ろま

静かな店で今宵も交わされる、とりとめもない会話。くだらない愚痴もあれば経営の相談、親子…

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静かな店で今宵も交わされる、とりとめもない会話。くだらない愚痴もあれば経営の相談、親子の歪み、生死の事…経営を始めてもうすぐ20年の店主が思い出したエピソードを綴っていきます。

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秋の月は美しい。冷たく薄い空気のベールが一層引き立てて魅せるのだろうか…なんて柄にもないコトを思いながらバーボンを喉の奥まで流し込んでいた時、そのお客様はフラッと入店された。パキッとしたスーツ、手には何種類もの書類が入り厚くなった封筒。『すみません、1番高いボトルを出してください。』と。初めてのご来店のため『ショットもございますが如何なさいますか?』と尋ねる。疲労を顔にはりつけたまま口元に笑みを浮かべて一言『ボトルを』少し間を置いて『これが最後なので。』 スコッチの封を切りカ

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