見出し画像

飲食店未来学:専門店化時代の幕開け9:少人数利用の売上で経営する時代

飲食店の売上のつくり方は二通りあります。高額客単価で少人数利用でも成り立つ方法。もうひとつは、大衆客単価で多人数して成り立つ方法。令和6年からの飲食業界は、「客単価減×客数減」に切り替わった。考えようによってはコロナ期より怖い環境激変です。

今後は多くの利用客が来店するという前提がなくても、生きのびることができる飲食店づくりが必要になると筆者は考えています。

飲食店が赤字になる理由

1,食材原価率が高い(利益率が低い)


一か月間の食材仕入の比率が高い、すなわち売上に対する利益率が悪い飲食店は、今のコスト高の世界では、事業継続に必要な利益を残せず生存できません。

2,人件費が高い


固定費で一番赤字になりやすいのは人件費の額です。省人化機器、省力化機器を入れた上で、どうしても人間しかできないところを、優秀な人間にしてもらう。これしかありません。

3,家賃が高い


飲食店が赤字でも支払うものは、仕入代金、電気水道ガス料金、電話料金、人件費、銀行返済金、消費税などの税金のほかに家賃があります。売上が落ちても、家賃は問答無用の支払いです。家賃比率が10%を超えるお店は、慢性的赤字体質の要素ありと思ってください。

4,銀行返済額が多い


運転資金や設備資金をつぎ込んでも、売上の伸びがなければ、借入金の返済負担が過重になるだけです。私の経験では、売上高の10%以内が限度。できるだけ銀行返済金とリース金額月額返済額と合算して10%と考えるべきです。

5,リース金額が高額


リース金額が月商の10%を超えると、家賃で10%、銀行返済金で10%となり、仮に売上総利益が70%あっても、利益は残りません。リース返済月額が10%を超えたお店は、1店舗も黒字になっていません。

6,余分な経費で利益が目減りしている


お付き合い保険料、不採算店にかかる経費、前経営者からの踏襲経費は、厳しく見直すべきです。かって、年間で3,000万円の赤字のお店を1年で赤字ゼロにできた要因は、原価率の引き下げと余分な経費のそぎ落としでした。

7,放漫経営で業績悪化


高級車に乗る、開業したお店を育てるよりも、新規店づくりばかり傾注する。良いことをやっていても、どこで魔手が伸びてくるかわかりません。注意を怠り、気を抜けば隙ができて、そこから業績悪化が始まります。

少数の来店客で経営が成り立つ個人店は1人経営が基本

何度かnoteに記載しましたが、一つのモデルケースは、調理と接遇サービスを1人で行えるシンプルさがコツです。

10席未満の客席数(5席~7席がベスト)
たとえば7席が1.5回転して、10人の利用客があれば、客単価5,000円でも、日商5万円、月商で100万円以上になります。何よりも、どの席のお客は、どこまで料理を出したが頭でチェックできることが極意。

●コース料理はひとつだけ
そんな馬鹿なことがあるかと思う人もいるかもしれません。これが創作料理でしかも季節対応の日替わりコースであれば、あなたも利用したくなりませんか。フードロスを限りなくゼロに近づけることができる方法です。

●単品料理は一切なし
食材ロスを生むとともに、その料理を作ると、お客さまとの会話を遮断しなければなりません。これを防ぐために他の料理はないのです。

●お酒は自由に別途料金で利用
日本酒、ビール、ウイスキー、ブランデー、ワインなど最高のものを揃えます。安く売りたい場合は、グラスを大・中・小・小々と揃えてください。1人当たりのお酒の代金は、2,000円~5,000円くらいにはなります。高級ワインだと万単位で上がります。

●平均客単価5,000円以上~15,000円にする
コース料金を4,500円~12,000円にすればいい。金額は、中の上客でなく、上の下客の料金設定が良い。客層をハイクラスにするほど店内は洗練されてくる。予約乗り利用可能と、年数がたてば、利用客の推薦も条件にするといい。

信じて懸命に研究して実際にやってみる人にだけ勝利が訪れます

(了)




飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします