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超絶怖がりの私が、初めて胃カメラと手術を受けた話【胆嚢摘出】

前回の記事では、急性膵炎になったことを書きました。
今回は膵炎がきっかけで、人生初の手術を受けたことを書き残します。

ざっくりと概要を書きますと、
急性膵炎になった原因が胆石だったことがわかり、
胆石が入っている胆嚢(たんのう)という臓器を丸々取り出す
「腹腔鏡下胆嚢摘出術」という手術を受けました。

採血の時、刺さっている注射針を見ることもできないくらいのビビりが、
未知の恐怖と闘いながら、何とか手術を乗り越えました。
手術前に受けた胃カメラの体験談も書いておきます。

手術前は不安すぎて「何か少しでも情報を」と、
同じ手術を受けた方のブログとかを、ネットで漁って読みまくっていました。

でも入院中、看護師さんからは、
体験談を読んでも緊張は緩まないから、
いつも通り、自分の好きなことをしたり、
好きな人と話したりした方が気が紛れますよと、助言されました。
なので、これから手術を受ける方は、この記事は読まないほうが良いかもしれません…。


1. 胆石が見つかってしまった

急性膵炎になった原因がわからないまま退院した後、病院に通って検査を受けました。
そしてMRI検査の結果、胆嚢に胆石が複数見つかり、
その胆石が原因で膵炎になったらしいと、担当医から説明を受けました。
タンノウ…また知らない用語が出てきたぞ…。

胆のうは、胆嚢(たんのう)と書きます。肝臓(かんぞう)で作られた胆汁(たんじゅう)を溜(た)めておくはたらきをしています。胆のうは、肝臓と十二指腸をつなぐ管の途中にあり、西洋梨(なし)のような形をしています。

胆のう|からだとくすりのはなし - 中外製薬

この胆嚢にできた石ころ(胆石)が管に詰まって、膵臓が炎症を起こしてしまったらしい。
ただ私の場合、病院に運ばれた時には
詰まっていた胆石が移動してしまい、姿を確認できなかったので
「おそらくこうだったんでしょう」といった感じで説明されました。
なぜ胆石ができるのか、はっきりとは解明されていないそうで…。
また新たなモヤモヤポイントができてしまった。
というか、人間の体内に石ってできるのか…。

そして医師からは
胆嚢を取り出さないと、また膵炎になる可能性がある、
まだ若いし「また膵炎になるかも」とビクビクしながら過ごすより、
手術で胆嚢を取り除いてしまった方が良い、
と勧められました。

急に「手術」という恐ろしいワードが飛び出して、動揺する私。
手術は嫌だ~!という気持ちを隠し切れないまま、
石だけ取り除くことはできないのかと質問したところ、
「胆嚢が残っている限りは、また胆石ができる可能性があるので、胆嚢ごと取ってしまうのが良いです」
「石だけ取り除く方法は現実的じゃないです」
「胆嚢がなくても大丈夫だし、簡単な手術ですよ」
と言われました。
なくても大丈夫なら、なぜ生まれつきあるんだ…。

その日は「受けます」とは答えられず、
ひとまず手術の簡単な説明を受けて、この世の終わりのような気持ちで帰路につきました。
帰りながら考えていたことは
「手術なんて受けたくない!怖い!嫌!」それだけでした。
お腹に小さい穴をいくつか開ける方法だっていうから、メスでバッサリ切られる訳じゃないけど、
身体の中をいじくりまわされることには変わりないし…(言い方)。
いやいやいや怖すぎる…。

でも手術を受ける以外の選択肢は思い浮かばない。
また膵炎の激痛に襲われるかもしれないと、
おびえながら生きていきたくないし、あの痛い思いも二度としたくない…。

受けるしかない!でも怖い!と
ぐるぐる考えた末、手術を受けようと決めました。

2. 最初の関門・胃カメラ

後日「手術を受けます」と担当医に伝えたら、
じゃあまず胃カメラを受けてくださいと言われ、早速新たな心配事が加わってしまいました。
胃カメラなんて受けたことないよ…痛いのかな…。

胆嚢は胃の近くにあるので、
胃に問題がないかどうか検査する必要があると、説明されました。

恐怖の胃カメラ当日、病院の受付にいくと、
リクライニングチェアが置いてある待合室に案内されて、
血圧を測ったあとに、胃の粘膜を何かする薬を一気飲みしました(あやふやですみません)。

