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母の日の動画を見て思う事:男の子、女の子、どっちが欲しい?
今日はいいネタもないので(笑)、先日の続きで、紹介しようと思っていた動画について書きたいと思う。
Mother’s Day 2019 by Preganews #GoodNewsIsGenderFree #PregaNewsMeansGoodNews
先日と同じく、これはPregnaNewsという妊娠検査薬を製造している、製薬会社ManKindが発信している動画。これは2019年に出しているものの様だ。
インドでは過去(一部では恐らく今も)男の子を望む傾向があった。
それは、娘の場合は、結婚すると嫁入りして家を出て行ってしまう事や、結婚費用が新郎側よりも新婦側の負担が大きかった事などが要因だった。
地域やそれぞれの社会で違いはあるが、新婦側は持参金を用意したり、家や家具を買ったりし、さらに結婚式の費用(衣装、金、嫁入り道具、神前式から披露宴まで。。)も莫大だったため、かつてはその負担が大きすぎて「娘が三人生まれれば破産する」と言われていた程だった。ちなみに一般的に披露宴は新婦側も新郎側も行う。(今はかなり各家庭で差があるし、持参金(ダウリー)は法律で禁止されている。)
一例をあげると、私の同僚の女の子が結婚した時の招待客はおよそ1200名である。(ちなみに結婚式を挙げたのは2018年)
そのため家を継いでくれる(残ってくれる)男子を望む傾向があった。
そういった背景があり、お腹にいる赤ちゃんが女の子だと分かると中絶を希望する夫婦もいたため、今では出産前の性別チェックはインドでは禁止だ。
かつての人口の男女比は、男性1,000人に対し、女性943人だったが(2011年)、現在は、男性1,000人に対し、女性1020人と女性の人口が男性を上回っている様だ。(National Family Health Survey 2019-21 (NFHS-5))
かつての「男の子を生まなければいけない」と言うプレッシャーは相当なものであったものと思う。たとえカップルは性別にこだわっていなかったとしても、両親や親戚から言われたりとか想像に難くない。
そもそも妊娠自体が「授かりもの」なので、外野が色々言ってもどうにもならないのに・・・と思うのだけど。(たとえ妊娠のための知識を得て、実施しても最後は自然からの授かりもの、と私は考えている。)
この動画では妊婦がいる家に「元気な男の子が生まれますように」を安産を願って来た人たちに対し、お義母さん(義理のお母さんと推察)は「別に男の子でも女の子でも構わないわ!」と返すのだ。このお義母さんの年代を考えると、まだ男子を望む家庭が多いだろうに、意外な気持ちにもなる。
赤ちゃんが生まれた後に再度訪問し、「生まれた赤ちゃんにお祝いを渡してくれる?」と言う彼らに「自分で渡しなさいよ」と言うお義母さん。ぶっきらぼうだが、素敵な人なのだというのが垣間見られて、ちょとじ~んとする。
注:家を訪問している人たちはヒジュラと呼ばれ、一般的に女装した男性で、残念な事に社会的地位はあまり高くない。だから、遠慮して(直接触れたりしない様に)「お金を渡してくれる?」と言ったのだが、それに対する「自分で渡しなさいよ」と言う返事は、「あなたの祝福を受け入れる(ああなたがどのような人でも構わない)」と言う意味だ。
この動画は母の日がテーマになっているが、「性別にかかわらず子供が元気で生まれてくれればそれでよい」と言うメッセージと共に、「社会的な地位にとらわれず、お互いを受け入れよう」と言うメッセージも込められている中々に秀逸な動画だと思う。
男も女もそれ以外でも、お互いが、お互いを思いやり、人間性を認め合っていける社会になればいいと願う。
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