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ゆめうつつ

はらはらと
細い指のあいだを
すりぬけてゆく
音がおどる
そして流れゆく時
先端が響くのか
カラカラと揺れる
かすかな気配をたどっては
朝の光のしぶきに目をそらし
そして
夕風はなきごえのように
ひゅるひゅると鳴いて
誰もたどりつかなかった夢世界へ
すべてをいざなう
答えはただひとつではないと
誰かが信じたのかもしれない
朝は空を見上げた
そして
夜は床に就こう
何気なく目に映った天井の歪んだ木目が
未来への入口だと子どもたちは知っている
気づいている
小さな寝音を立てながら眠りに落ちる母よ
あなたはどこへゆく
ゆらりゆらり
心地よく
そして私も
こくりこくり
ゆめうつつ



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