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食べ塾:誰も教えてくれないメニュー表のすべての考え方・やり方・ノウハウを全面公開します!

  飲食店にとって、メニューブック(メニューページが数枚入ったもの)は、お店とお客様を結ぶ、大切な赤い糸になります。

お店側は「当店のおすすめメニュー」をより多くご注文していただきたいと考えますし、
お客様は、自分の食べたいメニューがどこのページにあって、いくらの価格かを知りたいと思ってページを繰ります。


■メニューの目的別の種類はどれくらいあるのか?

  メニューの種類は目的別に下記のような種類がいろいろあります。
目的はただひとつ!
「お客様のご来店を増やしたり、より多くのご注文をしてもらって
 →月商を少しでも多く引き上げる!」

為です。

<目的別の種類>

グランドメニュー(昼夜共通で使われるメニュー)
 レストランでいうところのディナーメニューがこれです。
 言い換えると、「通年(1年間)昼夜変わらず提供するメニュー」
 と思ってください。

 *ランチメニューにはこの中からピックアップされた、
  「人気」「お得」「おいしい」「比較的調理が簡単」なメニュー
  が選ばれています。

ランチメニュー(ランチタイムのみの提供です)
 ランチタイム(多くは11:00~15:00位)に提供する
 比較的安価でお腹いっぱいになるメニューを集めたメニューです。

 ・グランドメニューのセットを少し簡便に変えて価格も手ごろなもの
 ・次期メニュー候補でお試しデビューさせるもの
 ・グランドメニューの中から選ばれたもの
 ・ランチ限定で常備ある食材で料理にできるもの

などがあります。
(*比較的に1000円未満の料理が多い)

月替り・週替りメニュー(日替りまではできないお店の代替メニュー)
 「今月のおもてなし膳」、「週替わり定食」などがあります。
 食材ロスも出やすい「日替わりメニュー」ほどの労力を出せなくても
 実行しやすい料理提供スタイルです。

日替わりランチ(平日限定タイプが多い)
 一番組みやすいやり方は、1か月のうち平日のみ提供する。
 その場合は、
 月間で21日~22日ですので、「事前に26品目~28品目」
 候補をすべてリスト化しておきます。
 そして、実行日から、1番→28番までを毎日順番にコツコツと
 作ります。

 毎日来られても、日数より品目数の方が多いので、
 翌月の同じ日や曜日に「同じメニューがかぶる」ことはありません。

日替わりメニュー
 10品~15品以上のお店が多いと思いますが、
 一番多く来店される方でも週に2~3回、来ない人で2か月に1回
 ですから、

 15品目でしたら、ページの一番上の所の
 ①5品目を新規メニューで作ります。
 ②次に売れ残ると使えなくなる鮮度物の刺身類をのせます
 ③その後に、常連さんが注文する定番人気メニューを載せます

 
 全メニューを新規メニューに変えると
毎日10品以上を考えても、準備する手間と食材ロスをなくすほどの
需要はなかなか見込めないので、仕組み自体が長続きしません。

*その他、
季節メニュー   
  春夏秋冬の3か月それぞれの食材を使ったメニュー

アイドルタイムメニュー  
  一般的には14:00~18:00の食事客が来ない時間帯のメニューで
  ティータイムのケーキセットなどのメニューがあります
  *しかし、専門店が近くにあるとあまり効果は出ません。

●土日祝日専用メニュー
  週末専用のランチメニューなど。平日よりは20%~30%高めの
  設定です。

期間限定フェアメニュー
  売上の少ない動員力の弱い月よりも、動員力の強い月に実施したほうが
 「企画効果」も「売上効果」も期待できます。


テイクアウトメニュー

デリバリー専用メニュー

オプションメニュー
  通常のメニューでは出していないスペシャルメニュー
 
 などがあります。

■メニューの変更時期はどれくらいか適切か?

