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たべ塾:繁盛店に「味を変える店」と「味を変えない店」があるのを知っていますか?

  もう鰻のかば焼きが恋しい季節になりますね。
本で読んだ知識ですが、背開き(関東)・腹開き(関西)の違いはありますが、開いて食べる以前は鰻をぶつ切りにして長い串に縦に刺して焼いて食べたことが由来して、その姿が「蒲の穂」に似ていたので、「蒲焼」という
呼び名になったということです。

この鰻のたれは先祖から伝わった伝統の味(大げさに言うと秘伝のたれ)ということになります。注ぎ足し注ぎ足しして味わいの源を変えずに何百年も伝えており、
焼き鳥のたれ・鰻のたれ・うどんそばの返し、デミグラスソースの味などがあり、
これらは、

「同じ味わいを長期に渡り守り続けること」で
繁盛しています


一般のお店に必要なことは


「味の変化」を行いながら時代のニーズに応えることで生き延びることができます

その方法のいくつかをご紹介します。

1、時代の風潮が求める味を提供する

  時代ごとに求める味わいが異なってくることがあります。

女性の就業比率が高くなり、同時に女性の外食比率が高くなるたびに飲食業界も大きく変化をしてきました。
軽薄短小」が一つの例です。
◎重い食感の食材より軽い食感の食材
◎厚い形状より薄い形状
◎長い形状より短くて食べやすい形状
◎大きい形状より小さな形状

いずれも口が小さく男性より体力のない女性が美味しく食べる(今では中高齢者も、子供も同じ)ための基準です。

これと併せて
女性中心に広がる・・・健康志向・美容志向で・・・濃い味から薄味へ
変わりました。
また、生活習慣病の広がりで、減塩志向も高まり・・旨味だし重視志向も
強まってきています。
 
ラーメンで補足説明すると、

この業界では15年~20年で「コッテリからアッサリへ」「アッサリからコッテリへ」を周期的に繰り返しています。
また健康志向も加わり、「野菜の量は多くしても価格は変わらない」という売りのお店も存在します。

本来とんこつが主流の九州大分でも、数年前から鶏白湯ラーメンが少しづつ増えてきており、鶏ガラとんこつ、醤油、味噌ラーメンもそれぞれ健在です。(令和の今は、コッテリ~アッサリまでが均等に分布していると感じます)

食べ応えのあるガツンと来る濃い味が求められた時代から、幅広く客層を取り込む為にも、また競合他店との差別化の為にも、ラーメン業界は
切磋琢磨していると思います。

個人的な意見では、昔はお金のない人が速攻で食べて仕事に戻るための庶民食でした。せいぜい売価で500円~600円の長浜ラーメンの様なものです。

東京で見かけるお店では海鮮などの高級食材を使って1杯3000円のラーメンがあったりして無限大の広がりを見せていますが、
長期経営を本当に考えているのか疑問な点もあります。
マスコミ受けの一発勝負的なお店は1年後には跡形もないと思います。


まとめると、

自店の経営する世の中がどんな味わいを求めているか、感知センサーを
働かせていただきたいと思います。

1位のメイン商品はブレない味で売るとしても、
濃い味のお店なら、第2位の商品は普通味、薄味商品にする。
反対に薄い味のお店なら第2位の商品は濃い味又は味変を数種類準備してお客様が飽きない工夫をすることが求められます。

どの味わいにしても「美味しさ」「健康志向・美容志向を受け止める商品であること」「不必要な高額を要求しない商品作り」が必要と思います。


2、客層が変わるとその客層に合う味を求める

  
ショッピングセンターが新たに近くにできて、女性客が増えたりとか
パチンコ店ができて中高齢客が増えたりとかで、
新たに生まれた客層を取り込み顧客に変えるために、メイン商品と別の商品を開発してデビューさせたりする必要があります。

増して、何らかの現象で客層が180度変わったお店は、その「新たなメイン客層」が好む料理・好む味を開発して提供することで、同じく繁盛が続けられることと考えます。

(了)



飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします