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10年後も生き残っている飲食店の条件とは?:飲食店の困った!を解決相談所大分

 未だ混迷の淵にある飲食業界です。(1月29日現在)
しかし、どんなに迷っていても守るべき生存条件があります。

10年後にお店が生き残っている条件は、言い換えれば、
お店が、今から身につければ、生き長らえる条件になります。
そのあたりを、私なりに深堀してみます。

👉経営持続可能な「利益率」を維持する

「値上げは一過性の手段」というような意見もありますが、そうではありません。 ともすれば、例えコロナがなくても、支払いをすれば手元にお金が残らなくなるという「飲食店の営業利益率の薄さ」を考えれば、

「生存可能な一定の利益率を維持するための値上げは、「正当な営業行為
だと私は思っています。

  *ただし、メニュー価格の値上げがどこも成功するとは限りません。
   お店ごとに成功、不成功、成功度の比率の違いは出てきます。

具体的に数値でいうと、
「利益率65%」(食材原価率35%)は、維持すべき
という条件です。

食材高騰は今年も昨年同様、もしくは少し多めに動きますから、少なくとも
今年から来年前半にかけて3度くらいの値上げは必要になるでしょう。

多くの飲食店は、現状の「売上高」を維持するために「収益率」の悪いメニュー価格で営業しており、値上のたびに「利益」を減らしています。

でも、これっていいかえると、「水の中で息を詰めて我慢している状態
であり、いつ窒息するか、おぼれ死ぬかわかりません。

何もしないで耐えて死ぬか、すべきと思ったことを実行して運命に従うか
 
私は、迷わず後者を取ります
後悔しない為に

長く続かない無理なことは最初からする必要がありません
努力も実らず、成果を生まないからです


👉インチキな商売をしない

 WEBやnoteで知ったことですが、一過性の一見客に「粗悪料理」を提供している飲食店があることを知りました。

まず、ローカルでは、観光客相手のぼったくりクラブやラウンジくらいしか
聞きません。噂が立てば、地元客は行きませんから。

写真や説明と違う粗悪な料理を出さない
 
当然のことですね。

 初めて行った店で「この店まずいな」と思ったら、
「すみません、友達の〇〇さん来てませんか?」と架空の設定で言う。
店内を捜すふりをして観察してから、「いないようなのでまた来ます。」と退散する。(実際にしている人からの伝授)

品質、産地銘柄、生産者などを偽らない
 食材原価率が厳しくなると、こういうまやかしをしてくる飲食店も出てくると思いますが、「思ったほど美味しくない」といずれわかります。
食べログなどでもしっかり書き込まれます。

不正に手を染めれば、短期で消滅しています。
(*経営者が同じで、お店の業態をころころ変える人もいる)

「時価」の復活もあり
 昔は、高級すし店などは、商品名の下に「時価」(仕入価格が変わるから売値もその都度変わる)がありました。

 今後は、時価を「本日価格」とか、新たなに言い方に変えても、
復活させる必要が出てきたように思います。

 価格を「3,000円~」は、若い人にとっては「3,000円」と同じ。
「~」の意味は表示なしで、無視されます。

 そうかといって、仕入価格の上昇分を勘案して、なおかつ売れることを
考慮した売値を設定すれば、どうしても食材原価率が高い、メリットの少ない商品になってしまいます。

で、時価の仕組みがいいかもです。
ただし、時価そのものは死語ですから、新たな名前が欲しいですね。

👉過去の成功事例は活かさない

 昭和の時代の成功例、平成の時代の成功例の大半は、今の時代にとって
多くが役に立たない成功例になってきたと思います。

●右肩上がりと水平飛行の時代→右肩下がりの時代
●売上高を追う時代→利益高を追う時代
規模拡大をする時代→規模縮小で効率最大化をする時代
年功序列の時代→年齢・性別に関係なく実力主義、成果主義の時代
労働ありきの時代→必ずしもそうではない時代

 時代は大きく変貌してきていると思います。
人間も動物の端くれですから、「」と「(すみか)」とそれを維持するための「(最低限度の)収入」があれば、幸福に生きてゆけます。

収入のために、心を失う生き方は改めるべきと思います。

👉自分に素直よりも世の中に素直になる

 飲食店主→売上を上げたい、生き残りたい、元通りにしたい
 そう思っている方がほとんどでしょう。

 しかし、
 それって「経営者目線100%」の思いでしょ!なのです。

 お客様が来店されて、注文して、お金を払って初めて売上であり、利益の獲得です。お客様に喜んでいただく仕組みがないと復活はありません。
自己中を他己中(たこちゅう?)に変えましょう。

●習慣化されたリーズナブルランチ需要(ワンコインランチ需要
●美味しい料理を手持ちのお金の範囲で食べたい(予算内外食利用
●たまには「非日常のごちそう感の高い料理を食べたい」(ご褒美利用

食材費を下げて、人件費を下げて、継続して提供できる料理作り。
この3つのニーズを、お店のメニュー化でどう表現するかですね。

👉売上高より利益高を追う

 外食人口の減少、外食予算の縮小や外食回数の減少により、
●売上高の減少が起こります
●不採算店舗の閉店が続きます
●外食需要と店舗数のバランスが10年後には整います

これからの10年間は、「売上が減っても利益を増やすメニューづくり」
が必要になります。

 ここでも、売上を伸ばしたい飲食店ができることがあります。
QSCの向上(商品力、接遇力、快適な店舗力)
●圧倒的な差別化された商品力(コピーできない強さ)

 ここで成功するためには、「安く売ってはいけません」
価値あり過ぎる商品は、最高の利益率を持つべきです。


👉お金を先に掴むよりお客の心を掴め

 時代の変化ごとに、お客様のニーズの変化が起こります。
メニューは80%「儲ける」ために売れるメニューをつくる。
そして、
20%は、お客様に「買っていただける要素」を最大限盛り込む。
両方を合わせた100%のメニューが、最強のメニューです。

うどんやラーメンと同じキャッチフレーズがお客様の真意です。
安い・・・・価格自体が安い必要はありません。
       商品の持つ商品力が価格に比べて同等以上であればいい。

うまい・・・家で食べるよりも、自分で作るよりも美味しいから外食が
      あります。家庭の味より「半歩上」が害移植産業の矜持です。

早い・・・・オーダーされた時点から、「待ち」のストップウォッチは
      押されて、客席で、今か今かと待っています。
      20分すぎると、怒りを込めて食べる人もいます。
      (*私ではありません)

      ランチタイム  7分~10分が良い 15分が限界値
      ディナータイム 15分~20分以内  20分越えは厳禁
     *開業店では40分越えたお客様は「二度と来ない」といいます。

           

👉小規模店舗で小商圏内の密度を高くする
 ×複数=全国展開になる


 全国統一の司令塔になる「本社」や「本部」がいらない時代になる。

本当に、多くの支持を得る広域飲食店は、「食文化圏が同じエリア」毎に
ミニ本部をつくるべきです。
 従業員もジョブ型に変えてスキルアップやリスキリング(学び直し)を
進める方向が良いと思います。

好みの食材が違う
●好みの味が違う
●適切な価格帯が違う
●最大効率化できる営業時間帯が違う

等を細かく実行できるためには、本部機能の小型化、分散化が
必要になると考えています。

いろいろなところに、利益が生まれる「種」が
転がっています

ひとつひとつ発見して、利益を手に入れましょう

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします