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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #100

こちらの続きです


『善意』④解決編


 ミッデンと呼ばれる大学の地下空間は、長らく人が出入りした様子がない、暗く冷たく湿った場所でした。使い物にならない壺や籠のような廃棄物が転がり、不気味な骨やキノコの群生がそこかしこに放置されています。

なにこれえ

 地下へと進めば進むほど外からの冷気が入り込んでいるらしく、気温は著しく下がり、凍てついた床と積雪に吐く息が白みます。
 ついには氷の生霊まで現れ、いよいよ野外と変わりません。

どっから入った

 さらに進むと、天井から光を浴びる不思議な祭壇のようなものを見つけました。

なんこれ?

 どうやらこの箱に何かを入れる仕様のようです。

???

 よくわかりませんが、ダンレインの預言者の住処はここではないようです。とりあえずさらに奥へ進みます。
 扉を見つけましたが、鍵がかかっていてあきません。すると、
「忍耐は失望へと変わるだけだ」
 突然どこからか声が聞こえました。

!?

 驚いて扉から離れます。じっと扉を見ていると、
「諦めないのか?よろしい、では入りなさい」
 そんな言葉が聞こえ、がちゃりと鍵が開く音がしました。恐る恐る中に入ると、青く輝く眩しい光が待ち構えていました。

まぶし~~!!!

「私を探していたようだな」
 どうやらこの光こそが、『ダンレインの預言者』その人のようです。トルフディル先生からはエネルギーと融合してしまったと聞いていましたが、まさにエネルギーそのもの。人型すらとどめていません。そんな預言者は淡々と言葉を続けました。
「お前の努力は無駄だった。もう始まってしまったのだ。」
 始まった?
「だがお前の送り込んだ連中は、何を探しているのか言わなかっただろう。お前が探すべきものが何かを」
「あなたを探すように言われたからここに来たんです」
「なるほど。だがその理由は知らないだろう。前にもそんな奴らがいた。自分の破滅への道をやみくもにたどる連中が。サルモールも答えを求めてやってきた。自分のやっている事が何に繋がるかも知らずに」
 サルモール?
「お前も同じ道をたどるだろう。ただしお前の場合はもう手遅れだ」
「…ここにきたのはサルモールの、誰なんです?」
「アンカノと名乗る男の事だ」

アンカノぉ

 アンカノがすでにここにきていたとは!
「彼はマグナスの目に関する情報を求めている。だが彼はまったく別のものを見つけるだろう」
 別のもの?一体それは何なのでしょう。あの球体ではないのでしょうか?
「彼の道はやがてお前の道と交わる。しかしその前に、必要なものを見つけなければならない。お前と協力者達は、マグナスの目に関してもっと知りたがっている。そしてお前は厄災を避けようとしている。まだその存在にすら気づいていないのに。視力を奪われずにマグナスの目を通して何かを見るためには、マグナスの杖が必要だ」

 何を言っているのかよくわかりませんが、とにかく『マグナスの杖』が必要なのだそうです。

「様々な出来事が、避けようのない中心へと急激に収束しつつある。急がなければならない。今知った事を、お前のアークメイジに伝えるのだ」

はあい

 次の瞬間には光が消え、暗く静かで肌寒い廃墟へと戻りました。

行っちゃった…

 90%くらいは意味不明でしたが、アンカノがダンレインの預言者からマグナスの目についての情報を聞き出していたことと、マグナスの杖が必要であることがわかりました。それらをアークメイジのサボス先生に急いで伝えなくてはいけません。『すでに手遅れ』などと言われてしまいましたが、出来ることをやるしかないでしょう。

 出口へ向かう道中、またもよくわからないものを見つけてしまいました。

およ?

 手です。

なんこれ

 いかにも意味ありげなオブジェですが、探索している暇もないので急いでその場を離れました。事態が落ち着いたらまた来てみようと思います。



 さて、ミッデンを出て大学まで戻ってきました。元素の間にいたサボス先生に、さっそく情報を伝えました。とても驚いた様子でにわかには信じられないというリアクションでしたが、ダンレインの預言者の言葉だと伝えると腑に落ちたようで、最終的には信用してくれました。
「マグナスの杖のように特別で太古よりあるもの…他に同じようなものを見つけるのは難しいだろう。最近のことだが、ミラベルが杖について確かに言及していた。彼女から何か聞き出してきてもらえないか?」

ほう

 マグナスの杖についてはミラベル先生が何か情報を持っているようです。

「それにしても実に喜ばしい成長ぶりだな。並みの見習いとは明らかに出来が違うようだ。よくやった。この飾り輪はかつてかけがえのない働きをしてくれた。お前にもきっと役立つだろう」
 サボス先生は私を褒めたたえ、『魔術師のサークレット』を授けてくれました。