グランドメニュー通年メニュー・ディナーメニュー)
 大きなモデルチェンジ(全体のメニュー構成の見直し)を行うのは、
 3年ピッチが良いと思います
   <理由>
 ・食材の値上がり分の売価への反映
 ・嗜好の変化
 ・ブーム的なトレンド商品の開発で削除メニュを外すため など
     

 小さなマイナーチェンジを行うのは、
 6か月~1年ピッチが良いと思います

  ・売れないメニューの削除と新メニューへの切り替え
  ・食材の値上げで販売価格が合わなくなった時の価格の変更
  ・売上が停滞しだしたときの例愛とデザインの変更
  ・使用する食器の変更(今は、この食器でこの盛りつけで出るが基本)
  ・メイン料理のボリュームの変更

 などがあり時に臨機応変に行う為です。

ランチメニュー
 基本的には、6か月ごとに切り替えです

「春夏版」(4月~9月)と「秋冬版」(10月~3月)
 の2タイプを作っておけばよいと思います。
 
(*メニュー変更の2か月前から変更際業を開始します)

新メニューの継続有無判断時期
 新メニューは「3か月間でほぼ告知が行き届いた」と判断されます。
 この3か月間には、価格を変えずに、味・ポーションの変更・盛付
 ボリューム等を調整して「完成度を高めます!」

   ↓
 売れていれば継続する。
 売れていなければ、味・ポーション変更(カットの形とか)・盛付
 ボリュームを調整の上、設定価格を変更する。

(*いろいろな事例からみても、最大のネックは「価格」だったりします)

それでもダメだったら、削除メニュー判定になります。


■メニュー構成の役目と留意点

1,このお店は「何の料理がメインのお店」か、見た人に伝わる

2,このお店の「名物」「おすすめ料理」は、どれなのかがわかる

3,料理が食事ものでまとめるとか、調理方法でまとめるとか
  グループごとにまとめた構成であり、
  食べたい料理を探しやすい、わかりやすいメニュー構成になっている

4,ページ数は多すぎると記憶できない
  4ページ~8ページが一番良い。
  10ページ以上あると、今までに見た料理をどのページだったか
  覚えていないので、オーダー受けに時間がかかり非効率になる。

5,中高年客が多いお店は、「新聞の活字の大きさ以下の文字は使わない」
  方が、「読んでくれるし、クレームになりにくい」
  (*読めない文字は書いていないのと同じです)

6,価格表示は「総額表示」(税込価格)にしてわかりやすくして下さい


■メニューの価格設定について

  メニューの価格設定には、許容範囲内の価格帯があります。
食材原価÷30%(原価率)×110%~
食材原価÷39%(原価率)×110%
   まであります。
しかし、これからの適正値は、

食材原価率30%~33%」にするべきです。

●30%~35%で全体を組む
●中心の原価率を33%とみて30%~35%で組む。

粗利益高の55%を占める人件費の「吸収」の
 ためには、

 食材原価率を低くできる料理の仕組み
 が不可欠になります。






■新規メニューの役割

  新規メニューを毎月次々と打ち出すお店は、
間違いなく「営業活動が活発な、行きたいお店」です。

言い換えると、利用したいお店、商品を買いたいお店です。

1,「お客様にお役に立てるお店になりたい」という
  暗黙の意思表示がお客様に伝わります。

2,売れないメニューを削除しただけでは、メニュー数が
  しぼんで、魅力のない商品数になります。
  その穴埋めが「新メニュー」なのです。

3,新メニューで、こんな料理も出せます!ということも、
  有料試食商品として、お客様に受け入れていただける
  素材や味や提供方法かの、
  「マーケットリサーチ商品」としても新メニューは活用できます。


売上のアップを実現させるためには、



1,新たなメニュー構成
2,新たな料理分野・新メニューの登場
3,新たな提供方法の開発
4,新たなサービス方法の導入
5,新たな価格帯の開発


等が必要となります。

行動した人だけが向う岸にも渡れます

山の頂上にも到達できます

負けたくないと思ったら、やるしかありません!

一緒に頑張りましょう!

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします