ホアキンフェニックス

【遅ればせながら祝アカデミー主演男優賞・ホアキンフェニックス】

見ずして死ねるか  JOKER 

 今更の話ではあるが、noteなら許されるかぐらいな勝手な判断で偉そうに言わせてもらう。つい先日アカデミー賞の発表があり、パラサイトという韓国映画が作品賞に、ホアキンフェニックスが主演男優賞に輝いたというニュースを目にした。外国映画がオスカーの作品賞に輝くことがまず驚きだが、主演男優賞に関しては、ホアキンフェニックス?ホアキンスカイウォーカー?(恥ずかしながらスターウォーズとごっちゃになっていた)誰だそれ? ぐらいの認識しかなかったのが事実だ。今は本当に便利な時代で、インターネットで検索すれば聞きたくもない事まで何でも教えてくれるが、リバーフェニックスの弟(それだけ聞いただけで我々の年代は懐かしさで目頭が熱くなる)グラディエーターの敵役、サイン?情報に踊らされるまま、ある意味納得がいった。

目が釘付け

 結論から言えば久々に本当にいい映画に出会えた。それだけで感謝の念が湧いて出る。満を持して劇場公開で目にしたわけでも、ビデオの発売を今か今かと待ちわびたわけでもない。noteに書かれる評価が一様に大絶賛なのを目にして突然、矢も楯もたまらずレンタルビデオ屋に足を運んだ。実を言えば映画自体は知っていたが、変な先入観を抱き、見るに値しないと思い込んでいた。それでもまだ家のオンボロビデオを付けるまで、たかがバットマンのスピンオフ、原作が漫画かぐらいの頭しかなかったのが本音である。

 だが実際はどうだ、いちいちあらすじを書くつもりも、小難しい御託を並べるつもりも毛頭ないが、何気ない表情の一つ一つに見入ってしまい、息苦しささえ感じてしまう。ジョーカーと同じく社会の底辺で生きる自分にとって(カッコつけすぎか?)人事とは思えないような何かを、皮膚感覚で感じた

 入れ込みすぎか?

 もし仮にホアキンフェニックスが、他の映画で1番脂ののった時代のデニーロと共演したと仮定しても、1歩も引けを取らないどころか完全に食ってしまっていたかもしれない。大好きだとのたまったデニーロに対して、あまりの変わり身の速さに自分自身の心を疑うが、そう思わざるを得ない程の鬼気迫る迫力を感じずにはいられなかった。市長候補の男の息子が、のちのバットマンの伏線だとか、映画の内容のほとんどの部分がアーサーの妄想だったとか、そんな話はどうでもいい。あのへたくそな踊りや、役が憑依したとしか言いようがない演技に、何故か涙が止まらなかった。思い入れが激しすぎて自分でも厄介な性格ゆえ、エンドロールが流れる頃には放心状態に陥る映画がたまにあるが、今回のジョーカーが正しくそれだった。頭の固いアカデミー賞選考委員のお歴々にとって、原作が漫画の作品賞受賞は外国映画の作品賞よりも在りえなかったということか?

 最後にもう一つ言わせてもらえば、リバーフェニックスの弟というよりも、ダニエルデイルイスと同じ匂いをホアキンフェニックスに感じるのは私だけだろうか?誰か意見があれば聞いてみたい。

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