おー

 正直なところ魔術には興味がないですし、アラネアさんはもっと強力なマスクを被っているのであまり使い道のないものではありますが、大学の最高責任者からのありがたい報酬品です。ありがたくいただくこととしましょう。


 食事中のミラベル先生に、マグナスの杖について尋ねます。
「それはまた奇妙な質問ですね。一体どうしてそんな事を知りたいのですか?」

え~と

 へたにダンレインの預言者の名前を出すとややこしそうなので、余計な情報は省くことにしました。
「サボス先生から、ミラベル先生が最近その話をしていたと聞きまして。もう一度詳しく話を聞かせてもらえと言われました」
 あくまでアークメイジの使いという体をとれば、上司に忠実なミラベル先生は無視できないはずです。
「なるほど。ええまあ、確かにそういう話はしましたが、一体何を話せばいいのか…」
 ミラベル先生はしきりに困惑してみせます。
「というのも、数か月前に”サイノッド”がそれを探しに来たので、一応報告したというだけの事なのですよ。まるで私たちがその辺の物置にでも隠しているのではないかと疑っている感じでした」
 サイノッド…聞いたことがあるような気はしますが、思い出せません。
「サイノッドとは?」
「シロディールを拠点に活動する魔術師達です。この数百年ほどは帝国における魔術の権威を気取っています。まあ内実は皇帝にへつらって寵愛を得ようと騒ぎ立てているだけとしか思えません。政争ばかりで魔法はそっちのけ」
 そういえば、シロディール出身のジェイ・ザルゴが口走っていた言葉を思い出しました。

「シロディールの魔術師達は政争に明け暮れている。サイノッドとウィスパーズの大学は秘密を守るのに忙しくて、教育どころじゃないんだ」

 政争に明け暮れているというシロディールの魔術師が、なぜスカイリムの魔法大学にマグナスの杖を探しにきたのでしょう。
「ここの玄関先に姿を見せた時には心底驚きました。愛想だけはよかったんだけれど、質問の仕方にはどうも…不穏なものを感じましたね。勢力基盤を固めるために強力な秘宝をかき集めているのだと、あれではっきりしました」
 なるほど。彼らはおそらくマグナスの杖がスカイリムにあるという情報を持っていて、敵を出し抜くためにここに探りを入れに来たのでしょう。

「つまり、杖の在処は誰も知らない、と」
「はい、ここの者は誰も。サイノッドはスカイリムのどこかにあると確信しているようでした。ムズルフトの遺跡について聞かれましたが、覚えているのはそれだけです」
「ムズルフトの遺跡?」
「口ぶりからすると、そこに向かうつもりだが理由は知られたくない、という感じでしたから」
 ふむ。そうなるとおそらく、目的のもの、あるいは手掛かりがそこにあると考えるのが自然ですね。次の目的はムズルフトの遺跡で決定です。

「ところで、ミラベル先生はマグナスの杖について何か知っていますか?」
「はっきりした事は分かりません。魔術師マグナス自らが作り、用いたといいます。この手の伝説を信じるかどうかは自由ですけど。確か聞いた話では、彼の力を完全に収容できる唯一の品だとか。いかにも古代のウィザードが好みそうな謂れですね」

マグナスの力を完全に収容できる…

 ミラベル先生はさして興味がないようです。私がムズルフトの遺跡に向かうと言うと、「サイノッド達がまだ残っているかもしれない。彼らが協力的であるとは思わないように」と忠告してくれました。

 ミラベル先生から聞いた話をサボス先生に報告し、ムズルフトの遺跡に向かうことを伝えました。
「そうか。気をつけていってこい」
「…サボス先生は、この一連の事件とマグナスの杖の重要性について、どう思われますか?」
「わからない。預言者が提案したならば、そこに相応の理由が何かあるはずだ。しかし、どんな関係があるというのだ?」
 サボス先生には、あの球体が『マグナスの目』であることは伝わっていません。それを伝えるとどうなるのかすら私には予測できないため、これ以上のことは言えませんが、もはや問題の中核がどこにあるのかすらよくわからなくなってきてしまいました。

知らんがな

 ダンレインの預言者は『もう手遅れだ』と言いながら、マグナスの杖について教えてくれました。そして今、確かにその手掛かりを得ることが出来ました。おそらくまだ打つ手はあるということなのでしょう。
 たとえ避けようのない厄災が待っていようとも、出来ることはしなくてはいけません。

 気になるのはアンカノの動きなのですが…今は一刻も早くマグナスの杖を手に入れなくては。

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