「愛すべきべきHuman Life」はいいぞ ~アンジュルムと堂島孝平の相思相愛~
遂に4月29日公開になりました。アンジュルム「愛すべきべきHuman Life」(作詞作曲:堂島孝平 編曲:鈴木俊介)のMusic Videoのことです。
とりあえず話を始める前にMusic Videoを見てください。
見ました?
前回の記事(👇)では、私がライブで1度、ラジオで1番のみを聴いた限りの感想でした。本当はこの記事を修正加筆する形で、曲を聴いた感想を書きたかったのですが、やるとなると全体を再構成する必要がありそうと思い、また記事が鬼長くなる予感がしたので、思い切って分けて追記記事という形にしました。なので重複する話もでます。
※解釈などは、私個人の見解ですので、違ってても分かんなくても当然ダイバーシティの精神で、優しく温かく願います。
(誤情報などのご指摘あればTwitterやコメントにいただけるとうれしいです)
※歌詞は上記Music Videoの字幕表記より引用
まず、Music Videoを見て、曲を聴いた感想
・この曲好き。
本当に好き
・このMV好き。
本当に好き
・アンジュルムはこの曲が好き、この曲もアンジュルムが好き。
まさに相思相愛。Music Videoの楽しそうにする姿からそれが本当に伝わってくる。
・堂島孝平はアンジュルムが好き、そして堂島孝平自身この曲が好き。
でしょ、これは。
だって堂島孝平にとっても待望のアンジュルムの新曲だしね。
・堂島孝平がアンジュルムヲタクとして、ミュージシャンとして、今詰め込めるものを出し惜しみなし全部詰め込んでいる。
今後2曲目3曲目の楽曲提供はあるにしても(あるに決まっている)、「1曲目でしか出せないもの」があることを十二分に理解したうえで、ここに1点賭けして、見事に勝利した。
・これは広めなければ
Lifeを生きるすべてのHumanに開かれたこの曲を、Yesから入ってくれる過去現在未来すべてのアンジュルムヲタク(広義)と共有したい!
全体を通じて
「反復の安心」と「あえて言い切らない結論」による効果
この曲の大きな肝は「反復」であると思いました。
タイトルや歌いだしの「愛すべきべき」、サビラストの「And You? And You?」「単純単純」の反復、さらには「ねえねえ」や、「自分ブンブン」「まにまに」などの音が繰り返されるフレーズがとにかく印象的です。
反復、繰り返しは、音楽としてもノリを生み出すので、それだけで楽しくなるという効果があるだけでなく、同じものが登場するという「安心」があります。スカというジャンルを選択したのも、このあたりの効果を狙ったのかもしれません。人間、次に何がくるかわからないってわりと不安なので、「知ってるものが来る」ことの安心感っていいですよね。たすかります。
ただ、安心して終わりじゃないのが堂島孝平で、その合間合間に、なかなか不安なフレーズが挟まってきます。「正論って流行病?」「やりづらいでしょ 現代人」「いろんな異論もある」など、世の中の不安やままならなさを感じさせる言葉が挟まります。
で、ここからが堂島孝平の凄さなんですけど、通常ポップスの定石として、いったん不安を挟んだら、そこからはそれを「愛」とか「みんな」とかの力で吹き飛ばして、前向きに進んでいこう、となることが多いと思うのですが、ここでの堂島孝平(が見たアンジュルム)はじつは悩んだままで、わかりやすい着地をしていないんです。
もちろん「Yesから入るアンジュルムの精神」が楽曲の土台なので、当然Yesを志向しているのですが、そこでも「なるべく」「自問していきたい」「Noであるときも」と、「否」含め、あらゆる可能性を残しています。まあ有り体に行ってしまうと、「多様性」を実現するための入り口の話をしています。
で、これ「多様性」とかの話すると必ず出てくることなんですけど、「じゃあ全部を認めるってこと?なんでもありってこと?どうすれば?」みたいな彷徨える子羊さんの叫びを聞くことがあるのです。ただ前回の記事でも言った通り、「Yesから入る」と「なんでもかんでもYes」は違うのです。
「なんでもYes」は思考停止ですが、「Yesから入る」は肯定的視点をひとつ軸として自分の持つ指針と照らして目指すべきところを明確にする方法です。この楽曲ではそのあたり、「温もりだけ忘れんな」「大きなLove 抱いていきたい」「自分次第」という形で記されています。つまり、何を大事にしたいかは持っていないとね、という。
すなわち「広く構えておいて、一旦受け入れてみてから、その中から大事にしたいことを見極めて、進んでいこう」ということ。これを他の人のフレーズを借用して言い換えると「光で構えろ!」からの「結局はLOVEでしょ」というあたりになるでしょうか。
そして更に更に恐ろしいのが、この大事だけどなかなか大変なYesから入るアンジュルムが、「And You?」としてこちら側に問いかけられる展開。これが「愛すべきべきHuman Life」が単なる「堂島孝平がアンジュルムに提供した曲」ではない重要なポイントになっています。「宛て書き」以上のものになっている。くわしくは後述。
そしてそして更に更に更に大事なのは、これだけトリッキーで一見小難しいことをやっていながら、もうただただ楽しい!!!!ということ。これが音楽の力だと思います。色々な表現はありますが、この内容をここまで楽しくできるという音楽って本当にすごい。
色んな楽器が重なるこの編曲は聴くたびに発見があって飽きないですし、かといってこの楽曲の装飾として豪華だけど過剰にならない程度(最近はとにかく鳴らせ系のものも多いので)で、編曲のバランス感覚…さすが鈴木俊介…となりました。
また個人的に楽器で注目したのが、サビラスト「And You?」連呼パートで鳴っているベース(楽器)の音です。これまで縦横無尽に楽しいフレーズを奏でていたベースはこの「And You?」連呼パートに差し掛かると急に単純な「レ♯」(あってる?)を刻みます。私にはこれが高鳴る心臓の鼓動音のように聞こえました。この曲のBPMは165なので超きつい運動した後のドキドキと同じぐらいのテンポです。
まずこの「ドキドキ」でシンプルに高まる。そして、この「ドキドキ」という身体反応は重要だと思っていて、というのも、「ドキドキ」って嬉しい時も、怖い時も、楽しい時も、嫌なことがあるときも出る反応じゃないですか。
これって何かに似ていませんか?そう「涙」です。アンジュルムは「天使のような優しい心で、いろんな涙を流していこう」というコンセプトで命名されています。つまり「ドキドキ」も「涙」も、その身体反応は様々な理由で起きるけど、いろいろなことを経験して、良い方向に向かっていこうという、「アンジュルム」の命名由来の再解釈すらこの曲には詰まっているのではないかと思う次第です。
小まとめ
①多用される反復で「安心」
②間に挟まるフレーズで「不安」
③言い切らない結論で「暫定的着地」
④そこからボールをこちらに渡す「相互作用」
⑤すべてをちょうどよく包み盛り上げる「音楽」
堂島孝平が起こした(に起きた)奇跡とは何か
じゃあ結局、何が凄かったか、なぜこんな奇跡みたいな曲が生まれたか、ということについてはこういう風に考えています。
【堂島孝平プロデュースSIDE:これまでのDOJIMA】
・楽曲提供のプロフェッショナルな音楽家
⇒音楽的にアンジュルムを拡張させられるだけでなく、下記で気づいたことを楽曲に昇華させらる(歌詞や、ピッタリな曲調など含め)。
【堂島孝平アンジュヲタSIDE:あたらしいDOJIMA】
・アンジュルムによってヲタクの才能を顕現化させた
・アンジュルムに大事なこと(Yesから入る~等)を教えてもらった
・アンジュルムとヲタクの存在を不可分(切り分けることのできない存在)と認識(後述)
⇒堂島孝平は(ヲタクとして我を失う瞬間多々あれども)、上記のプロ視点をもってアンジュルムの凄さにより解像度高く気づくことが出来たのだろうと思います。
これらが重なり
⇒堂島孝平は「アンジュルムを表現する側(楽曲提供=これまでの堂島孝平)」と「享受する側(ヲタク=新しい堂島孝平)」に同時に立ち、「一つの楽曲の中で両立させる」ことが出来たというアンジュルムにとっても、堂島孝平にとっても、互いに奇跡のタイミング&バランスの上で成立していることだと思います。
すなわち「堂島孝平のアンジュ沼落ち語り」と「アンジュルム自身についての話」 = 堂島&アンジュ両者の「自己言及」が、うまいこと「曲」として、両者の組み合わせでしかあり得ない形でありながら、同時に人類に開かれた形で、4分の中に重なりあっている。これはもう単なる「宛て書き」を超えていますね。こういう奇跡はそうそう起きることではないです。
今回の楽曲提供はアンジュルムにとっても、堂島孝平にとっても、これまでの活動の延長線上の帰結であり、新たな始まりなのです。アンジュルムすごい。堂島孝平すごい。
従来は「音楽家」→「アイドル」→「ヲタク」であることが多かったアイドル楽曲の図式が、上記の奇跡が重なることで、「音楽家(ヲタク)」⇔「アイドル」⇔「ヲタク(含むいち音楽家)」になったのがこの曲の特異な点であり、なによりそれを「And You?」というたった2単語のフレーズで言い表しているのが凄すぎるな、と思っています。
また、タイミングという意味では、「And You?」連呼という飛び道具は何度もは使えないでしょうし、また「あの堂島孝平がアンジュ沼落ちしてついに楽曲提供」というニュースバリューも今回限りのものなので、ここは絶対に外せない、そして外さなかった。ありがとうございます。
これが冒頭で触れた「1曲目でしか出せないもの」かもしれないという意味です。いや、まぶしい。すごすぎてまぶしいこの曲。
前回の記事再考
前回の記事の見出しを再掲して振り返りつつ、ちょっと追加で思ったことを書いたりします。
歌詞は「説明/感謝状/自己紹介」再考
前回の記事で、この曲の歌詞が
①堂島孝平が気づいたアンジュルムの特徴を記した説明
②堂島孝平からアンジュルムへの感謝状
③アンジュルムによる自己紹介曲
の3層構造なのではないか、という話をしましたが、MVを見てその考えを強くする一方でした。
この点が「映像を通じて強化されている」という風にも思いました。例えばMV中に登場する蛙や魚の小道具は、メンバープロフィール(自己紹介)の補足になっています。まあカッコよく踊って、可愛く歌って、わちゃわちゃ部屋ではしゃいでいる姿が、何よりもアンジュルムの特徴であり、自己紹介なのですけれど。
例えばラストの「And You?」×10連コンボパート。1人ずつ加入順に増えていく構成になっていて、まさに「自己紹介」。今後はスマイレージ「スキちゃん」の「●●がスキちゃん」パートのように、その時のメンバー構成に応じて変化していくかもしれないですね。
また、映像では今回がデビュー曲となる平山遊季さんのWelcome Movieである一面も付加されていて、「新メンバーをウェルカムするアンジュルム」の姿を見せることで、「Yesから入るアンジュルム」を視覚的に補足していて感心しました。
更には「アンジュルムからファンへの感謝状(応援してくれてありがとう)」や「アンジュルムから堂島孝平への感謝状(こんな素敵な曲を書いてくれて)」という要素も込められているような気がしてきました。。。考えすぎかもしれませんが。
そしてはやり、この曲が「Human Life」として人類全体に開かれている「人生賛歌」であることが、この曲を内輪向けの湿っぽい感じにせず、カラっと楽しいものにしているんだな、と感じました。
「And You?」「バイリンガルダジャレ」再考
前回の記事では、堂島孝平自身の楽曲「So She, So I」(⇔相思相愛/「だから彼女、だから僕」)で生み出した「スカとバイリンガルダジャレ」の組み合わせが「愛すべきべきHuman Life」に繋がっている可能性を指摘しまた。そこからこの曲の歌詞で印象的な「And You」は「アンジュ」とのバイリンガルダジャレであることを話しました。
そして、これらが「And You!」と「And You?」のダブルミーニング的な勢いで話していましたが、やっちまったーーー!!!実際はほぼ全て「And You?」でした。わっはっは。これはホントにゴメン。
ただ、その時に話していた、「And You? ねえねえ」は「楽曲を聴いているあなた」に問いかけている・巻き込んでいるフレーズであるということは変わらないので、そこだけ忘れんな 誤記であるときも。
で!ここが結構マジで大事なところだと思うのですが、この曲って、まあわかりやすい「アンジュ」ダジャレとかもあるし、「堂島孝平のアンジュヲタクとしてのアンジュルムへの宛て書き」であることは当然間違いないのですが、この「And You?」があることで、「アンジュルムヲタク」(含む過去未来すべてのアンジュルムヲタク、含む堂島孝平本人!!)を如実に巻き込んだ楽曲になっているんですよ。
現に堂島孝平は、自身がアンジュルム沼に落ちるに際して、「アンジュルムヲタク」の存在が影響したことも語っているので、「アンジュルム」に楽曲提供する際に、「アンジュルムヲタク」にも思いを向けても不思議ではないかな、とおもうわけです。これが先に「堂島孝平アンジュヲタクSIDE」の時に触れた、堂島孝平はアンジュをヲタの不可分性(ファンダムってことかな)のはなし。
ちょっとバイリンガルダジャレからズレちゃったので最後に戻しますが、2番では「And you? ねえねえ」を「単純明快」で重ねダジャレしてくるという展開もあったり、邂逅はSo Good(⇔遭遇)という別のバイリンガルダジャレもあって、よかったです。
