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食べ塾118:苦境脱出はメニュー数を半分にして食材費と人件費を削減しよう!

昨年度に1店舗、今年度に1店舗、数は少ないですが、いずれも3~4か月
がかりで2店舗ともお店のメニューを30%~40%減らして、なおかつ
売上をコロナ前の売上レベル近くまで引き上げました。
店舗の効率アップを行いました。(方法は後半で説明)

飲食店のランニングコスト(運営費)削減の根幹は、
メニュー数を減らすことで、より効率の良い運営に変えて、「売上を以前と同じレベルに維持する」に変えることです!

 そんな都合の良いことってできるのか?ですって?
できます!

というよりも、こちらの説明の方がわかりやすいでしょう!

昭和の時代から平成の時代まで長期に渡り、メニュー数を
増やしてお客を増やし、結果として売上を増やすという
成長神話の法則は、

今や逆に、「足を引っ張る貧乏法則神話」に変ったと
いうことをお伝えしたいのです!

今では、売上が伸びなくても利益を増やすための手段を
実行する時期です、新たな時代の実践方法です!


●売上が下がっているのにメニュー数はそのままというのは「罪悪」です。
 どれほどの有形無形のコストの無駄が出ているでしょうか?

●メニュー数が減れば、食材数は減らせます
 多すぎる食材管理は、ロスを生み、食材原価率を引き上げます。

●メニュー数が減れば、調理とホールのスタッフの作業を削減できます
 食材の仕込み、たれソース類の仕込み、調理の手間が少なくて済みます。


■客単価1500円未満の中低価格店の方法

その多くの商品は1000円未満だったり1200円台だったりします。
これからの低価格店の価格帯ゾーンは、500円~690円が、700円~980円
にひきあがってくると思います。原因はコストアップです。

(具体策)
1,食事メニューはベスト5まで半分以上を切り捨てて絞り込む
  飽きさせない為、季節感を出すためにシーズンメニューを
  1~2品別途に準備する。
  オーダーの集中比率が高まり、仕込みの量は増えても、種類は
  減らせます。

2,単品料理は25品~30品以内に思いっきり絞り込む
  過去3か月間~6か月間分のデータをまとめたオーダー数(ABC分析
  データ)から、原価率の高いもの、手間のかかるものを省いて、
  上位25品~30品を選び出す。
  
  キッチンが狭い、調理担当が少ない、冷蔵庫・冷凍庫のキャパが小さい
  ガスコンロの数が少ないなどの条件があれば、30品より25品にした方が
  いい。店舗規模が小さい場合は15品~20品でもいい。

3,簡単調理商品を重視➡早期提供➡客席回転率アップにする
  客単価が安い分、売上を上げるためには、回転率を上げる仕組みに
  しておくことが必要です。
  手づくりだけど簡単調理、シンプル調理、シンプルセットメニュー化
  して、調理とホールスタッフの手間を省き、各1名分を削減する。
  もしくは、勤務時間を短縮してあげる。

4,残すメニューは商品改善をして「色味良く食材原価率30%以下」にする
  
商品を改造して安くてもおいしい食材に差し替えます。
  (ここが肝心なところです)ここを省くと成功しても成果は少ない。

  今までと同じ商品を出されても、メニュー数が減っただけでは、
  お客様は喜びません。商品の進化と変化があってこその喜びです!

  変化の時に、新食材に置換えると、食材原価が数%以上落とせることに
  なります。
  美味しい既製品を味付けしてお出しします。
  それを、自店の手作りのオリジナル料理と合わせて提供します。

  成功しているお店は、必ずオリジナル手作り料理で押さえています
  *しかも原価率が20%~30%未満です

客単価の低いお店は客席回転率が上がる簡単料理で攻める!

麺類、カレー、丼ぶり、簡単な定食などのお店。

■客単価1500円~10000円のお店の方法

 手取り給与が上がらずに、生活するゆとりのお金が少なくなると、
外食の手控え、客単価の減少が起こり、売上が漸減するようになります。

このような時こそ、高級化した専門店的な自店の一大チャンスの時です。

食材のプレミアム感、お店の持つプレミアム感、提供スピードのタイムリー感、ゆっくりと料理とお酒を楽しみたいくつろぎ時間のあるお店のあり方
です

1,定番に使うメイン食材は極限の2~3食材まで絞り込む
  なぜなら、「必ず切らさない高級食材」は少ないほど負担が小さい
  からです。

 最後まで切らさないほど仕入れる時代から、需要の100%未満の仕入で、
当日売り切りする食材に考え方も変わりました。

毎日使うメイン食材が「最新鮮度でスタートする」仕組みです

2,高客単価になるほど、少人数、低客席回転率になります
  
これが一番経費を喰わない方法です。
高客単価で高回転率を狙っても、お客様のゆっくり楽しみたいというニーズ
に反すると、不評を買います。

また、多人数を一度におもてなしすると、前回よりもサービスレベルが落ちたという不満を持つお客様が増えます。
決して一時的には凌げても、長期ではこのやり方は続かないと思います。

やはり、高客単価、少人数、低客席回転率がひとつの繁盛法則です

3,客席の個室化とオーダーシステムの導入で、少人数勤務でも
  バランスが取れる仕組みが生まれる
  
平均客単価が競合同業態店より低いお店ほど、ホールスタッフは
店内を走り回っています。

客単価が5000円以上のお店は、調理も接客スピードも、タイミングを
見ながら行えます。

今のお客様は、必要な時は顔見て応対して欲しいけれど、単に
伝えてアクションをとってくれれば、客席に来ないでもいいという
伝え方の「使い分け」をされています。

ですので、私は、
高級店でも、顔を出す場合と、出さないでご要望を受け取る場合と、
2種類があってよいと思います。

ホールの支援機器の導入で、ホールスタッフの負担軽減と人件費の削減を
行えることが必要と思います。

そのためには、

このコロナ過の脱出期こそ、思い切ってメニューの絞り込みを検討する
良き時期になっていると思います。

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします