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≪アンジュルム「愛すべきべき Human Life」の歌詞を1行ずつ噛み締めてありがたがるスペース≫ 備忘録 #3時のスペース

2022年5月9日夜、アンジュルム「愛・魔性 / ハデにやっちゃいな! / 愛すべきべき Human Lifeフラゲ日前日に思い立って行われた私のスペースの記録(事前メモ+話しながらメモした補足+後日補足)を備忘録としてnoteに残しておきます。3時間ひとりで喋り倒したので疲れました。

内容はアンジュルム「愛すべきべきHuman Life」の歌詞(MVから書き出した)を1行ずつ読んで話す、というだけです。

#3時のスペース当時の反応 (Twitter検索に飛びます)

メモなので記号とかの使い方がイマイチで、語尾も統一されていないので、ちょいちょい手直しするかもです。内容については個人の解釈なので、ご了承ください。正解は押し付けちゃ不正解なのです!

参考:以前書いたべきべき絶賛記事


冒頭

愛すべきべき Human life お先はまっキラだ [Light up!]
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

愛す=サビ冒頭は「あ」じゃないほうがいい説(参考:L'Arc-en-Ciel「New World」のyukihiro&hyde[出典不明])を打破している?「愛・魔性」も「あ」から始まっているので、もう定説じゃないかもしれない。それかアンジュルムが「愛」という言葉を引き寄せすぎてる(褒めてる)。
べき=愛すべきが「Should Love」(義務、命令) と「Lovable」(かわいらしい)のダブルミーニングになっている。
べきべき = 耳に残る、重めな話を軽くする。特にShouldのほうは意味が重いので。繰り返しは音楽的効果も高い(参考:サカナクション「インナーワールド」)作詞全体の特徴として、何かを強要したり決めつけたりすることを嫌う作詞になっているが、この「べき」などはあえてそうすることで、印象に残す。
(繰り返すことで「Should be lovable」 = 「愛すべき(ものになる)べき」という、ダブルミーニングの意味両取りもできるようになりますね。)
Human Life = 「個体の命/人生」と「人類の存続」のダブルミーニングなので英語。どちらも同時に重要視している。また「Life」と英語にすることで「愛」と韻が踏めるようになる。
「愛」と「Life」の間に「Human」が挟まれていて、その上に「べきべき」という絶品ソースが掛かっている。「愛」か「Life」か、ではなく、どっちもいっちゃう?という話。
お先は真っ=「うちらの行く末は明るい」(スマイレージ「天真爛漫」)を参考? お先は真っ暗の予感をちゃんと認識している(参考:イーロン・マスク「日本消滅」)
・今作に登場するポジティブダジャレはいずれも言い換えが後半に来ている。前半暗い⇒後半ポジティブ変換の順番。つまり最初はちょっと怖くなりかける。
キラ = 「く」⇒「き」により口角上がる。強制笑顔。
Light up! = Spring up!(参考:堂島孝平「スプリング◇スプリンガー」)
 明度も上がり、方向としても上方向に移動。二つのUP。ここぞのUP。

なるべく多くのYes 自問していきたい And you?
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

決めつけたりすることを嫌う歌詞の真骨頂
なるべく=「なるべく」という、まちょと覚悟はしておけ(参考:さだまさし「関白宣言」)精神。決めつけたくない自分と、肯定的でありたい自分のせめぎ合い
多く=次の歌詞にも繋がる。自問のための「素材」は集めた方がいいので。
YesYesから入るアンジュルムの精神」堂島孝平が発見したアンジュルムの真髄。Very Yes!
自問=肯定から疑問視への転換・反転が凄い。「Yesを疑う」余地を残している。決めつけたくないがあらわれていますね。
堂島孝平さんは「ひねくれポジティブ野郎」
していきたい=さらに決めつけない姿勢を鮮明に。例えばひねくれてる部分を除くと、「Yesを全部見つけて集めようよ」みたいにになる。こうなると似てるけれど全く違う歌詞。Yesから入るの歌でありながら、Noの入る余地/Noから入る余地が残っている歌詞
And You? = アンジュダジャレ&問いかけ。
歌詞を知らない人からすると「なるべく~自問していきたいアンジュ!」という自己言及・自己紹介に聞こえるが、歌詞を理解すると「なるべく~自問していきたい、あなたは?」という問いかけが飛んでくる構造になっている。こちらが思案・思考することになる軽い「呪い」。
「視覚情報」と「音声情報」と「文字情報」で違う捉え方が出来る。

愛すべきべき Human life 前途は多感だ [Feel up!]
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

愛すべきべきHuman Life = 初見さんでもこの時点でこのフレーズは覚える段階。べきべきの部分の耳に残りやすさの効果。
前途は = 前途多難のダジャレ。この四字熟語で個人的には「スマイレージ2期」の加入後(私がスマヲタになった時期なので…)のことを思ってしまったが、どこに視点を指して「前途」とするかでいろいろな聴こえ方がありえる。
多感だ=冷静に考えると「多感」もポジティブな言葉とは限らない(例:「多感なお年頃で困ったわねえ」)。ここで前の「なるべく多く」が効いてくる。すなわち「多感=感じる事が多いこと」はYesから入る」ための「機会」を増やす=ポジティブ!である。この曲のダジャレはその少し前から予めこういう撒き餌が撒かれていたりする。
Feel up! = Feel upという熟語になじみはないが、「気分上々↑↑」的なことかと。FeelとLifeでLとFの音がリズムを作っている(後日談:ググったらエロい意味が出てきたww)
 

温もりだけ忘れんな Noである時も
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

ここの歌詞が1番Aメロに効いてくる前フリ。
温もり = 温もりとは、人肌の体温のことで、つまり「優しさ」と「相互コミュニケーション」のこと(身体的だけでなく精神的にも)(参考:BUMP OF CHIKEN)
だけ = この「だけ」という言い方が気になったが、考えてみると「温もり」がいざというときの最終ライン、ギリギリの時のセーフティネット、何かあった時に掴む藁、ということかと。「No」であるときはパニックになりがちで、余裕とかキャパがなくなっていがちなので、色々と落ち着いて考えられないけれど、緊急時であってもここは守りたい最後の砦っていうのが「温もり」
忘れんな = (ここだけ口調強い)(決めつけないが通奏の歌詞の中で、ここの「強さ」は刺さるものがある)
Noであるときも  =「なんでもかんでもYes」ではないことが大事。Noを表明することも想定。また、No」である(「No」にならないといけない)ときこそ、「温もり」を忘れると大惨事になる可能性。「No」を表明するときに、やり方を間違えて、意見が対立する人と断絶してしまう、みたいなケースを防ぐ。意見が異なる人とも共存していくことこそ、Human Life。「No」モードの時、人は「And You?」の精神を忘れて冷徹になりがち。
・「Noである時も温もりだけ忘れんな」の順番じゃない。「Noであるときも」を最後に持ってくることで、意識に焼き付けてくる。「No」を想定して冷静さを取り戻す。 

And you? And you? And you? And you? And you? And you?
ねえねえ
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

