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RY Guitarという個人工房のギターをオーダーした話:前編【機材レビュー】

【初めに】

はじめまして、ひかると申します。主にTwitterで演奏動画を上げたり社会人軽音サークルでバンドをしており、そして三度の飯より機材が好きな、所謂機材厨という人種です。

さて初のnote投稿にして本題ですが

【 RY Guitar 】

というギター工房さんを皆さんご存知でしょうか?おそらくあまり聞き馴染みのないかもしれません。RY Guitarさんは兵庫県の三田市にて個人で経営されているギター工房です。

私は1年前にこちらの工房さんでギターをオーダーし、遂に手元に届きました。

ブログやSNSなど調べてもレビューが少なかったので、本記事ではギター本体のレビューはもちろん、オーダー関係のやり取りなどについても詳しく書かせて頂こうと思います。

【オーダーした経緯】

時は遡り2021年の1月頃、私は唐突に

「IbanezのAZみたいな万能系ギターほしい」

と思い楽器屋に行きAZのPrestigeとPremium両方を試奏しました。

しかし「なんか違う」と思い購入には至りませんでした。

AZは確かに良いギターだったのですが、実はAZには私の求める“SSHかつ24フレット“という仕様が無く、何よりルックス面において、カラーバリエーションが多くない上に所有されている方も多く他人と被るため、断念しました。(私は超の付くヘソ曲がりで他人と機材被るのがめちゃくちゃ嫌いなタイプの人間です)

そんなわけでデジマートでギターを探したのですが、そもそもSSH・24フレットという仕様のギターって全然無いんですよね。あってもデザインとか細かい仕様が好みじゃなかったり、シンプルに高価過ぎたり…

そんなわけで「理想のギターが市販されてないならオーダーしちゃえばいいじゃん」とこれまた唐突に思い付きました。

そこで私は、以前からホームページ(https://www.ryguitar.com)で写真や動画をよく見ていたRY Guitar様にオーダーをお願いすることになりました。

【ファーストインプレッション】

先に結論から書きますが、ハッキリ言ってめちゃくちゃクオリティが高いです。

まずご覧頂きたいのがこちら。

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はい、杢目がとてもスケベです。

私、ギターのデザインに関してはとにかく杢目がガッツリ出ているモノに目が無いです。このギターのトップ材はみんな大好き(?)バールメイプルでございます。

オーダー前の初問い合わせで「バール系のトップ材はいけますか?」と唐突に投げかけ、バールメイプルなら可能との事でしたのでそこから話を進めていきました。(バール系ダメだったらオーダーしてなかった)

そしてフィニッシュに関しても拘りまして、市販品にはあまりない、ブルーのバーティカルグラデーションカラーにしてもらいました。

これに関しては、2020年冬にmomoseから発売されたギターショー限定モデルに影響を受けまして、そのmomoseの写真を送り付けて「こんな感じで!」と、かなり失礼かつ無理なお願いをしたのですが、快く引き受けてくださいました。本当に感謝しております。(尚、そのmomoseのギターを後に手にすることはこの時は想像していなかった)(それはそれで記事を書きたい)

ちなみにネックもフレイムメイプルにしたので、ギター全体杢目まみれです。最高。杢目フェチには堪らんのです。

【スペック】

デザインについては程々に(しないと延々と書いてしまうので)とりあえず全体の写真とスペックシートを載せます。細かい話はそこから…

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こんな感じです。

前述のオーダーした経緯からも分かる通り、所謂

"モダンな万能系ギター"

というスペックです

ボディは軽めのアッシュにメイプルネック、そしてPUはハイエンドメーカー代表とも言えるSuhrで揃えております。そのおかげか、スッキリとして抜けが良く、それでいて薄っぺらさは全く感じない非常に高いクオリティで使い勝手の良いサウンドです。(ちょうど届いた日にバンド練習があったのですが、メンバーからも音の良さを絶賛されました)

クリーンのアルペジオや、ファンキーなカッティング、更にはDjent的なサウンドまで網羅できます。後述するとある仕様も含めて、音作りの幅も広くまさに万能系ギターと呼ぶに相応しいです。