その後に注射針のようなもので、ドロッとした麻酔を口内に入れられる。
「喉の奥まで麻酔が行くように、上を向いたまま4分間、頑張ってください」と言われたので、
鼻呼吸でフガフガ頑張りました。

4分後、麻酔を飲み込むよう指示されたので、ごくっと飲む。
この時点で喉に違和感があったので、ちゃんと麻酔が効いてることがわかりました。

立ち上がって検査室へ。
入室すると、いきなり看護師さんの服装や診察台が手術室仕様になっていて、ビビる。
台の上に寝転び、唾液垂れ流し状態になるのでエプロンをつけて、
左腕に鎮静剤を打ってもらいました
(鎮静剤あり・なしを選べたので、迷わず「あり」を選びました)。
すぐさま口をガバッと開けるための器具をくわえさせられ、カメラを入れられた模様。
入れられた瞬間は「異物が入ってきた!」とゴホッとむせてしまった。
看護師さんが背中をさすってくれる。

その後の記憶がないということは、朦朧としていたのかな…。
時間の感覚がなくなってました。
怖いから目はずっと瞑りっぱなし。

「はい終わりですー」の声で、我に返りました。
終わったときは何の痛みもなく、ただぼーっとした状態でした。

その後またリクライニングチェアに戻って、1時間くらい目を閉じてじっとしてました。
再度、血圧とかを測って、検査は終了。

お、終わった…。まずは最初の関門を突破したぞ…。

周囲をそっと観察してみると、
鎮静剤なしで受けている方が何人かいて「猛者だ…」と震えました。

3. いざ入院

胃カメラの結果は問題なく、手術前日の朝に入院。
入院初日は採血やコロナの検査、諸々の手続きで終わりました。
朝早くから病棟に入らないといけないのが憂鬱でした。

この日の自分のメモには
「今は普通だけど、明日の手術後はどうなっているのか怖い。
手術台に上がるときが一番怖いだろうな。
とにかく無事に無事に無事に終わりますように、お願いします」
と書かれてました。
刑の執行を待つ死刑囚のような気分です。

あとは「傷跡のない、ツルツルのお腹とはこれでお別れなんだ…」と、
自分の腹をなでなでして過ごしました。

4. 運命の手術当日

とうとう手術日。
朝の回診にきた看護師さんに「ガチガチに緊張してますね。笑」と言われてしまいました。
本当に、この日を迎えたくなかった…。

看護師さん「術前のこの時間が一番嫌だと思うけど…」
「大人でも怖くて泣く方もいるし、我慢しなくて大丈夫」
と色々お話してくれて、ありがたかったです。

手術はお昼12時からと聞かされていて、それまでやることがなかったので、
推しの動画を観まくって、何とか気を紛らわせようと努力する。
今朝から飲食禁止になっているので、食べ物・飲み物での気晴らしはできず。
不安すぎて、ひと眠りすることもできず。

その間、看護師さんに、おへそをきれいにしてもらいました。
確かオリーブ油を塗って、綿棒でクリクリッとしてました。

そうこうしているうちに12時になってしまった!
でも12時を過ぎても、13時・14時になっても全く呼ばれない…。
え…これいつ呼ばれるの…?もしかして私、忘れられてる…?

どうやら前の人の手術が長引いているらしい。
何だこの生殺しの状況は…やるなら早くやっちまってください…。
この待ち時間が一番苦痛でした。

15時になってようやく、トイレに行って着替えてくださいと声がかかる。
やっと呼ばれた…という気持ちと、ああ呼ばれてしまった…という気持ちが入り混じって、複雑な心境。
手術用のパンツと服に着替えて、ストッキングを履く。
給食当番みたいな帽子を看護師さんに被せてもらうと、
「あぁ、いよいよなんだ」と、緊張と恐怖で泣けてきました。

手術室に向かう途中、
立ち会いにきてくれた母の顔を見たら、一気に涙があふれて困りました。
いい大人なのに情けない…。
看護師さんがそっとティッシュを渡してくれる。
母とは手術室の前でお別れ。
入室すると他の看護師さんたちが待っていて、名前などを確認しました。