And You? = この「自己言及&問いかけ」のダブルミーニングはふぉ~ゆ~「Everything 4 Youでやったことがある。(Everything ふぉ~ゆ~「全部全部私だよ」というふぉ~ゆ~の宣言 & Everything for you「ファンのためにふぉ~ゆ~がすべてをささげる」) 。And You?の大発明はまぐれじゃない。ちゃんと堂島孝平自身のHuman Lifeの中から生まれている。
・しつこい繰り返しは安心感を与えるし、やっぱりめっちゃ盛り上がる。堂島さんの常套手段。堂島孝平はひねくれポジティブ繰り返しダジャレ野郎。これは悪口ではない。
 ・ねえねえ=こちらに話しかける。「And You?」を単なる「アンジュ」だと思っている人にも、「アンジュルムはこちら語り掛けているのだ」ということが分かる安心設計。オーディエンスとのコミュニケーションは竹内朱莉リーダーがライブで重視しているポイントで、これを楽曲内に取り込んだのはBIG LOVE。この設計こそ「温もり」であり、「And You?」の精神の体現。
・単に堂島孝平がアンジュルムにかわいく「ねえねえ」って言わせたかっただけの可能性もある。
・Buono!の「ソラシド」との関連性は可能性浮かんだけど、分からない。堂島孝平と津野米咲の関係性も知りたい。
・多層的だし、重い意味もあるけれど、結局この「And You?」連呼でめっちゃくっちゃ楽しくなる、ということが何よりも重要

この曲のサイクル構造について(※誰か図とか絵にしてくれ)

はじまりは「堂島孝平(ヲタクモード)がアンジュルムに元気をもらう」 (⇒「アンジュルム&ヲタクが堂島孝平(ヲタクモード)を見て楽しむ」) 

堂島孝平(音楽家モード)がアンジュルムに教えてもらったことを曲として書く」
↓ 
「それをアンジュルムが歌う
  ⇒「アンジュルムがその考え(なるべくYes等)を内面化する」
 ↓
堂島孝平(ヲタクモード)&ヲタクが喜ぶ、盛り上がる」
  ⇒「ヲタクも考えを内面化していく」
(なるべくYes、自問、有能ムーブそれぞれ等)

「アンジュルムもヲタクも成長し、べきべきは新たな代表曲となる」

未来へ(また新たにアンジュルムに元気をもらうヲタクが出てくる)  

1番

とやかくいう時代だ 正論って流行病?
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit


とやかくいう  とやかく「言われる」(被害者ポジ)じゃないことが大事。能動的ポジション。だって温もり忘れないようにしてても、つい「正論言って正解押し付けてしまう」な瞬間ってあるじゃん…という自己反省に繋がる。
時代だ=とかく何でも手に入るこの時代 全てなにをやるのも君ら次第。あとの「みんな同時代」の前フリでもある。
正論って流行病 2022年に世の中のことを歌うのに、疫病に触れないのは無理無理。しかし正面から触れても野暮ったい。ここで「流行病」を喩え側に使うことで、言論と疫病という世の問題点を一度にコンパクトに指摘。(「インパクトがコンパクトにまとまってるんだ」)
・℃-ute「わっきゃない(Z)」の「平成に生まれちゃった現代恋は変わらない」(私の大好きな歌いだしの歌詞)同様、まずは時代描写から入る技。
・①疫病の時代に触れてる
 ②「正論」や「論破」が持て囃され「温もり」忘れがちな風潮を刺してる
 ③そういうこと言っちゃうことがある自分(個人)も刺してる
 ⇒1度に3つのポイントを押さえている。多層的。1粒で3回の効き目。

正解は押しつけちゃ不正解 やりづらいでしょ 現代人
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit


正解は押しつけちゃ不正解 =「とやかくいう」と同じで「押し付けられたら」でなく、「押し付けちゃ」の能動ポジション。時代にせかされて、自分が押し付ける側に立ってしまう可能性に触れ、立場が変われば正解も変わるという自問を促す。
やりづらいでしょ =実は「やりづらい」はダイバーシティ・多様化社会に文句を言うマジョリティ・権威側の常套句でもある、そのような意見を牽制しつつ、寄り添っている。「46億年LOVE」の「わかんなくても当然ダイバーシティ」も似た構造。無意識のうちに「正論・正解を押し付けちゃう」側の人でも飲み込みやすい味付け。
現代人 = 過去と未来の間にいることを自覚。この曲の隠れテーマは「ANGERME Past, Present & Future」。
・「やりづらい」もだが、実はAメロは「非アンジュルム的」(世知辛い世の中側)ボキャブラリーで語られている。アンジュルム沼にながく居る住民は、この曲の冒頭のサビや、古くこれまでのアンジュルムヒストリー(「46億年LOVE」や和田彩花さんはじめメンバーのBIG LOVE等)に触れているので、このAメロについては「なるほど、非アンジュルムな言葉を使ってるのは、アンジュルム的話法に持っていくための前提としての社会認識の共有ね」ということがわかるはず。一方、これまでアンジュルムに触れていないひとにも届くように、馴染みある話題・ボキャブラリーで「アンジュルムという劇薬を、糖衣(クリシェ)で飲み込みやすくしている」のかもしれない。アンジュルムも(フェスなどに出るときに意識している)だが、堂島孝平としても、アンジュルムヲタク以外にも届くように意識しているのだろう。

参考(2018年に私が書いたもの):46億年LOVE」の歌詞が凄すぎる~児玉雨子にしか書けない愛がある~

ってことで自分ブンブン 大事にしたい いろんな異論もあるけど
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

ってことで=軽さ、身軽さ!その前の重い話も踏まえつつ、楽しさを演出。
自分ブンブン = 堂島印の繰り返し。Aメロの重い話(時代、病、正論、不正解など)から一転「自分」の話になってることを強調しつつ、楽しいリズムを作り出している。黄色いお空で。
大事にしたい = 「温もり」「And you」との対比。自分があってこそのYou。確固たる自分すら持ってないのに、「And You?」を安易に表面的なスキルとして使わないように牽制されている可能性さえある。
(参考:YMO「以心電信 -You've got to help youself-」)

See how the world goes round. You've got to help yourself. 
See how the world goes round. Then you'll help someone else
世界がどう動いてるか見てごらん、まず自分のやるべきことをやりましょう
世界がどう動いているか見てごらん、そしたら誰かを助けられるかもね
Yellow Magic Orchestra「以心電信 -You've got to help youself-」
簡単な和訳:私

いろんな異論もあるけど = 鮮やかなダジャレ!つい(ネタ含め)「異論は認めない(キリッ」と言ってしまうけれど、異論も認めていく姿勢。ここでも「Noであるとき」(自分にも他人にも)の余地を残している。
 

スタンス 十分貫きたい まっすぐでいたい未来
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

「いろんな異論」があるということを踏まえた歌詞。
スタンス = 「行動」や「結果」に固執するのではなく、あくまで「構え」の話。フレキシブルに。
十分貫きたい = 「絶対に貫く」でもない。このひねくれポジティブな「柔軟性」「余地残し」。「自分を大事にして、スタンス貫きたい」が堂島孝平の見るアンジュルム的生き方の核なのかもしれない。堂島孝平のアンジュルム理解の速さは異常
まっすぐでいたい未来 = ここも「いる」ではなく「いたい」な柔軟性。ところで「まっすぐ」って何だろう、自分のこと?グループのこと?社会のこと?もしかしたら全部かもしれない。「未来」については実はあまり明確な有り姿を言及していない。
「貫きたい、いたい、未来」で韻を踏んでいる(愛も、Lifeも)。多分堂島孝平さんはこういう言葉の「音」の響きにも相当拘っている。(「現代(人)」とも対応?)
 

