でつぶやいてしまった笑

その時は書類が既に発送された後で、もうジタバタしても何も解決しないので、そのつぶやきは私の胸の内に収めた。

今回は多大な迷惑を被ったが、人の反応を見て自分の対応を変えてしまう私から見ると、この人事担当者ぐらい自分の意見を曲げず、ペースも崩さずにいられるのは羨ましくもあったりする。

結局、折れない方が勝ちなのだ。







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