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飲食店未来学27:和民のこだわりのれん街の客席構成に注目してみた

ワタミでは、コロナ禍において創業ブランドである「和民」の看板を、居酒屋業態店舗から焼肉業態「焼肉の和民」へと転換を進めておりましたが、アフターコロナにおける居酒屋業態の業績が回復していることを背景に、再び「和民」の名を冠した次世代総合居酒屋ブランドとして、「和民のこだわりのれん街」の立ち上げを決定しました。



■コロナ禍で磨きをかけた7つの専門業態の“のれん”を掲げた、新しい総合居酒屋の形。

「和民のこだわりのれん街」は、コロナ禍で進んだ外食の「目的型来店」のニーズに応え、“のれん街”の名のもとにワタミが展開する7つの専門業態を集結させた新ブランドです。焼肉業態「かみむら牧場」をはじめ、寿司「すしの和」、中華四川料理「WANG’S GARDEN」、炉端焼き「炉ばたや 銀政」、総合居酒屋の復刻ブランド「居食屋 和民」、ドリンク専門業態「ゴジピタパーラー」、そしてワタミの6次産業を体現する自社牧場ブランド「北海道 美幌峠牧場」の7ブランドの“のれん”を掲げ、それぞれの本格料理が楽しめる、ワタミだからこそ実現できる新提案の総合居酒屋です。

ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)ワタミ記事より引用

🌰料理はそれなりに中高品質で客単価アップ狙いと同時に値上げ可能な商品力です

 鹿児島のかみむら牧場(和牛の大手生産者)の肉を使っており、
品質も良い。魚も見る限り品質は良さそうです。


300円台~600円台の商品


商品力を上げて、従来の串焼きメニューよりは少し高めの設定


全体的に中の上感覚の価格設定 原価率は30%台か


よくある極上、特上、特選、上などの表示がないメニュー名
コストが安いものと高いものの価格対比がはっきりしている


中華メニューはコスト安く冷凍保存か可能 外注生産しやすい


売価、コスパを意識した、20代~40代設定のお店か

🌰客席設定から見えてみたワタミの考え方


6部門235席の屋台店の構成(1部門当たり役39席見当)


 この表と以下の写真を見るとわかる通り、

1,この新規店は大規模複合集約店舗の実験店といえる

 従来、屋台型のお店は利用時間の偏りや、複数のニーズの違う客層が
来店することによる「客席でのバッティング」が起こりやすい。
・・・多くの客席で、好みで利用分散することで、バッティングを
   最小限度にできる。

また一挙に兼務しにくい「調理の煩雑さ」があり、作業をこなすために、
複数の人間を必要とします。人件費がかかる業態です。

事業の成功のためには、
売上高の確保が必要とされる。
 客単価3,000円×235席×満席率80%×5回転(最大11時間営業)×30日
 =月商8,460万円

 客単価3,000円×235席×満席率80%×8回転(最大11時間営業)×30日
 =月商1億3,536万円

 少なくとも月商1億円超えをめざしている規模となります。

2,20代~40代の人をターゲットにしている

①客単価設定  3,000円(税込)としている(食べログ)
        およそ2,500円客~4,500円客を想定しているとみる。
          (83%比率)(150%比率)

②客席     さほど豪華にはしていない
        長テーブルタイプ。イスの造りは、90分タイプに見える。
       (2時間以上は座り心地が良くなくなる固さのイスの感じ)

③営業時間   14:00~翌3:00まで(月曜~金曜)
        15:00~翌2:00まで(土曜)
        15:00~23:00まで(日曜)

        23:00以降までの営業時間は、都会型、若者型の
        立地選定と客層を想定しています。

④団体会食型  
    10名掘りごたつ式     3 30名
    20名  〃   個室   2 40名
    貸切テーブル掘りごたつ式 1 45名

    団体向きの席数が、235席中115席 比率48.9%(約半数)

貸切45名席

いろいろな冒険要素を持っている新店舗と思います。
どのような結果になるか、年末まで見てみましょう。

いろいろな飲食企業が、強い次世代型飲食店のあり方を
真剣に模索しています。

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします