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「どちらでも問題ありません」を新人が使うのはよくない気がする。

昨年、社会人3年目くらいの後輩が入社したのだが、ちょっと尖ったタイプの人で、自分の意思を表現しない。(持たないのではなく表現しない)

そんな後輩の性格や端的に表した返答が「どちらでも問題ございません」だ。

上司がA案かB案、はたまた他の案があったら教えてほしいと聞くと、「私はどちらでも問題ございません」と答える。
ただ業務をすすめていくなかで、「A案だとこんな問題があるのがわかってるのになんで提示してきたのか!」など、予めやらない方が良かったとわかっていたのに「問題ありません」答えているというのが段々見えてきた。

これはなぜ生じているのか、はたまた何が問題なのか自省も込めて書いておきたい。


なぜ生じているのか

なぜ生じているかについては、後輩の性格が影響している可能性がある。
後輩が自分の意見や考えを表明しないことで、争いを避け、場を収めようとする傾向があるためです。
要は後輩が周囲との調和を重視し(し過ぎている)、このような回答をする原因の一つと考えられます。
業務に自信がない(自分より詳しい人が判断すればよい)と思っていることも要因の一つかもしれない。周囲との調和を意識してしまうが故に、失敗・衝突につながる可能性がある業務は自身では決して引き受けようとせず、業務の習熟が遅れてしまうことが、この傾向を加速させてしまっているとも思う。

何が問題か

一方、何が問題なのかについては、後輩の回答が業務に悪影響を与える可能性があることが挙げられる。
業務において、後輩が自分の意見や考えを表明せず、「どちらでも問題ない」と回答することで、周囲のメンバーが後輩の考えや意見を理解できず、業務効率や品質に影響を与える可能性がある。
後輩のみが担当となっている業務で、上司が詳細把握していないものについては特に悪い影響を与えてしまっている。

また、後輩自身が担当する業務の成果物や品質に問題が生じた場合、責任を回避できない状況に陥る可能性がある。
上司がいくら守ろうと、1年間働いていて一定水準の業務を行っていなければ、周囲からの評価を容易には取り返せない。

どうやって解決を促すのがよいか

後輩には、自分の意見や考えを積極的に表明することを促し、自己主張や決断力を養うための研修や経験を提供することが必要かなと思う。
頭で考えてから動きたいタイプだと思うので、研修、そして経験の場だ。
また、後輩の性格や気質を尊重しつつも、後輩の考えるチームワークを捨て去ることだ。
(上司・先輩がなんでも知っていて、後輩が手を動かすだけという、ルーティンだけをやっていればよかった新入社員のシステムを。)
VUCAの時代、それぞれの知識・経験を出し合い、目的に沿ったよりよい成果物を出すというチームワークに再定義する必要がある。
でないと、成長が見込めず、今の時代退職勧奨なんてことに繋がりかねない。

具体的なところで行くと、担当業務を上司が判断しないと宣言することだろうか。(もちろん表面上だが)それが理解されなければ、業務報告をコンサルばりに詰めるしかない。
ここはどうなってるの、なんでここの調査は終わってないの、方針は?、などなど。上司が考えることではないと線引きを示すのが大切か。

終わりに

1年間なんとも思っていなかった「どちらでも問題ありません」ですが、最近不安やストレスに変わることが増えてきました。
おそらくそれは、派遣社員でもできるとひどく揶揄されてきた言葉が、もうAIの方がよい成果を出すことが増えてきたと実感し始めたからかもしれません。

人がやりたくない仕事(雑務)を、(付加価値の高い仕事に集中したいなどという建前で)派遣社員、業務委託へ押し付けてきましたが、それはもうできないのでしょう。
だって、人よりAIの方が安いのだから。給料を水準を高めていく会社はAI活用を進めていくに違いなく、そうでない会社は給料も上がらず、生産効率も低く、二極化が進んでいくのでしょう。

自信の不安を後輩に押し付けた文章ではありますが、これからの時代よくなるのか、悪くなるのか難しい時代だと感じます。

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