愛すべきべき Human life お先はまっキラだ [Light up!]
なるべく多くのYes 自問していきたい And you?
愛すべきべき Human life 前途は多感だ [Feel up!]
温もりだけ忘れんな Noである時も
And you? And you? And you? And you? And you? And you?
ねえねえ!
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

冒頭サビの繰り返しだが、1番を経るとより解像度が上がる。 どうして「なるべく多くのYes自問していきたい」のかということが、「社会の在り方と自分のスタンス」の話を経ることで、より明確になっている。
「And You?」連打も、「自分ブンブン」と共鳴してより強固に。

2番

例えばテーマパークで 名も知らない人に
人は何思って手振るの君は振り返せる人?
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

例えばテーマパークで = 「例えば」と言っている時点で、これがテーマパークの話ではないことは明らか。早い話が「アイドルとヲタク」の話である。とはいえ一方で、下敷き/元ネタは実際のテーマパークの話で、アンジュルムがディズニーランドに行った時の話と思われる。
名も知らない人に = アイドルからみたヲタクのことですよね、きっと。
・人は何思って手振るの?  = これは「なぜアイドルは見知らぬヲタクの応援に感謝するのか」と「そもそもなぜヲタクはアイドルを応援するのか」という自問ですかね。つまり、アイドル側も、ヲタク側も、応援しながら、お互いに自問して、お互いに感謝しているということかと思います。「自問していきたい」を即実行しているという。驚きのスピード。
君は振り返せる人=「振り返せない人」への余地を残すおなじみの論法ですが、突き詰めていくと、結局「ヲタクとアイドル」がお互いの意図を図りながら、自分の意思を自問しながら、各々の方法(含、振り返さないこと)で非言語的コミュニケーションをとっているという光景の愛おしさを指しているのかもしれないですね。1番Aメロで触れた「正論・正解」な世の中て起こる「愛なき言語バトル」との対比にもなっているかもしれないです。つまり「手を振る≒現場でアイドルを応援する・推す」とは、「温もりのある非言語コミュニケーション(表情、音、演出など)」も大事、みたいな堂島孝平的アイドル論なのかもしれません。特に声出しNGの世の中では非言語ですよね!
あとこの部分「人」ってめっちゃ言いますよね。Human Lifeの歌なのでね。

ってことも自分次第 あれもこれも 有能ムーブもそれぞれ
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

ってことも = 相変わらず軽やか!
・自分次第 = 結局アイドル側も、ヲタク側も自分が自問していくという話に戻る。同時に「手を振らない」余地をちゃんと残している。ずっと「主張はするけれど余地を残す」をひたすらやり続けている曲。すごい。
・あれもこれも = 「も」で韻を踏んでリズムを作り出しつつ、対象範囲を拡張している。「テーマパーク」や「アイドル」の話にかぎらず、Human Lifeで起こる全ての事柄に当てはまる可能性を指摘している。自分次第(ミクロ)→あれもこれも(マクロ)に瞬時に移る、おそろしい仕掛け。
・有能ムーブもそれぞれ = 「あれもこれも自分次第」って言われて路頭に迷いそうになった人に差し伸べられた希望の光がこのフレーズ。
「有能」はファンダム側で川村文乃さんを指すときに使われていた気がするので、もしかしたらここは川村さんのことを指しつつ、アンジュルム全体のことを指しつつ、ファンダムの声も拾っているということなのかもしれない。いえ~い堂島さん見てる~?(見ないで)
また、この歌詞については先日印象的なエピソードがありましたね。先ほどの「アンジュルム&ヲタクが楽曲を内面化」の話そのものの話ではありますが、先日のツアー福岡公演の竹内さんが公演中に一時(体調不良で)不在となるアクシデントに対する、各メンバーその時の対応と、直後のブログでの対応について、ヲタクがそれらを「有能ムーブもそれぞれ」と直ちに理解していました。ヲタクとしても使い勝手のいい、ちょうどいい語彙を与えてもらったという。 
和田さんの「やるべきことをお互いしっかりしましょう」の流れも汲んでいるので、実はけっこうハイコンテクストなフレーズだが、ヲタクのみなさん理解もが早いですね。


