見出し画像

#24 蚊取り線香 #かつて真っ直ぐだった。by Shanxi's story.

#蚊取り線香 #かつて真っ直ぐだった 。#byShanxi's story.#24.

お馴染みの夏の定番。

蚊取り線香。

この渦巻き形が定着するまでに色々な歴史がある。

物語。『蚊とお爺さんのカコ』

昔、昔、その又、昔。
お爺さんは山へ柴刈りに。

蚊は、しつっこい。

彼らも真剣である。

子孫を残さねば成らないと言う天からの使命の下。

特に、メスの蚊が人や動物の髙たんぱく質を狙う。

眼の大きな、頭の『三角』をした蚊。

蚊は、藪の中や竹藪に暮らしている。

雨水を吸ったりして生きているのです。

『毎日、こればかりではこの暑い夏。力が出ないわ。』

『お前、力が出ないって、どうするよ?』

『今、天のご主人様に願ったから、その内、何とか成るわよ!』

同じ三角頭のあの『カマキリ』は子孫を残すために、主君は雌君に食べられるそうだ。

主人として自分の身を呈して、妻に仕えるのだ。

全ては、大君の使令のため。

とは言え、雄の蚊は、その話を風の便りに聴くと、なぜか体がブルブルと震えた。

だからと言って、別に、風邪を引いたわけではありません。

所謂、身震いをしたのです。

怖いのです。

伴侶への愛があれば、勇気を持って前へ、前へと物事を進められるのですが。

雄の蚊は、妻の真意を確かめる為に、再び訊ねてこう言った。

『お前。どうするよ?』

『何度も、何度も、この人は煩いわね~。その内、分かるわよ。』

夫は、益々、その言葉に震えた。

その先を、想像すると末恐ろしい光景が頭に浮かんだからである。

心の中では余りにも恐ろしさの為に

『ギャー!』と叫びたいほどであった。

まさに、バーチャル・リアリティー。

夫の頭の中は、イマジネーションの世界に我が身をおいているのである。

そこでは、孤独と刹那さの風が容赦なく吹き抜けていた。

そうこうしていると、足音が聴こえた。

『あんた。静かにおし。誰か来たよ。』

『誰かって、誰?』

『見ていれば分かるわよ。』

そこへ、よいしょ、よいしょ、と掛け声と共に坂道を登って来たのは

一人のお爺さん。

つまり、髙たんぱく質の持ち主、人間です。

お爺さんは、平らな処まで来ると、どっこらしょ。

すると、地面に座り込みました。

すこし、休むためです。

坂道を登って息が切れたのです。

蚊の奥さまは、言いました。

『行って来るわよ。』

『行くって、どこへ?』

すると、雌の蚊はそのお爺さんの座っている場所を目掛けて飛んでいきました。

今がチャンスなのです。

雄の蚊は、只ボーッとして妻を見守ります。

プーン。(よく『蚊の鳴くような小さな声』と言う話がありますが、あれは間違いです。蚊は鳴きません。あれは、羽音です。)

お爺さんの肩に留まりました。

まず、第一段階は『着陸成功!』です。

奥さまは旦那の蚊に微笑んで、ピースサインを送りました。

処が、雄の蚊は眼が悪くて、おまけに遠いのでそれが良く見えません。

これでは『見守る』ことにはなりませんよね。

奥さまの蚊は、お爺さんの肩から首筋に静かに身を動かしました。

お爺さんは、そうとは知らず何やら袋から何かを取り出しています。

それは『蚊粉』と言って、今現代の『蚊取り線香』の元となる道具です。

それは、当時、腰に着ける大きな物でした。

ヨモギが大きくなり種子を着けて枯れていくと、それを集めて藁で覆いを作り、その中にヨモギの枯れた種子付きの植物を入れて外側を幾つかの段階で縛ります。

そこへ、火を着けてそれが自ら燃え始めると、その火を振って消します。

すると、後は自然に煙を出してそれが自ずと燃えているのです。

これが今で言う『蚊取り線香』の大元だったのです。

全て、天然自然成分です。

蚊の奥さまは、その『カコ』と言うヨモギから作った蚊取りの煙の中に『除虫菊成分』が入っているので、

それが鼻に着いて臭くて堪らなくなり、そのお爺さんの元から逃げ去りました。

『お前、フラフラしてどうしたよ?』

『どうしたって、今にも死にそうなのよ。ゴホン、ゴホン。ゲボ、ゲボ。』

『お前、大丈夫か?』

『あれは何なのよ?』

『ワシには分からんよ。』

『人間の新しい飛び道具かも。』

『あの煙を吸ってしまったなら、きっと死ぬことになるわ。』

そう言うわけで、自然界のヨモギから作られた蚊取り線香替りの人間の飛び道具は、後の時代に更に改良されました。

その『カコ』では燃えている最中、終わり頃に近づくと燃えている火が大きくなり、腰に着けたその持ち主自身がやけどをする事があったからです。

腰当たりが焼けていて、まるで話違いですが、『カチカチ山』と同じに成ります。

こうして、『蚊取り線香』の現代版の一号が出来ました。

ヨモギの除虫菊成分から取られた物を他の燃えやすい物『線香』の成分と混ぜて、現代版『蚊取り線香』が出来たのです。

しかし、それは1本の真っ直ぐな棒状の蚊取り線香でした。

これでは、直ぐに燃え尽きてしまう。

何かもっと良い案は無いもんだろうか?

そして、更に、改良が成されました。

もっと、燃焼時間を長く延ばす為にはどうしたら良いだろう?

そこで思い付いたのが、『渦巻き式』の今現在の蚊取り線香です。

インピレスと言う成分が殺虫剤として効くのです。

その後、更に健康に有害と成らない成分を元とする蚊取り線香が開発されました。

外にいる大切な飼い犬のためにも、体に良い外用蚊取り線香が開発されて来ました。

その他にも、蚊取り線香特有のあの臭いが嫌だと言う人の為に、ハーブの香りの爽やかな蚊取り線香まで色々と開発が成されました。

このようにして『蚊取り線香』には歴史があるのです。

ご存じでしたか?
ここで、『蚊のミニ知識』です。

雌の蚊は、何故、人を刺すのでしょう?

それは、先に述べたように産卵の為には髙たんぱく質を必要としている雌の蚊が刺すのです。

加えて、説によると、

・蚊に刺されにくい人、刺され易い人とがおられます。

・凄く腫れる人と、さほど腫れず、刺されても痒くない人もおられます。

・直ぐに刺され易い人は、

体温が他の人より高い傾向があれば、

体温が低い人より先に刺されます。

・健康な人の体から発する臭いと、病気がちな人の発する臭いとは蚊によれば違いがあるそうです。

・汗の臭いも関係しているようです。

勿論、

・人から人へ刺して廻る蚊も健康上、要注意です。

・動物にも留まり刺して血を吸う蚊が今度は、人に留まり刺すことも要注意です。

蚊と外国事情。

外国に行かれる必要のある方は、行く外国先の健康・保険・医療関係のことを予め調べ、何度かに分けて予防摂取を受ける必要が政府機関から出されています。

デング熱、マラリア、その他、空気感染するはしか等、日本とは事情が違うことを銘記して置きましょう。

互いに、『病気を持ち込まない・持ち出さない・持ち入れない』の心構えが大切となる今日事情です。

©️#蚊取り線香は昔、真っ直ぐな棒状だった。
#蚊取り線香の歴史 #昔話 。#蚊とお爺さんの『カコ』。#開発秘話。#棒状から渦巻き形へ。

Photo/Story/Shanxi's story.27 July 2019.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?