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HOT FUZZ🇬🇧俺たちスーパーポリスメン!

ロンドン警視庁のスーパー警官エンジェル巡査は、その高すぎる検挙率から組織内で妬まれ、田舎の村サンドフォートへ左遷される。署長の息子のダニーと相棒を組まされるエンジェルだが、のどかな田舎の生活になじめない。しかし平穏なはずの村に、次々と残虐な殺人事件が起きる。捜査に張り切るエンジェルだが、村人も警察の仲間も、みな事件を「事故」として片付けようとする。この村にはある秘密が隠されていた!

子どものような表情で何事にも一生懸命手を抜かないエンジェル巡査。「融通のきかない堅物」と揶揄されているけれど、仕事をしてくれて有難いとか働き者がいてラッキーとは思わないのかな?そこは同僚とか身近な上下関係とかで考えると複雑という設定で左遷される。
左遷先か前の職場だったか忘れたが、エンジェルが関わったことを大袈裟にミスとして取り上げられ、更衣室のロッカーの持ち物に「まぬけ」と翻訳された意味の落書きをされて周りがクスクス笑っている場面があった。落書きされたのは制服の帽子でそのままエンジェルは被ったんだったかな…自分の持ち物に落書きされるのはかなり迷惑だし低レベルなイタズラだけど、そのときエンジェルは子どものように騒いだりはしなかった。
雰囲気としては面白いけれど、エンジェルの性質を描く場面として、彼は一瞬ムッとしたような表情をするけれど思慮深いような複雑な感覚も併せ持ち、それ以上は大事にせず自分のやるべき仕事に意識を向けるという印象を受けた。こういう揶揄いをして愉しむ連中に対しては感情的にならないことが効果的だということを表しているようで、エンジェルは単に融通のきかない人物ではなく賢い人だと私は感じた。

左遷された村では、署長の息子ダニーの元々の性質なのか、何か隠しているのか気になるような歯切れの悪い対応に注視して私は見続けた。
私は不健康そうに見える人が嗜好品ばかり食べているのを見るのが苦手なのだが、ダニーは結構そのようなタイプで描かれていた。
機敏な反応をする業務に差し支えがあると思ったけれど、それが許されたのがこの村だった。何より警察署長の息子だし。
おそらくダニーが産まれる前から村の団結力や方向性は決まっていて、ダニーもそれに甘んじてきたようだが、世の中的に当然だとは思っていなかったようで、エンジェルが来てから少しずつ変わっていったのかもしれない。
エンジェルもダニーとの出会いで少し寛容な雰囲気がでてきて、取り締まるべき時の突撃スタイルとパトロール時の平和な雰囲気との緩急は楽しめた。
ストーリーとして、最後まですごくすごく面白いという訳ではなかったので、各自展開が気になるところまで、興味をひかれるところや面白いと感じるところまで観るのがオススメ。でも、古い思い込みと結束だけは強い集団をこてんぱんにするところが私は創作として好き!!(私は基本的に1度しか作品を観ないので見落としが沢山あると思う。いろんな方の感想を見ていたら『銃撃戦など血が流れたりグロテスクだった』というものもあった。)
猪突猛進の人と私は友達にはなれなそうだけど、街にこういう警官がいたら安心して暮らせるだろうと感じた作品だった。


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