この交差点曲がったら 誰と巡り合うかな
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

・この交差点 = アンジュルム卒業コンサートの定番見送り曲「交差点」のことである。堂島孝平はアンジュルムOG、なかでも特に室田瑞希さんと勝田里奈さん、あと和田彩花さんを応援しているさまも見て取れるので、このフレーズがあることで、この曲がアンジュルムOGのことも歌っていることがわかります。特に2019年以降の卒業が続いた時期(交差点ラッシュ)を経たアンジュルムには重要な単語でありますね。
・曲がったら = 交差点ってまっすぐいくよりも、曲がる方が「意思」が必要な気がしますね。
(まっすぐでいたい未来とも対応している?)
・誰と巡り合うかな = この部分はこれから「交差点」を歌われて卒業していく未来のアンジュルムOGことを指しているし、同時にアンジュルム自体としてこの先で出会う未来のアンジュルムメンバー(やヲタク)のことも指していますね。だってANGERME Past, Present & Futureなので。
この次のフレーズ「邂逅」とも対応

愛のまにまに Human life 邂逅(かいこう)So good [グーだ!]
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

・愛のまにまに Human life = 「まにまに」かわいい。「べきべき」と違い、繰り返しではなく「まにまに」という正式な単語。さっき言った「愛とLifeにはさまれたHuman」という話にも対応している。
・邂逅(かいこう)  前の「誰と巡り合うかな」と対応。YMO。
So good [グーだ!]  遭遇のダジャレ。つまり「アンジュルム/アンジュルムOGとして交差点を曲がった先での出会いは良いものだよ。だってアンジュルムだもん」という堂島孝平からのエールになっています。素晴らしいですね。

なるべく大きなLove 抱いていきたい And you?
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

なるべく大きなLove 抱いていきたい = ついにアンジュルムの精神的中心核「BIG LOVEが登場しました。これを歌詞に入れてきた時点で堂島孝平の本気度が分かる。またここでも「なるべく」「抱いていきたい」という余地を残している。BIG LOVE」に対してさえ、疑問の余地を残しているのが衝撃。どこかでアンジュルムと「BIG LOVE」は絶対だと思ってしまっていたかもしれない。自問が足りないですね。And you?
・「なるべく大きなLove 与えてきたい」でもない。あくまで「スタンス」の歌なので。愛し愛されて生きることは実は難しい。好きならわりと言えるけど、ギュッとしては恥ずかしいんですね。

愛のまにまに Human life 共感より共存だ [んだ!]
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

・共感より共存だ = アンジュルム的文脈では「共感詐欺」にも触れた形。ネット論争や、リアル社会でも、意見のちょっとした違いによって分断されてしまうことある。共感によって共存が阻害されてしまう。でも「Human Life」(特に人類の存続とほうの意味)では、やはり共存が先立つべきですよね。はなしでかい。
[んだ!] = この追っかけコーラスかわいいw「臥薪嘗胆」の追っかけコーラスを感じる。ニンゲン!

次世代だってリアルタイム みんな同時代
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

・次世代だってリアルタイム =アンジュルムには2期から10期までいるけれど、それらがいまのアンジュルムのリアルタイムであり、世代という区分けは重要ではないのです。「世代は広告が作り出した幻想」(©小沢健二)なのです。
・みんな同時代 = ANGERME Past, Present & Futureなので。また、例えば自分の年齢を理由に(例:オジサンだから~)アンジュルムを見ないのはもったいないよ、同じ時代にいるのだから!という堂島孝平の布教メッセージかもしれないです。未来のアンジュルムメンバーへの呼びかけにもなっていると思います。

単純 単純 単純 単純 単純 単純 明快!
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

・単純明快= 正直ここ怖かったです。突然のひねくれなしド直球ポジティブワード連呼。これまでの話見てきても分かる通り、話はちっとも単純明快じゃないのに。超複雑自問自答複雑迷える子羊ソング。でも、これを竹内朱莉さんに「単純明快!」って歌われてしまったら、きっと私は「あっ、これって実は単純明快なのかもな」ってちょっと思っちゃうな、って思ったんです。この説明できない感じがアイドルの魔法であり、それがここにあえてひねくれなしポジティブを持ってきた意味かもしれないなと思いました。早い話が「呪文」とかみたいなこと。2番のラストってどんな曲も結構思い切ったこと言える場所だったりしますし。