手術室はドラマとかで見る通りの雰囲気でした。
意外と広くがらんとしていて、手術台の周りには大きなライトが置かれている。
恐怖が最高潮に達しました。

グジグジ泣きながら手術台によじ登ります。
まず横向きになって、膝を顔にぐっと近づけて胎児のように丸まり、
背中に痛み止めの麻酔を打ってもらう。
緊張もあってか、採血の時より痛みを感じました。
「これは痛くならないための痛みなんだ」と、ぐっと耐える。

次は仰向けになって、眠るための麻酔を点滴に入れてもらう。
麻酔が入ってきた感覚はほぼなく、15秒くらいで意識がなくなりました。
「効くまで待ちますね」と看護師さんが話していた記憶が最後です。

手術中のことは想像したくない…

4. 目が覚めると手術は終わっていた

次に目覚めたときは、回復室のベッドの上でした。
噂に聞いていた尿道カテーテル(おしっこが勝手に出ていく管)が刺さっていて、違和感は少しあるけど、痛みはなかった。

担当医が「終わりましたよーこれが石ですよーって、見えないかー笑」
と話しかけているのが、遠くから聞こえてくる。
口には酸素マスクがつけられているし、
全く頭が働かず、状況は把握できないしで、ぼんやりしてました。
母がそばに来て、頑張ったと頭をなでてくれたので
「きてくれてありがとう」と、回らない舌を駆使して何とか伝える。

覚醒した後、お腹の傷口がキリキリと痛みはじめました。
「痛みは我慢しないで」と事前に聞いていたので、看護師さんに訴えると、
背中の管から痛み止めを入れられる。
時間はかかったけど、効き始めたら楽になったので、
「あ~ありがとう痛み止め…」と思った。この日だけは。

翌日の朝、突然気持ちが悪くなり、
レントゲンをとるために少し身体を動かしたら、我慢できずゲーゲー吐いてしまう。
この気持ち悪さは夜まで続き、
上体を起こした方がお腹が動き出すから、頑張って起き上がるけれど、
クラクラしてすぐ横になる…というのを繰り返してました。
痛み止めの副作用だったらしいです。
手のひら返しで「痛み止めコノヤロー!」となる。

歩くこともできなかったので、
ベッドに寝転んだ状態のまま、回復室から元の病室に移される(手がかかる子でごめんなさい)。

昼食は一口も食べられず。
夜はおかゆと、おかずを少し食べることができました。
食事をしたら、少し元気になった気がした。

きっと寝不足なのもあるんだと、
20時には電気を消して、とっとと寝てしまいました。

5. ようやく退院

その後は少しずつ回復し、
まず背中に刺さっていた管・針と、カテーテルが外されました。
カテーテルを外す時の感覚が気持ち悪かった…。
そして点滴の針も抜いてもらい、完全に自由の身になる。

傷口はまだ変な感じだし、
咳き込んだり、くしゃみをしたりするたびに、痛っ!となってしまう…。

ようやく歩けるようになったものの、
お腹を守るために、どうしても前かがみになってしまうので、
お年寄りみたいな歩き方になってました。

全然進まない歩き方

傷口が痛々しくて、
シャワーを浴びれるようになっても、しばらくお腹は直視できず。

そして手術から4日後、何とか退院できたのでした。

取り出した胆石は「記念に」と渡してもらいましたが、
いやこんな記念品いらんわ!と、持ち帰った後に捨ててしまいました。
胆石、どれくらいの大きさだったんだろうと見てみたら、
小さいビーズくらいしかありませんでした。
こんなちっちゃいのが詰まって、あの激痛を引き起こしたのか…。

6. 結論:手術は二度としたくない

以上が去年の話。
今はというと、傷跡はだいぶ薄くなってきました。
痛みはありません。
むしろ麻酔を刺した背中の方が、しばらく違和感があって気持ち悪かった。

胆嚢を取り除いても、私の日常生活は何も変わりませんでした。
術前は脂っこいものや甘いものは控えて下さいと言われていたけど、
術後、食事制限はなくなったし。

ともあれ、無事に終わって本当に良かったです。
よく生きて帰ってきた(大げさ)。

そして軽い手術と聞いていたけど、私にとっては軽くも何ともありませんでした。
普通に怖かったし、痛い思いもした。
もう二度と手術はしたくないです。

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