「ポジティブダジャレ」再考
前回の記事ではポジティブダジャレは、音的な楽しさを作り出しつつ
①明るさの中でもネガティブなものをちゃんと認識している
②表面的にはポジティブであることを貫いてる
という意味付けもあると話しました。
お先はまっキラ(⇔真っ暗)
前途は多感(⇔前途多難)
五里宇宙(⇔五里霧中)
これらのポジティブダジャレは、もちろん上記の効果をバチバチに発揮しているのですが、MVを見た感想だと上記に加えて「不安→安心」の時差効果があると思いました。さっき触れた「安心→不安→暫定着地」みたいなことですね。
それは何かというと、ダジャレ部分がフレーズの後半になること。つまり「お先はまkk…」と歌いだした時点で「えっ?真っ暗?」と一瞬不安になって、それを「キラだ~」とダジャレすることで、少し遅れて理解して「よかった~」ってなるやつ。
さっきの安心不安着地だけでなく、こういう瞬時の不安と安心と楽しさの乱高下が、この曲の「ジェットコースターみたいな楽しさ」を作る一因になっているかと思います。
MV(1:18~ごろ)佐々木莉佳子さんは「前途は…」で不安げな表情から、「多感だ」でニコニコに切り替わるので、まさにこの構造を体現していてすごいと思いました。
気になった歌詞を見ていく
だいたいもう全体として言いたいことは言えた気がするので、細かく好きだったところを話します!特に気になった歌詞!
(ほんとは一行一行触れていきたいけれど…。だって各所に色々詰まってるので)
持て囃されがちな「正論」や「論破」、またそれを押し付けることは、確かに気持ちがいいけど(「説教するってぶっちゃけ快楽」という歌詞が最近ありますね、めっちゃ良い曲です)、そこには「And You?」の精神が欠けていることを端的に「病」と指摘して、めっちゃ唸りました。「共感より共存だ」も同じ立場から出たフレーズかと思います。
また、この「流行病」は当然コロナ禍のことも意識したフレーズですが、逆に「喩え」のほうに使うセンスに脱帽です。
ヲタクみんな大好きだと思うんですけど、「アンジュルムが行くディズニーランド」やつを真っ先に思い出しました。
歌詞は一義的には「テーマパークのパレードとかの演者に手を振るのってちょっと恥ずかしいときあるよね」的なあるあるかと思います。ただ、これもさっきの「音楽家とヲタク」が入れ子になっているような話で、アンジュルムは上記のように「テーマパークで遊んで輝きを放つ存在」でありながら、「テーマパークを作り上げる側」(例えばライブ空間や2ショット写真撮影など)でもあるわけです。
これは堂島孝平(ヲタク)の自問する「なぜアイドルに手を振る(応援)するんだ」ろう、という思考であると同時に、アンジュルムとしても「なぜ手を振って(応援して)くれる?」という自問&感謝になっているような気がします。
このヲタクの自問は重いですね。ヲタクは「アイドルを応援すること」が目的化してしまって、身動きがとれなくなってしまうこともありえますし。またアイドルも「応援してくれるヲタク」の存在をどう考えるかは活動に影響する重要なポイントになるので。色々な入れ子構造が様々な効果を生んでいますね。
ある種の虚構(アイドル・テーマパーク)が自分や生活に与えてくれるものは何か、それは現実とどうかかわるのか、というのを考えてしまいます。
まあ為永幸音さんの「君は振り返せる人?」の言い方が可愛くてなんか楽しくなっちゃうんですけどね!
(といいつつ、楽しさに紛れて、それでもじわじわと自問自答は体に残る、という構造になっていて…。)
この「交差点」は明らかにアンジュルムの卒業コンサートでの定番曲「交差点」を指したものです。いわゆる「お見送り曲」。卒業するメンバーに向けて、残留するメンバーが歌う曲。
この歌詞は、現在アンジュルムのメンバーである10人が、「交差点」で送り出されて、卒業後の道を歩いていく未来を歌っていると同時に、既にアンジュルムを卒業したOG達のことも歌っています。
なんてったって、堂島孝平は「アンジュルムOG」含めてアンジュルムを応援している(例えば室田瑞希さんのFCに入って舞台を観劇したり、勝田里奈さんのお洋服を着用したり…)ので、この曲が「アンジュルムの自己紹介曲」と言いましたが、正確には「過去現在未来含めたすべてのアンジュルムの自己紹介曲」になっているということがこのワンフレーズから分かります。
「世代は幻想」とは私の敬愛する小沢健二さんの名言です。そういうことです。年代で分けることも便利ですが、どの世代も生きているのは「今」なんです。
アンジュルムは海賊なので!
海賊には真の民主主義があったと言われています。それは「多数決」で決めるでなく(多数決を民主主義だと勘違いしている人が多すぎますね)、相互に話し合い、全員が納得して、リーダーを立てて、物事をすすめていくことです。海賊船は、落ちたらお終いな海の上ですし、色々な場所から寄せ集められた文化背景の異なる人たちの集まりなので、じっくりと合意を形成することが大事だったみたいです。納得してない人が一人でもいると、その人が変な気を起こして全員が詰む可能性があるから、と言われます。なので本当に信頼している人がリーダーに選ばれるという(もしリーダーが自分勝手なことをし出したら、船員が結託してリーダーを海に放り出すことが出来るので)。
どことなくアンジュルムを彷彿とさせますね!(雑なまとめかた)
あと、アンジュルム コンサートツアー 2020春 LOCK ON!ROCK ON!のロゴも大きな帆船でした。
こちら前述の「五里霧中(⇔宇宙)」のポジティブダジャレに目が行きがちですが、それだけじゃないんですよ。
もちろん、玄関を開けなければ(=外に飛び出して挑戦しなければ)何も起きないのはその通りですが、外に飛び出すのは、やっぱり怖いことで、五里霧中のなかで何が起きるかわからない、躊躇ってしまいそうになる、という気持ちを肯定したうえで、その先には「宇宙」があるよ、と一瞬でポジティブに挑戦を肯定しています。
そもそもこの「宇宙」がポジティブという考え自体がちょっとハロプロ的という気がします。もちろん堂島さんもこれまで歌詞で「夜を飛ぶ宇宙へと急」いだり、「UNIRVANA」(宇宙+涅槃の造語)という名前のアルバムを出したりしてきたわけなので、元々「宇宙」はポジティブに使ってきたとはおもうのですが、そのうえで私はこの「宇宙」を超絶ポジティブなものとして受容することや、あと「日常と宇宙がひとっ飛びに繋がる」(玄関⇒宇宙)感覚については、堂島孝平がハロプロ沼でつんく♂や児玉雨子から受け取ったものを自身で昇華して表現しているように感じています。
また、このフレーズの重要なところは「コロナ後の世界の話」の話を、まったくそうと気付かれない形でやっていることです。
「手を取って」は「ディスタンスを取って」「接触禁止」と言われてきたこれまでの逆ですし、「玄関開ければ」は「うちで踊ろう」「ステイホーム」だったこれまでの世の中の先を描いています。
でもちょっと言われなければ見逃してしまいそうなぐらい、サラッと自然にやっていますよね。この時代をちょうどよく描くセンス。やっぱり堂島孝平って天才?
「愛すべきべきHuman Life」
この楽曲のタイトルであり歌いだしであるところの「愛すべきべきHuman Life」。おそらく堂島孝平としても、一番悩んで考えて出したフレーズかと思います。なんてったって曲の「顔」になる部分です。
これについては下記のツイートの通りだと思ってます。
このタイトルのすごいところは、他にも「Love」と「Life」が両方入っているところです。「Love」は愛、そして「Life」は「命」であり「人生」です。もう、言うまでもなく大事ですよね。この二つは相互に関係して、日々を作っていくので。だからこそ「愛のまにまに Human Life」というフレーズもあるのだと思います。「46億年LOVE」もLoveとLifeを歌った曲でした。
やっぱりLoveとLife、どっちも大事。「どっちもいっちゃう!?」
そ、れ、で、LIFE IS COMIN' BACK
おわりに
なんか振り返るとあんまりMusic Videoの映像内容に触れてないですねwww。いや、もう楽曲を飲み込むので精一杯でした…。マジで小ネタ多すぎて喜びすぎるで全然追えない。だれかまとめて。
他にも好きな所たくさんあります。特に音楽面。落ちサビでダブ・レゲエっぽくなるところとか、五里宇宙~の後のコーラスの重なり方とか、ラスサビの泣けるギターソロとか…。
こんな素晴らしい楽曲が5月11日に発売になります。是非CDも買ってみませんか?
もう買ったよという方、ありがとうございます。もう1枚いかがですか?
ここまで読んだらもう1回Music Video見たくなりますよね?そんなあなたのためにもう1回Music Videoを貼ることで締めとしたいと思います。ありがとうございました。おやすミニョク。
おまけ
その後、発売直前に歌詞についてひたすら語るやつをやったときの記事👇