 落ちサビ~ラスト

ってなことで人生は大航海 ブンブンブンってスターシップ
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

・ってなことで =「ってな」が良いですよね。半テンDUBとの相性もいい。
人生は = 落ちサビ前で「Human Life」のタイトル回収!
・大航海 = アンジュルムは「海賊団」(笠原桃奈さん)なので。ちょっと「人生は大後悔」ともかかってる?歌詞は明るいだけの歌ではないので。
・ブンブンブン = 堂島印の繰り返しの楽しさ、リズムがあることに加え、「自分ブンブン」と「船が漕ぎ出す動力の音」が繋がるフレーズ。船を自分事に引き寄せる。
・ってスターシップ = スタシ!宇宙少女!宇宙船なので、この前の「大後悔」と、この後の「五里宇宙」をつなぐ言葉ですね。それと同時にアンジュルムがアイドルとして「スター」になるための船がブンブンと漕ぎだしてほしいという堂島孝平の祈りを感じました。

熱い冒険だ 手を取って 玄関開けりゃ五里宇宙
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

・熱い冒険だ 手を取って 玄関開けりゃ =実は疫病流行後のことを示唆しているんです。「熱い」は「体温管理社会」、「手を取って」は「ディスタンス」、「玄関開ければ」は「ステイホーム」な世の中の、この先の未来の希望を描いている。アフターこの世界を描いているのです。もう気づかれましたか?
・「熱い」は「温もり(だけ忘れんな)」の盛り上がったかたちかも。
五里宇宙 = スターシップを引きついで、五里霧中のポジティブダジャレ。とはいえ、冷静に考えて「玄関開けて宇宙」だったら激ヤバな状況ですよね。路頭に迷う。「前途は多感」同様、一見あぶないのですが、「宇宙」がポジティブなものとしてハロプロ/ハロヲタの中に蓄積されていることを堂島孝平は当然承知している。堂島孝平も「UNIRVANA(宇宙+涅槃)」という名前の作品も残しているわけで。
・この「日常  宇宙」へ視点が広がるのは、つんく♂イズムの真骨頂。普通はAメロからサビにかけて徐々に視点を広げて行ったりするのですが、さっきの「正論って流行病」でもそうでしたが、今回はダジャレをうまく使うことで「玄関開けりゃ五里宇宙」と1フレーズで実現してしまったという大技。インパクトがコンパクト。
・もっと言うと堂島孝平はアンジュルムの声出し現場も、握手会も未経験なのです。「手を振り返す」しかできず、「手を取って」応援はしていないのです。そのあたりを考えると味わい深いですね。 

愛すべきべき Human life お先はまっキラだ [Light up!]
なるべく多くのYes 自問していきたい And you?
愛すべきべき Human life 前途は多感だ [Feel up!]
温もりだけ忘れんな Noである時も
And you? And you? And you? And you? And you?
And you? And you? And you? And you? And you? 

ねえねえ!
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit

And You? × 10連発 = これはメンバーの声が一人ずつ増えていく仕掛け。最後になるほど繰り返しが過剰になる堂島印。準備した歌詞としても当然メンバーの数だけ配置したと思っていいと思う(違ったらゴメンw)。「スキちゃん」の感想を彷彿とさせます。今後メンバーの増減があった時にこの部分がどう変わっていくかも楽しみですね。例えば9人になった時は、ラストの1枠の「And You?」がきっとヲタクにアンジュルム全員の指が向けられます。胸熱。あるいは10人以上になった時、編曲的に伸ばすのは難しそうな気がするので、一部メンバーがペアとかになって「And You?」しそう。それも胸熱。

おわりに

とにかくMVを見ましょう。

スペース当時の反応はここ

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