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お腹の中に3500gの生命がいるという事実
妻はいつも通り笑っている。
予定日は昨日(8月8日)だった。
赤ちゃんはもう少しお腹の中にいたいようだ。
もういつ陣痛がきてもおかしくない。
ぼくは正直気が気でない。
昨日は会社を休んだ。
妻は実家に帰っている。
妻に会いに行った。
妻はいつも通りだった。
どきどきしているぼくを見て笑っていた。
「何かしてほしいことある?」
とぼくが聞くと
「お腹を撫でてほしい」
と妻は言った。
ぼくはひたすら妻のお腹をなでていた。
このなかにもう「1人」いるのか。
それはまぎれもない事実なんだけど
でもやっぱりとても不思議だ。
そして震えるほど感動する。
妻のお腹は、古くから伝わる大切な宝物みたいだ。
撫でるとご利益があると言われているお地蔵さんの頭を思い出した。
スイカよりも大きいお腹に耳をあてる。
ポコポコと音がする。
動いているのがわかる。
もうすぐ、会えるのかな。
そんなことを考えてたら
結局今日も眠れなくなってしまいそうだ。
どきどき。
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