また、プレイアビリティに関しましては製作者様も特に拘っていらっしゃる様で

フレットエンド・指板サイドの処理が綺麗であり、さらに低めの弦高でもビビりが全くありません。

そしてデフォルトで採用されているステンレスフレットも相まってとても弾きやすい・演奏のストレスが無いギターに仕上がっています。

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(スマホ撮影なので分かりにくいですが、綺麗に処理された指板サイド)

【オーダーならではの拘り】

次に、オーダーギターならではの細かな拘りポイントについてどんどん書いていこうと思います。(オタクモード突入)

【ハードウェア類】

トレモロユニットはGOTOHのEV510TS-BSという、市販ギターにはほとんど搭載されていないモノを選定しました。

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サドルの形状はIbanez AZに搭載されてるものとおそらく同等のものですが、ブリッジ全体の形状がサドルをカッチリと挟み込む形になっています。

確かESPにも似たような形状のトレモロがあり、昔読んだカタログの説明にはサドルの横ブレを防ぎ鳴りだかサスティンが良くなるみたいな(記憶が曖昧)(調べても出てこなかった)ことが書いてたのを覚えています。

とか色々説明しましたが、ぶっちゃけ単純に「なんか見た目がカッコイイ!」って理由で選びました。結局は見た目、大事。

ちなみにペグは同じくGOTOHのロックペグです。私の最近のギター選びの絶対条件はロックペグとステンレスフレットです。この2つは利便性を知ってしまうともう他のものに戻れないんですよね…

【フレット】

前述にもある通り、このギターはステンレスフレットを採用しています。(もちろんオプションでニッケルも選べます)

私は過去にPSP(プレイステーションポータブル)を手汗で破壊したことがあるぐらいの多汗症であり、一般的なニッケルフレットのギターだとすぐにくすんだり錆びたりします。また、プレイング的にもどちらかと言えば荒っぽく弾くタイプなのでニッケルだとスグにすり減ります。

しかし、ステンレスフレットなら手入れを一切しなくてもピカピカで、摩耗にも物凄く強いです。(既に所持しているギターがステンレスフレットなので実証済み)

時々、「ステンレスフレットは音がキンキンする」との意見も見受けられますが、個人的には気になったことは無いですし、そもそもフレット以外全く同じスペックでの比較を聴いたことがないので音に関してはなんとも言い難いです…

音質の変化より圧倒的に利便性が高いので、私個人的にはステンレスフレット以外の選択肢がないレベルです。(ニッケルフレット自体を否定しているわけではない)(多汗症が悪い)

ちなみにフレットの形状はジムダンロップの6150、一般的にはミディアムジャンボと呼ばれる背が高くて幅も広いものです。この辺は私の好みです、もちろんこちらもジムダンロップのサイズ規格内で変更できます。

【コントロール系統】

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見た目の通り、PUはSSH配列・5wayセレクターで1vol・1toneという、よくある仕様です。(白のボビンとカバーも何気に拘りポイント)

ですが、ボリュームとトーンポットにそれぞれ機能を足してもらいました。

まずトーンポットはPUSH-PUSHスイッチでリアPUのコイルタップのオンオフです。まあこれはハムバッカーが載ってるギターなら定番の機能ですね。

そしてこだわりはボリュームポットの方、前述してたとある機能です。こちらのポットもPUSH-PUSHスイッチになっており、フロントPUミックス機能のオンオフが可能です。

どういうことかと言いますと「5WAYセレクターの位置に関わらずフロントPUを強制的に出力できる」という機能です。

その機能何の意味があるの?と思われた方も居るかもしれませんが、これによって3PU・5wayセレクター(一般的なストラトタイプの配線)では不可能なフロント+リアのミックスが可能です。例えるならテレキャスターのミックスポジションに似たような音色が実現できます。その上リアPUはコイルタップができるので、非常に音作りの幅が広いです。(クリーン~クランチでのカッティングが特に気持ち良い)

因みにこの機能を使えば3つのPU全てを同時に出力することもできます(実用性は…無いかもしれない)

以上のように、コントロール類も細かくオーダーさせて頂けたのも有難かったです。

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(多機能だけど見た目はシンプル、これ大事)

【ひとまず】

他にも色々拘った点があるのですが、それなりの長文になってきましたので今回はここまでということで…

次回はもうちょっと拘りポイントについて書きたいのとオーダーの流れとか書けたらいいな〜と思っております。(反響とかなくても書く)(自己満)

ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

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(届いた日に早速スタジオに入ったので記念に撮った写真)

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