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逆境にどう向き合うのか?[読書#1]

それをどうすることもできず、わたしは何とも逆境の人となってしまったのである。

『現代語訳 論語と算盤』第1章 処世と心情 p.34

先日所属しているコミュニティ内で渋沢栄一の論語と算盤の読書会をしました。少人数の読書会だったのですが、とっても楽しく過ごせました。

そして、この本はどんな方により刺さるのか、読書会をもとに考えてみたのでその話をします。

「逆境に立たされる人は、ぜひともその生じる原因を探り、それが『人の作った逆境』であるのか、それとも『人にはどうしようもない逆境』であるのかを区別すべきである。」

作者の渋沢栄一は、振れ幅の大きな経歴を辿った方です。江戸幕府末期、幕府の臣下としてフランスに渡航したが、帰ってきた時には幕府はすでに滅び、王政にかわっており、逆境の人となったとの記載があります。そして、この逆境にいた時に、ひどく困難な思いをしたと述べています。しかし、今私たちの頭の中にある渋沢栄一像は、困難を経験した非業の人というものではありません。けれど、経歴を見ると困難な状況を経験はしていたであったろうと考えられるものです。だからこそ、そんな渋沢栄一が、上述した箇所に続いて、逆境への向き合い方を紹介している、その内容は参考になります。

「『人にはどうしようもない逆境』に対処する場合には、天命に身をゆだね、腰をすえて来るべき運命を待ちながら、コツコツと挫けずに勉強するのがよいのだ」

私も将来逆境に直面した時には、このようにして前を向いて乗り越えていきたいと思います。そして、それに加えて、逆境に直面し、その逆境を乗り越えて幸せな運命を招こうと考えて、人生を生きた渋沢栄一だからこそ、この本全体を読むことで、逆境への具体的な向き合い方の土台となる、人生への向き合い方についても知ることができるのです。

このように、特に今、コロナが蔓延する世の中の逆境とどう向き合うのか?大河ドラマと合わせて読みたい本だと感じました。

機会があれば、この記事を読まれたあなたも、500社近くの会社の設立に関わった渋沢栄一の書籍、「論語と算盤」を読んでみてはいかがでしょうか?

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