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たべ塾:居抜店舗は安く上がるが、イメージチェンジをしないと成功しない!

■よくある”同じ業態・同じレイアウト”で新規開業!
 は、本当は常連客が増えない仕組みです!

これは、あなたが始める勝負のお店の前に、何年間か知らない誰かが希望をもって開店して、何らかの理由で閉店した飲食店の「残骸」が居抜き店舗です。
前のお店の開店~閉店までの一部始終を地元の人は覚えています。
半分以上はイメージチェンジできないと、新たなイメージにはなりにくい
ということを知っておいてください。

ラーメン店や居酒屋、焼肉店などは、経営者も変わり、店名も変わりますが、同じようなお店が再現されるのを多く見かけます。

<不動産業者等の交渉のコツ>
不動産業者は、例えばさほど良くない物件でも「美人です=良い物件」と嘘をついて実績を上げてこそテナント持ち主から評価される商売です。

◎前のお店は何年営業していましたか?
◎どんな業種・業態だったのですか?
◎どんな評判だったのですか?
◎なんで辞められたのですか?
・・・これは差しさわりがある理由は当然濁しますし、あまり知らない場合もあります。

 *例えば、隣が喫茶店や食堂でしたら、
一度食事に行ってお客としてそれとなく、借りる意向は伏せて、
聞いてみましょう。
業者さんの説明とは違う本当の閉店理由や事情が聴ける場合もあります。

店内レイアウトもあまり変えず、同じ商品を売るお店の場合は、
最低1年間以上は経営して信用をつけないと、地元のお客は増えません。

このことを知っておくと、

短期で売上アップを図るならば、
類似業態の場合は店内イメージの50%以上の変更、
以前の商品と違うものを売るお店 にする

ことが「以前のお店の残像を消して」影響されることなく、
新規の売上確保ができることに気が付いていただけると思います。

■居抜き飲食店舗のメリット

1、設備投資が抑えられる
キッチンやトイレなどの内装工事費が圧縮できます。床廻りなどの既存設備が利用できる分、コストが下げられます。
例えば、

◎キッチンに冷蔵庫や製氷機がある。
◎それなりに調理器具も食器もそろっている。

◎排煙設備などもきちんとそろっている。


何よりも貴重なのは、キッチンの水回りなどの給排水設備やトイレが既設で
ついていることです。
トイレの新設でしたら1か所100万円かかりますが、和式の便器を洋式に変える工事でしたら、30万円前後でできると思います。

2、内装工事費が抑えられる

居抜きの場合は、壁紙だけ貼りなおして新規開業というわけにはゆきませんが、床や壁・天井などの「基礎工事部分」は支障が無ければ利用することができます。
当然それにかかる費用も節約でき、工期も短縮できます。


3、周囲の店舗や家屋が飲食店営業になじんでいる

飲食店は、排煙=煙を出します。(窓やべランド方向は苦情の元)
汚水を排水します。浄化槽又は下水道が必要です。
人の出入りやBGM(店内音楽)で声や音が出ます。
郊外店でしたら、夜間の車の騒音が出ます。

何かを発しながら出ないと営業できませんので、
やはり周囲とのトラブルが無いに越したことはありません。

4、(家主さんにとって)賃借先が決まりやすい

やはり開業費が安くて済むので、同じ飲食業のお店に貸す場合は、
居抜きが一番、埋まりやすいと思います。

居抜き物件は良い物件ほど1週間を待たずして借主が出てくる例が
多いと思います。

5、(店を出る人にとって)退店前に決まれば原状回復や補修の必要もなく
  敷金がまるまる返ってくる一番良い条件で退去できます。

数年に1度聞く話が、

1円で店舗譲渡という話を聞きます。
これは、退去でかかる総費用が1000万円となった場合に、

退去する側がその費用をゼロ設定にするために、肩代わり先を早期で見つける時に取る手段です。店舗が広く、機材も使えるけれどもそこそこ古い場合には、有効な手段です。

■居抜き店舗のデメリット

1、店舗イメージを50%は変えないと新規店に感じてくれない
  お金が無いからと、最小限度の改装をして開業した場合は、

  ◎前と同じ雰囲気の色調にしない
  ◎前と同じメニューや価格にしない
  ◎前の店が浸かっていた食器は使わない(メインの食器は特に)

  何らかの理由で閉店したお店を彷彿とさせるお店は、地元客にとって
  新規店度が最低のお店であり、感動も何もありません。

2、厨房設備や空調設備は安価に手に入りますが、故障などの修繕費
  や買い替えなどの予算外経費が必要になる場合もあります

居抜きで手に入れたお店の宿命みたいなものですが、突然製氷機が壊れたり、真夏に天井のエアコンが壊れたりとかは、結構あったりします。

特に、食洗器、冷凍冷蔵庫、バキュームシーラー、エアコン、製氷機などが
要注意機器です。

3,10年以上経過した店舗は、店舗レイアウトそのものが古いタイプの
  店舗構造だったりします


お金はかかりますが、壁や天井などの造作の変更が必要になります。

4,給排水管や電気配線などの図面がなかったり、水道管が古くて半分は
  詰まっていたりします。

●古いビルのテナントでは、赤さびの水が出ることが多々あります。

●居抜きの焼肉店の場合は、ロースターの通し使用年数があいまいなため、
 火災になりやすい場合があります。

*焼肉店のロースターの排煙のパイプは、10年以上経過したものは特に危険(*4軒ほど知り合いのお店で発生して2軒は店舗消失)

肉の油と炭の粉塵ががちがちに固まっていたり、折れ曲がった場所にボール
何倍分ものどろどろの油がたまっていたりしますので、店舗火災の原因に
なります。


限られた予算内で開業することは特に大切です。
お金をかければかけるほど、採算をとるための「売上ノルマ」は上がると
思ってください。


(了)

 

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします