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技術書【ヴィジョン】の紹介

【ヴィジョン】 ストーリーを伝える:色、光、構図

構図またはレイアウトの最強の基礎本(と思っています)。
2D、3Dの1枚絵にも映像にも活かせると思っているため、最強と思っているところがあります!

著者

【ハンス・P・バッハ―】さん と、
弟子の【サナタン・スルヤヴァンシ】さんによって作られた本です。
バッハ―さんは、ディズニー、スピルバーグのスタジオでご活躍されたプロダクトデザインのレジェンド!

はじめに

本書では、メディアに関わらず当てはまる、非常に基礎的な事。
ビジュアルでストーリーを語るための「見方と考え方」

ビジュアルコミュニケーションのプロセスとは
画像を目にしたとき、私たちの頭の中では何が起こるんだろう?

脳は何かを見ると、全体から何らかの意味を汲み取ろうとする。

ー> 何らかの感情を呼び起こす(理解する前に)
ー>ほぼ同時に上記が自動的処理される
※デザイン要素がこの自動処理にどう関係するのかを紐解く。
視覚要素を分解。分解できれば、見たもの全てから学び取れる。
理由が分かれば、その知識(要素)を利用して鑑賞者に狙った感情を引き出せる。
目にしたものを基本の構成要素へ分解する力こそが、視覚的な感覚を磨く基本になる。
この力を身に着けることが本書の目的。

個人目線で本書を要約

画像の心理学
画像が人に作用する理由から考えよう。

関連付け
画像を構築するときに、要素の選択に時間をかけ、適切な関連付けが想起されるようにすると、鑑賞者に強い印象を与えることができる。

メカニズム
映画の画面を効果的に構成するには、基本的なデザインの原則を理解したうえで、ベースとなる抽象的な画像の「メカニズム」を見つける必要がある。

響くとき
言わんとする事が「響く」には、
伝えたい内容と、その伝え方が一致したときだ。

ショットを「響かせる」には、2つのことを理解しなくてはならない。
1つは、デザインの要素で流暢に「話す」こと
もう1つは、そのショットの「感情を把握する」こと

読み進めるときには、ここまで説明した
「関連付け」「メカニズム」「響くとき」の3つを頭の隅に置こう。
画像あるいは目に入るもの全てを分析しよう。

画像のアナトミー

▼アナトミーの種類
被写体、フォーマット、向き、フレーミング、ライン、シェイプ、明度(バリュー)
色、バターン、シルエット、テクスチャ、光、奥行き、エッジ(ぼかし)、動き

どんな画像にもいくつもの側面がある。
画像を分析し、そのメカニズムについて論じるには、どんな側面があるかを理解しておく必要がある。
少しでも時間が空いたら、この2ページのように画像を分解しよう。
身近な世界から隠れた素材を見つけたり、全てのものに美を見いだせるようになる。
この「見方」こそ、ビジュアルでストーリーを語る人が学ぶべき基本。

上記のアナトミー部分について、
それぞれ画像をふんだんに使用され解説されています。
凄まじい情報量!!

他ピックアップ

ストーリーボード(軽く触れたページがあり)
ストーリーボードは、脚本をビジュアルに翻訳するための最初の一歩。
一言でいうと、ある物語のショットとアクションの流れを仮定して描いた、連続画。

カメラのまとめ
ビジュアルでストーリーを語る人にとって、撮影術は、作家にとっての言葉に等しい。
※何故か画像が横になってしまっている(元画像は横ではない)

サムネイル
ある意味、構図の学習は、自転車の練習に似ている。
いくつのも要素を同時に考える。練習あるのみ。
構図の場合には、サムネイルを描くことが一番の練習。
描くときは、きれいさ(クリーン)ではなく、明瞭さ(クリア)を重視する。

最終的に構図の成否を決めるのは、3つの問いに集約される。
「何が起きているかが分かるか?」
「面白そうに見えるか?」
「ふさわしい雰囲気か?」

良い構図の条件は、【瞬時に読み取れる】

良い構図は、【見た目が面白い】

優れた構図の条件は、【感情に沿っている】

最後に

本の完成まで7年半もかかっているのですね!
ただただ感謝しかないです。

基礎と書かれていますが、これ全て頭に叩き込むだけでも、2,3年は平気でかかりそうです。それだけ、奥が深いという事かなと思いました。

本書のまとめにある
「本章を全て理解し、作品に応用できたとしても、
 それはスタート地点にすぎないことも同時に覚えておこう。」
けっこう流し読み程度でも、上記のスタート地点の意味がある程度 分かりました。私はスタート地点にすら立てない!出直してきますわっ!!という感覚です。

この本の「画像のアナトミー」見た際に、
3Dアニメーション制作時もリファレンスの分析をするためのアナトミー(解剖学)として必要な基礎があると考えています。
その基礎も徐々に自分なりにまとめ公開できればと思いました。

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