見出し画像

食べ塾:飲食店は、半分を食品加工所に することで新たな活路が開けます!

写真:大分市中央町(竹町)えび蔵の海老ラーメン950円税込(ライス付)
   スープにオマールエビの旨味がたっぷり入った平麺タイプ!極味

  これからの令和の時代の、大きな価値の転換が起こる時代の飲食店は
「今までの飲食店のまま」では半数のお店も生存できないかと思います。

飲食店は基本的に、調理技術を有しそれを行う人材を確保しています。
今ここで飲食店としての機能を維持しながら、その力を活用することで、
食品加工を自店内で行い、画期的な収支改革が行われる可能性が
出てきていることを報告します。

飲食店は1昨年対比おおむね50%ラインですが、
食品加工業は 1昨年対比120%以上の実績 を出しています。

■食品加工業の未来は明るい!

1、最低限度の手間だけで食事ができる食品ニーズがもっと高まります

  これから先の令和の時代は、
「生活維持に要する手間や時間の省力化」がもっと進むと思います。

いまスーパーの魚や肉などは、調理用の1次加工食材を多くのスペースを
使って販売していますが、
食材を2次加工でなくて、さらに2.5次加工させた食品、であり、
より完成度が高い「ひと手間で完成料理」になるものに順次置き換わる
と考えています。

2、初期の食品加工業は「仕込調理作業」と同レベルです

  生産規模に応じて販売先を拡大すればよいと思います。
以下に段階と販売先イメージを記載しておきます。

初期→小規模個店規模<個人客への直接販売段階>
 ・自店(飲食店)を利用してくれる固定客中心のお客様に販売
 ・すべての営業時間中・アイドルタイム中に近隣の方に販売
 ・商品規模はヒトケタ以内。継続生産と改善が必要。
  *卸価格販売をしていないので利益率は一番良い状態です

中期以降→中規模<別途に単独加工所設置/自店を食品加工所に転換>
 ・直売所を設けて地域の個人客に販売を継続
 ・加工所の認可を受けて「卸」販売ができる、通信販売ができる
  ように販路を広げる準備をする。(*各保健所の認可が必要)
 ・地域の食品販売スーパーと連携、冷凍食品卸業者と連携できる

  *卸販売も時として必要ですが、基本は、「自店→個人」の
   直接販売で顧客と直接つながることです。
   利益も卸の時よりも2倍あると思ってください。

 この段階の中でも1年ごとに生産規模に応じた販路を開拓する。
*大規模になると、設備投資、人員の確保、輸送費のコスト、
 食品開発の的確性などがあり手を出さない方が良いと考えます。

■惣菜(おかず)だけでなく、ひと手間で食べられる「ほぼ出来上がり料理」(2.5次加工料理)が今から
 もっと売れると予測してます!

 気持ちとしては、
 完成した料理を温めて食べるのではなく、
 90%できた料理に10%の最終加熱の手間をかけて
 よりおいしく作り上げるという考えです!!


1、惣菜のメリットとデメリット

  料理の完成品ですから温めて食べるだけです。
食べる人が作り手でないから、味付けをいじることはあまりしません。
食べる人によって、口に合う合わないが生じます。
時間と共に味わいや鮮度の劣化が始まります。

2、ひと手間完成料理(プレ料理)のメリット

  しかし、揚げる・焼く・炒める・レンチンするなどのひと手間加熱で
食べられる料理は、加熱前に、チリペッパーを加えたり、パルメザンチーズを振りかけたりプチ加工が可能です。
そして何よりも

「出来上がっていて温めた料理でなく、仕上がり直後の出来立て料理」
を食べられることです。美味しいと感じます。大きな喜びです。

■小規模1次加工の世界

*1次加工~単一食材の洗浄・殺菌・カットなどの加工を言います

  実際に身の回りにある1次加工業の一例です。
①鶏肉のモモ肉の「唐揚げカット」をする
②鶏肉のムネ肉の「鶏の天ぷらカット」をする
③ハマチ1尾を3枚卸にする
④野菜のプレカット(これは野菜の浸漬水槽が必要です)
⑤業務卸用のたまねぎの皮むきも広く見れば1次加工ですね

主に食材生産者・食材卸会社との業務提携が行われています。
自社でできないところは、加工を引き受けてくれるところを
探しています。

■小規模2次加工の世界

  2次加工~メインの食材に食品原料を加えて「加工食品」に変える
ことを2次加工と言います。
例えば、小麦粉からうどん麺を作る作業です。
スーパーに多くある「食材コーナーの商品群」がこの加工品です。



■小規模2.5次加工の世界<ご提案したい世界>

自店で評判の良い手羽元の唐揚げ
 揚げるだけ(又はノンフライ)で食べられる

自店で評判の良い自家製コロッケ
 冷蔵・冷凍(揚げる)、ノンフライ加工をする(オーブントースター)
 1個売り・3個パック・5個パック

自店で評判の良い自家製ぎょうざ
 
冷蔵・冷凍(焼く・煮る・揚げる・蒸す) 10個パック・20個パック

自店で機械で打っている自家製うどん麺
 
生麺・半生麺・半ボイル麺・ゆで麺 
 1個売り、3個パック売り・5個パック売り

以上のような例があります。
必要に応じて、付け合わせの具材・スープ、タレ、ソース等を
セットにして不都合なく美味しくいただける工夫が必要と思います。


■小規模3次加工の世界

 これは、惣菜や弁当など「料理の完成品」まで行う加工です。

<これからの惣菜の考え方のヒント>

1、「1名様用パック」を多く開発する
  1世帯人数の減少と共に高齢女性の増加、単身生活者の増加に
  対応した対策が必要です。(2人前パックより20%割高設定でOK)

2、客層に合わせた食材をメインにした惣菜開発をする
 ●高齢者  季節感のある野菜料理がお好み、あっさりした優しい味わい
       を好む傾向がある

 ●女性   優しい口当たりで、小さめ、柔らかめ、短めが好まれる
       好きな食材は、野菜、卵、チーズ、トマトなど
       多種類の食材を使った複合的な料理がお好み

 ●男性   やや強い味わい、最近は生活習慣病を気にする傾向が強い
      ボリューミーで価格が手ごろ、割合単純な料理が好み

3、惣菜の販売価格は1パック100円から価格ゾーンを設定する
  
一番下の販売価格がいくら売りからかで人気度が変わります。

4、タイムセールで18時から半額にはしない
  どこを見ても同じ時間に同じ人が常連さんで買いに来ます。
ということは、半額で買う人は、いつも原価率100%のものしか買わない
分けですので、この層がいる限りこのお店の「惣菜原価率が下がらない」

ということになり、最悪は、
「設定原価率よりも6~10%食材+包材の合計原価率が上昇する」
という儲からないスパイラルに陥ることです。



これからの事業の強化のヒントになれば幸いです。

これからの飲食店経営も、

★変えずに固執するところ
★積極的に変えて時代対応、ニーズ対応で変化させてゆくところ

仕分けして無駄なく進むことが必要と考えます。

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします