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メモ帳に残っていた「ガソリンスタンドのおしぼりから湯気がでていた」という言葉の意味
-「ガソリンスタンドのおしぼりから湯気が出ていた」-
iPhoneのメモ帳に残っていた言葉。12月27日。
その日は年末の挨拶周りと営業の追い込みで小忙しく、
社有車であちこちを駆けずり回っていた。
夕方。
ガソリンが無くなりかけていたので、
目についたガソリンスタンドに何気なく立ち寄る。
外は霰がチラついている。
とにかく寒い日だった。
車を停める。
店員さんがやってくる。
「レギュラー満タンで」
店員さんの目もロクに見ずに告げる。
僕の視線は手の中の会社携帯だけを見ている。
とにかく、忙しかったのだ。
給油中。
僕は相変わらず会社携帯で何かやり取りしている。
店員さんから元気よく
「車内拭きタオル使いますか?」
と言われたときも、
「いえ、要りません」
会社携帯を見ながら。
そのとき。
何気なく顔をあげて店員さんの声の方向を見やると、
ホカホカの肉まんくらい湯気を出しているタオルを持った店員さんの姿があった。
-僕は後悔した。
尋常ではない寒さの中、
一切目を見て話をしない、
暖かい車内に篭りっきりのドライバー相手でも
とても元気に対応してくれて、
わざわざタオルを熱々にして持ってきてくれたのに。
そんな人に対して
なんて態度をとってしまったんだろう。
僕は後悔している。
とても。
忙しかったから、とか
そんな事は全く関係ないのに。
自分が恥ずかしい。
今の気持ちをメモでも何でもいいから
残しておかないと。
きちんと目を見て話すこと。
感謝の気持ちを忘れないこと。
当たり前のことを当たり前に。
#エッセイ #よしなしごと
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